看護管理 29巻1号 (2019年1月)

特集 次世代を担う看護管理者の育成

  • 文献概要を表示

医療を取り巻く状況が変化する中,看護管理者の役割は拡大しています。効率的な病床管理,多様化する働き方やスタッフのマネジメント,スタッフの継続教育,他職種との連携,他施設や地域との連携などさまざまな役割が求められています。

そうした状況や変化にも柔軟に対応でき,1人ひとりが力を発揮できるようなチームづくりができる看護管理者を組織として育成する必要があります。

本特集では,次世代を担う看護管理者の育成の必要性を共有するとともに,さまざまな取り組みや研究成果を紹介します。

  • 文献概要を表示

変化の著しい時代の中で,次世代のリーダー育成は重要な課題と言える。看護管理者に求められる役割も拡大しており,誰もがリーダーシップを身に付け,自律して動くポジティブな組織にするためには,系統立てた主体的学習が必要となる。

本稿では,これからのリーダーに求められる先取り志向やシェアド・リーダーシップを紹介するとともに,次世代の育成における看護管理者に期待される役割について述べる。

  • 文献概要を表示

看護管理者は社会情勢を踏まえた上で,看護師1人ひとりが仕事の経験を通して成長し,自らの夢や目標,適性にかなった進路を選択しながら職業人として歩んでいけるよう就業環境を整える必要がある。

京都大学医学部附属病院では「キャリアサポートシステム」を有し,個人のキャリアを組織として支援している。本稿では,看護師として生涯成長していくための「マングローブ型キャリアパス」および看護管理者の育成について紹介する。

  • 文献概要を表示

市立札幌病院では,2008年4月から「看護職員自らが臨床実践能力を知り,段階を追って能力開発・目標設定できることで自律した看護師の育成を目指す」ことを目的に,「看護管理実践能力開発プログラム:マネジメントラダー」を導入している。

本稿では,マネジメントラダーの導入に至った経緯と,導入後の成果を紹介するとともに,今後のコンピテンシーモデルの導入など,組織としての看護管理者の管理実践能力開発についての展望を述べる。

  • 文献概要を表示

ナショナルセンターを含む国立病院機構の各病院では,看護師長,副看護部長,看護部長への昇任時には施設間異動を行い,人事交流を通して看護管理者のキャリアを築く体制をとっている。その中で国立国際医療研究センター病院では,他施設から異動してきた新任看護師長の育成支援としてプリセプターシップ制度を採用している。本稿では,「計画的新任看護師長教育」「コンピテンシー学習会」「看護師長グループ学習会」などの看護師長同士が学び合い成長していくための取り組みを紹介する。

  • 文献概要を表示

伊那中央病院では,医療圏の基幹医療施設として高度急性期医療を担うため,そして,今後訪れる定年退職による看護管理者の大幅な交代への対応として,看護管理体制の見直しと強化に取り組む必要性に迫られた。本稿では,看護師長と看護師長補佐の二人三脚による管理システムの構築について報告する。

  • 文献概要を表示

専門職である看護師は管理職志向が低い傾向があり,その背景には昇進前に看護管理者を育成する研修の場の少なさなどがある。

筆者は,看護管理者の育成はスタートラインである副看護師長が重要と考え,看護師長不在時に委任された師長業務を行う「師長代行」の経験が,副看護師長にとってどのような学びになっているのかを明らかにする研究を行った。本稿では,研究の成果と自らの職場での実践から,今後の看護管理者育成の展望を述べる。

  • 文献概要を表示

看護師個人が専門職業人として成長していくための方略が整備される一方で,後進の育成を引き受けることを否定的に捉える声が根強くある。

本稿では,「世代継承性」という概念を軸に筆者が行った研究結果を紹介し,どのように看護管理者は世代継承性を発現していくかのプロセスを示す。

巻頭 あしたのマネジメントを考えるヒント, このひとに聞く・1【新連載】

中原 淳氏 中原 淳
  • 文献概要を表示

スタッフが育つ,組織が変わる「フィードバック」について教えてください

「フィードバック」とは,「耳の痛いことでも,部下に仕事の現状をしっかり伝えて,将来の行動指針をつくること」です。効果的な人材育成方法として広がりを見せていますが,「かっとなって感情のまま叱ってしまった」「気を遣ってオブラートに包み過ぎ,伝わらなかった」などの悩みも聞かれます。その背景には「フィードバック」を経験せずに育ってきたミドル看護管理者ならではの葛藤もあるようです。部下が育つ,組織が変わる「フィードバック」について,人材開発・リーダーシップ研究の第一人者,立教大学経営学部・中原淳教授にお話を伺いました。

シリーズ 看護管理者の組織学習・1

  • 文献概要を表示

看護組織はさまざまな環境の変化にさらされており,現在の看護管理者には,多くの役割が求められている。筆者は,看護管理者を育成するには,看護管理者が相互に学び合い,支援し合いながら少しずつ成長し,個人としてではなく管理チームとしてマネジメントを実行できるプロセスである「学習する看護組織」が重要であると提案する。

