看護管理 31巻3号 (2021年3月)

特集 自ら育つ,組織が支える 副看護師長が力を発揮する組織 経験から学び,役割移行期をしなやかに乗り切る

  • 文献概要を表示

副看護師長(主任)は昇任時に,スタッフから中間管理職へと大きな役割変化を経験します。しかし,現状では組織からの役割移行期の支援も十分とは言えないことから,戸惑いながら手探りで移行期を乗り切っている方が多いのが実情のようです。

そこで本特集では,副看護師長にも,看護師長をはじめとする支援者にも活用していただくことを目指し,「副看護師長が力を発揮する組織」をテーマに,前半では副看護師長の自己開発に役立つ知識を,後半(p.217〜)では看護管理者による研究成果を通じて,副看護師長の役割を考えます。

  • 文献概要を表示

多くの副看護師長(主任)は,現場のスタッフから中間管理職へと役割を移行するときに混乱や危機に直面する。本稿では「キャリア・トランジション」(役割移行期)に焦点を当て,組織心理学的理論を基に移行期のプロセスを明らかにする。

  • 文献概要を表示

前稿では副看護師長(主任)の「キャリア・トランジション」(役割移行期)に焦点を当て,そのプロセスを明らかにした。本稿ではすでに公表されているマネジメントラダーや先行研究から副看護師長(主任)に求められる役割とともに,新任マネジャーの課題(マネジメントスキル)を示す。後半では,自ら移行期を乗り切るための能力と言うべき経験学習の価値を提示する。

  • 文献概要を表示

本稿では,副看護師長(主任)が経験学習によって成長し,キャリア・トランジション(役割移行期)を乗り越えるための支援について,自分自身による支援,看護師長による支援,組織全体による支援の3点から考察する。

特に自分自身による支援の具体的方策として,自病棟の人材育成をよりよくするための5つのステップからなる実践のプロセスを詳説する。

  • 文献概要を表示

静岡県立病院機構では,運営する3病院の看護師長・副師長を対象とした段階的・継続的な管理者研修と,次世代を担う看護管理者の育成研修を行っている。本稿では,これらの研修を実施するに至った経緯と,具体的な研修の内容を共有し,今後の研修の在り方を検討する。

  • 文献概要を表示

副看護師長(主任)の仕事は,病棟スタッフを教育することから看護師長の代行役割までと多岐にわたる。病棟のつなぎ役として,看護師長とスタッフの板挟みになるなどつらい立場に置かれることも少なくない。一方,病棟のチームワークを促進し,皆にとって働きやすい職場をつくるためのリーダーとしての役割など,ダイナミックな実践ができる職位でもある。

ここでは「覆面座談会」として,副看護師長(主任)ら4人にお集まりいただき,リアルな思いを語っていただいた。

  • 文献概要を表示

東京大学医科学研究所附属病院では看護管理者の評価制度にコンピテンシーを使用し,部署運営に活用しているが,看護師長と副看護師長の間でコンピテンシーの理解と活用に違いが生じていた。そこで,看護師長,副看護師長の間で部署運営において影響し合うコンピテンシーを抽出する研究を行い,部署運営への活用を検討した。本稿では,その研究の概要を共有するとともに,副看護師長の効果的な育成への指針を示す。

  • 文献概要を表示

筆者は副看護師長としての役割を果たしたいとの思いから,その役割遂行に必要な要因の解明に取り組んだ。本稿では同研究の内容を紹介するとともに,管理者候補時からの継続した教育システムの必要性について共有し,今後の看護管理者育成への応用について述べる。

  • 文献概要を表示

キャリア中期看護師のキャリア発達を促し,看護職者としての能力向上につなげるために,副看護師長が果たすべき役割は大きい。自身の臨床での経験から,中堅看護師のキャリア開発を目的とする,副看護師長によるメンタリングの有効性に着目して取り組んだ研究の成果を踏まえ,今後,求められる能力の方向性を示す。

  • 文献概要を表示

副看護師長の役割の1つに,看護師長の不在時の代行役割がある。筆者は,副看護師長が看護管理業務を苦手としているという課題を踏まえ,看護師長の代行役割の経験に焦点を当てたインタビュー調査を行った。ここでは調査によって明らかになった看護管理業務の習得過程と,その結果を踏まえた副看護師長の成長支援の取り組みを紹介する。

巻頭シリーズ 【石垣靖子氏 対話シリーズ】看護と倫理 尊厳を護るケアの担い手として・13

  • 文献概要を表示

私は「臨床倫理プロジェクト」を通じて,各施設・各地域の臨床倫理への取り組みを支援してきました。その取り組みの多くを看護管理者たちが牽引しています。

2021年2月号からのシリーズでは,看護部長経験者である田渕典子さん,高橋弘枝さんとの鼎談を通じて,倫理的な組織・地域をつくることを目指す「看護部長の哲学」を紐解きます。今回は田渕さんの愛媛県での取り組みを中心に紹介します。(石垣靖子)

