症例検討 血管内治療の麻酔
大動脈疾患に対する血管内治療の位置づけと今後の展望
黒澤 弘二
1
,
大木 隆生
1
Koji KUROSAWA
1
,
Takao OHKI
1
1東京慈恵会医科大学 外科学講座血管外科
pp.172-180
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100869
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近年,血管内治療が目覚ましい進歩を遂げている。その低侵襲性から血管内治療の適応が拡大し,各科の治療戦略を大きく変貌させている。大動脈瘤においても例外ではなく,従来,開胸や開腹による人工血管置換術で対応していた胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤が,ステントグラフト(SG)で治療が可能となった。わが国では,2006年に腹部大動脈SGでCook社“Zenith”,2008年に胸部大動脈SGでW.L. Gore社“TAG”が,企業製造SGとして承認され,その後,腹部で2種類(W.L.Gore社“Excluder”, Endologix社“PowerLink”),胸部で1種類(Medtronic社“TALENT”)が追加承認され,SG手術件数が飛躍的に伸びている(図1, 2)。
本稿では,大動脈瘤,主に胸部大動脈瘤,腹部大動脈瘤に対するSG内挿術治療の位置づけと今後の展望について解説する。
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