連載 特定行為研修を修了した看護師としての実践・1【新連載】
離島での特定行為実践 ! —病院—在宅におけるシームレスな看護を目指して
本田 和也
1
1長崎県上五島病院 内科
pp.68-70
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201181
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地域の現状と求められる役割
筆者は2018年から長崎県の新上五島町で唯一の有床病院(186床)である長崎県上五島病院(以下,当院)に異動し,内科の診療看護師(NP)として病院,地域のニーズを捉えながら活動しています。新上五島町は,人口1万9744人,高齢化率は39.03%(いずれも2018年)と全国平均を大きく上回り,過疎化も深刻化しています。退院後の後方施設(老人保健施設,特別養護老人ホームなど)への入所困難,在宅での老老介護による疾病管理(異常の早期発見や再発・重症化予防)が困難な状況,高齢者特有の疾患の再燃・入院の繰り返し,さらには患者が望まない救急搬送が増加するなど,課題が山積しています。
このような現状を踏まえ筆者は,病院内の診療・看護だけではこの島の地域住民の健康管理は難しいと考え,「治し(治せなくても)地域で看る,そして支える医療」と自身の活動コンセプトを定め,施設管理者の理解・協力のもと地域包括医療・ケアの実践を入職3か月目から始めました。当院では内科に所属し,医師3〜4名とのチーム体制で常時25〜30名の入院患者の診療および看護実践を行っています。
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