  • 文献概要を表示

筆者は,看護師が認識する時間外労働とその要因を記述し,これらの関連を探索するため,看護師2408名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。

本稿では,その「日本の病院に勤務する看護師の時間外労働とその要因に対する認識に関する調査研究」を基に,時間外労働に対する組織的対応や,看護管理者の関わり方について,研究後の筆者の経験を交え考察する。

連載 新人看護師とプリセプターの視点から考えるよりよい新人看護師教育 誰もが働きやすい職場を目指すために・2

  • 文献概要を表示

新人看護師Cさんの事例

 今回は,新人看護師Cさん,プリセプターDさんの事例を取り上げます。インタビューは,入職2年目の前半に行いました。

 Cさんは4年制大学を卒業後,急性期病院に就職しましたが,業務でうまくできないことが多く,日中のみの勤務で何とか立て直そうとしていました。

連載 ラーニング・エイド 大学院ドタバタ留学記 in NY・18

  • 文献概要を表示

 lifelong learning(生涯学習)は私の修士課程での専攻領域となるが,少し異なる言い方でlifewide learningという言葉がある。wide(幅の広い)という言葉の通り,“縦に長い”年数というよりも,“横に広く,横断的な”学びを指す学習である。これからの時代は生涯にわたり学び続けるだけでなく,多角的に物事を見る視野が必要である。その分野を牽引してきた哲学者のノーマン・ジャクソンは,イギリスにlifewide learningを普及する非営利の教育機関を創設したことでも知られる。

 ジャクソンが執筆した「The concept of learning ecologies」1)という文献を授業で読み,彼のモデル「Learning ecology model」を目にしたときの衝撃が忘れられない。ジャクソンによると,私たちは過去の経験に新しい経験や学びを積み上げ,学びの生態系(エコシステム)を創っているそうだ。植物から動物,人間,微生物まで,それぞれが互いに依存し合い,助け合いながら生態系を構成している。学びにおいても同じように,全ての経験は互いに関連しており,縦横に絡み合った学びが織りなす生態系という考え方はとても秀逸だと心に響いた。

  • 文献概要を表示

コーチングとは,「対話によって相手の自己実現や目標達成を手助けする」ことで,身に付ければ看護管理者も,さまざまな場面で活用できます。

本連載では,組織やマネジメント,倫理,キャリアなど看護管理者の悩みを取り上げ,アドラー心理学のエッセンスを取り入れながら,現場で活きるコーチングの実践をリアルに伝えていきます。

第15回は,指導が厳しくスタッフからおびえられているという看護師長の相談から,スタッフを褒めること,叱ることについて考えます。そして,他人の評価ばかり気にしない自立した人間を育てるための“勇気づけ”について紹介します。

連載 グローバル時代の医療英会話Lesson 外来や病棟で出会う外国人をサポートするために・2

What's wrong? ウイリアムソン 彰子
  • 文献概要を表示

初診患者のトリアージ

 今回は,「初診患者のトリアージ」について取り上げます。

 患者さんが自身の身体の状態を正しく伝えられるとは限りません。患者さんが訴える症状を手掛かりに,緊急性を見極めながら適切な診療科へと案内する必要があります。特に,2020年以降は,発熱,咽頭痛,鼻水等の症状がある場合には,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の可能性を疑いますので,家族や職場に同じような症状の人がいないかを尋ねています。もちろん,医療者からCOVID-19という言葉を直接的に尋ねられることは,患者さんに大変な不安を与えかねません。

連載 ワークブック形式で学ぶ! ファシリテーションのための企画とプログラムデザイン・2

自分の「思い」を意識する 森 雅浩
  • 文献概要を表示

 ある「もの・ごと」に対して,自分がどうしたいと思っているのかを,本連載では「思い」と呼びます。毎日の業務や生活の中でもさまざまな「もの・ごと」に対面するので,本来はその都度,あなたの頭に浮かぶ「思い」が原動力になって行動を生み出しているはずですが,あまり意識することはないですよね。

 人が意識せずに行動できるのは,習慣の力によるところが大きく,反復練習や経験の積み重ねを通じて習慣化されることにより,スムーズに対応できることが多いのではないでしょうか。自分が何をしたいか,するべきかを考えてから行動していたら間に合わないこともあるので,この習慣の力を利用するのは非常に合理的です。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・175

  • 文献概要を表示

 もう20年ほど前のこと。お元気だった臨床心理学者の河合隼雄さんと児童文学者の松居直さんと私の3人で「絵本の力」というテーマのシンポジウムをしたことがあった。

 その時の発言で,今でも記憶に新しいのは,トップバッターの河合さんが,「絵本の中には音も歌もある」と題して,数冊の絵本を紹介した中の1冊,『だくちる だくちる』で表現されている音と歌についてのコメントだった。

--------------------

目次

INFORMATION

今月の新刊紹介

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 小齋 石塚

基本情報

09171355.31.3.jpg
看護管理
31巻3号 (2021年3月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
4月5日~4月11日
)