徹底分析シリーズ 麻酔科医とタンパク質の一生≪番外編≫
アクアポリン:水を制するものは脳浮腫を制すか?
祖父江 和哉
1
,
高柳 猛彦
1
,
平手 博之
1
Kazuya SOBUE
1
,
Takehiko TAKAYANAGI
1
,
Hiroyuki HIRATE
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
pp.148-151
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
水を通過させるチャネルとして発見されたアクアポリンaquaporin(AQP)が,近年,脳浮腫の発症に関与していることがわかってきた。脳浮腫は麻酔や集中治療領域でよく遭遇する病態であるが,発症機序は十分にわかっていなかった。ノックアウトマウスなどのさまざまな動物モデルを用いた研究により,AQPは脳浮腫の発症・進行,場合によっては治癒に関与することが示唆されている。今後,AQPは新規脳浮腫治療薬の標的になる可能性がある。さらに,水の通過以外の新規機能も注目されている。
Copyright © 2010, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.