本シリーズでは,「学習する看護組織」の考え方を解説するとともに,実践するための具体的なプロセスを紹介する(全3回予定)。

連載 看護×経済学 経済学で読み解く看護サービスと医療政策・1【新連載】

  • 文献概要を表示

本連載では経済学の視点から,看護サービスの特性や取引の規模,看護師の生産性や雇用環境,診療報酬や介護報酬が及ぼす影響など,さまざまなデータを活用しながら解説します。

第1回は,経済学とはどのような学問であるかを紹介し,看護管理者が経済学を学ぶ意義について考察します。

連載 特定行為研修を修了した看護師としての実践・1【新連載】

  • 文献概要を表示

地域の現状と求められる役割

 筆者は2018年から長崎県の新上五島町で唯一の有床病院(186床)である長崎県上五島病院(以下,当院)に異動し,内科の診療看護師(NP)として病院,地域のニーズを捉えながら活動しています。新上五島町は,人口1万9744人,高齢化率は39.03%(いずれも2018年)と全国平均を大きく上回り,過疎化も深刻化しています。退院後の後方施設(老人保健施設,特別養護老人ホームなど)への入所困難,在宅での老老介護による疾病管理(異常の早期発見や再発・重症化予防)が困難な状況,高齢者特有の疾患の再燃・入院の繰り返し,さらには患者が望まない救急搬送が増加するなど,課題が山積しています。

 このような現状を踏まえ筆者は,病院内の診療・看護だけではこの島の地域住民の健康管理は難しいと考え,「治し(治せなくても)地域で看る,そして支える医療」と自身の活動コンセプトを定め,施設管理者の理解・協力のもと地域包括医療・ケアの実践を入職3か月目から始めました。当院では内科に所属し,医師3〜4名とのチーム体制で常時25〜30名の入院患者の診療および看護実践を行っています。

連載 看護師長のための介護保険の基礎知識・1【新連載】

要介護認定とは何か 高野 龍昭
  • 文献概要を表示

 介護保険制度が施行されて2019年で20年目を迎えます。今や看護師の皆さんにとっても,患者の退院支援などで欠かすことができなくなっている身近な制度でしょう。

 しかし,この制度の重要性は分かっているものの,多くの看護師にとっては苦手意識があることも否めないのではないでしょうか。分かったふりをしながら,地域連携室やMSWに全てお任せにしている……。そんな読者に,この連載で介護保険制度をあらためて理解していただきたいと思います。

 第1回は「要介護認定」についてです。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・12

  • 文献概要を表示

第11回では,診療報酬改定ごとの「重症度,医療・看護必要度評価票」の見直しに合わせ,必要看護師算定の方法論をどのように検討し配置管理に活かしてきたかを,主に2010年度改定以前の取り組みを紹介するとともに,当時,開発者らによって紹介されていた一般病棟用「重症度・看護必要度評価票」を用いた看護師の配置ルールの課題について解説しました。第12回からは,この汎用ルールの課題を解決するために,京大病院ではどのように一般病棟用「重症度・看護必要度評価票」を改変したかについて,そのプロセスを紹介します。

連載 コーチングと組織の関係性システムから考えるコミュニケーション 1人ひとりがイキイキ活きるチーム創り・12

  • 文献概要を表示

 2018年10月27日,秋晴れというより残暑を思わせる1日。全国各地からご参加をいただき,ナーシングカフェ「関係性システムから創る看護チーム」を,東京・医学書院で開催しました。

 連載を通して関係性システムを説明してきた原田と田渋が,当日はファシリテーターを務め,参加者の皆さんがワーク体験での気づきをもとにお互いに学び合う,楽しい時間になりました。今回は,その様子をレポートします。

連載 進化するチーム医療への旅 今求められるレジリエンスとは?・9

  • 文献概要を表示

この連載では,これからの医療現場に必要な「進化するチーム医療」「理想のチーム・組織」のありようについて,主にシステム思考や対話・ダイアログを軸にしながら,読書の皆さんとともに追い求めていきます。

今回は,チーム医療現場における信念対立,それを合意形成に向けてどう乗り越えていくかについて考えていきます。

連載 人生の終わりの日々のケアを訪ねて・12

  • 文献概要を表示

 近頃よくACPという言葉が飛び交います。アドバンス・ケア・プランニング,直訳すれば「事前ケア計画」。人生最後の日々のキュアやケアについて,患者さんやご家族とあらかじめ話し合って希望を確かめ心づもりすることです。

 話しづらい状況でのACPでの言葉かけや態度について,近代ホスピスをリードした英国の専門看護師の知恵を紹介します。ロンドンのセント・ジョセフ・ホスピスで教育担当だったデービスさんと,ロンドン北部地域の地域緩和ケアチームのインタビューからまとめました。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・150

  • 文献概要を表示

 「人生は長い旅だ」と,よく言われる。

 あるいは,「人は何を求めて旅に出るのか」と自らに問うて,人は未来に向けて何かに挑戦し始めたりする。このようなことから,旅はしばしば文学作品のモチーフになってきた。

--------------------

目次

INFORMATION

今月の新刊紹介

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 石塚 小齋

基本情報

09171355.29.1.jpg
看護管理
29巻1号 (2019年1月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
3月18日~3月24日
)