看護管理 27巻12号 (2017年12月)

特集 中堅看護師のリーダーシップ 「組織が求める役割行動」と「当事者が望む教育支援」とは

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看護現場において,中堅看護師がリーダーシップを発揮する必要性が語られるようになり久しいが,具体的な役割行動やコンピテンシーはいまだ明確になっていない。

組織側から役割行動が明確に示されず,教育支援も不足する中で,リーダーシップ獲得において自己肯定感が得られず,疲弊している中堅看護師も少なくない。

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病院看護部では以前から,中堅看護師にリーダーシップを発揮することを求めているが,それを構成する要素や適切な学習支援の方法は明確になっていない。構成要素が明確にならないままリーダーシップを求められる中堅看護師は,自己肯定感を持てず疲弊している。

本対談では,社会心理学の見地からリーダーシップ研究に取り組む坂田氏と,中堅看護師のリーダーシップ尺度開発に取り組む村田氏の立場から,中堅看護師のリーダーシップを取り巻く諸課題を,さまざまな研究を紐解きながら考察する。

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筆者は,病棟看護師長を務めた経験から「部署内のケアを継続的に改善できる」という新たな看護師リーダーを育成する必要性を痛感。リーダーのコンピテンシーと,育成に必要な看護管理者の支援を明らかにするための調査研究を行った。本稿では,特に「看護管理者による支援」に焦点を当てて,その結果を紹介し,次世代のリーダーを育成するための看護管理者の役割を考える。

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卓越した実践者となるために求められる自律性とはどのようなものだろうか。そして,卓越した実践者を育むためには,組織にどのような支援や関係性が存在していることが求められるのだろうか。

本稿では,看護師の自律性と,それを育む同僚・同期,先輩,管理者からの支援について,筆者のこれまでの経験と研究成果をもとに考察する。

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筆者は,主任看護師の能力向上と,主任自身による役割理解,自己啓発,キャリアプランとの関係性を明らかにするために,主任を対象に調査研究を行った。本稿ではその結果を紹介するとともに,今後,組織として必要となる主任への支援について考察する。

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教育担当副看護部長を務める筆者は,部署の中核的存在である中堅看護師の育成がうまく機能していないことに着目し,中堅看護師が,自身のライフプランを踏まえた看護専門職としてのキャリアプランを明確にし,目標を持って成長し続けるための教育支援プログラムの構築に取り組んだ。本稿では,昨年,中堅看護師に対する教育支援プログラムを検討するために開催したワークショップの概要と,その結果をもとに導き出した教育支援プログラムの内容を紹介する。

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九州大学病院では2013年から看護師長によるプロジェクトの1つとして,次世代のマネジャーを育てるための「中間管理者育成プロジェクト」がスタートした。その後,独自の看護管理テキストなどの作成を経て,2015年度からリーダークラスの看護師を対象とする「中間管理者育成のための看護管理研修」が開始された。本稿では,研修開始までの経緯と研修の実際と成果,今後の展望を示す。

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看護師の能力開発や評価に,コンピテンシー・モデルを導入している施設が増えている。その効果を最大化するためには,まずは看護管理者による理解,組織全体による共通理解が欠かせない。東京大学医科学研究所附属病院では,2014年度から看護師長対象のコンピテンシー学習会を開始し,2016年度からは副看護師長にもその対象を広げ,育成を図っている。本稿では,学習会を基盤にコンピテンシー・モデルを組織全体に浸透させる取り組みを紹介する。

巻頭 大学院で学ぶ看護管理学 現場の実践から新たな「知」を生むために・12

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大学院および領域の特徴や魅力について,教員の立場からご紹介いただきます。

本学および大学院のなりたち

 東京女子医科大学(以下,本学)は,1900年に創立者吉岡彌生先生によって「女性の社会的地位の向上と経済的自立,至誠と愛の精神に基づき医療を行う人材を育成すること」を建学の理念として設立されました。看護教育においては,1930年の産婆看護婦養成所の開設から数えて87年間の歴史があります。

 1969年には日本の看護教育の中でも最も早期に短期大学化に踏み切り,その後1998年には看護学部を開学し,医学部・看護学部からなる大学へと発展し,「女子に医学ならびに看護学の理念と実際を教授し,創造的な知性と豊かな人間性を備え,社会に貢献する医療人を育成するとともに,深く学術を研究し,広く文化の発展に寄与すること」を目的に教育を行っています。2002 年に大学院看護学研究科修士課程が設置され,2004 年には看護学研究科博士(前期・後期)課程が開設され,永年の本学の教員の念願がかない“看護学の学問体系を創る”構想が完成しました。

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「ぎふ精神看護検討会」は,岐阜県内の精神看護専門看護師が集まる学習会である。県内の同領域の専門看護師は4名と少ないながら,会を通じて定期的に事例検討や情報交換を行うことで,相互の研鑽や,自組織における役割開発につなげている。本稿では会の活動内容を報告するとともに,看護管理者の支援を受けながら会員が自組織で実践した役割開発について紹介する。

連載 ファシリテーターのための看護リフレクション 経験から学べる看護師を育てる・9

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 この連載は主にリフレクションをファシリテートする指導者・教育者を対象とし,実践から学び,新たな価値を見いだし,次の実践につなげることができる看護師の育成の手助けをしたいと考えます。また,「看護経験から学ぶ力をつける」ことをファシリテートする手立てを描きたいと思います。

 これらを通じて,多くの看護実践家が自分の実践をリフレクションできる,つまりセルフリフレクションができるようになることを期待しています。

 今回は第8回に述べた,実践を探求することで「持論」を拡張し,新たな看護を発見していくプロセスを,佐藤看護師の事例を通して考えていきましょう。

連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・8

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看護課長を引き受ける覚悟

 看護部長から小児病棟看護課長(看護師長にあたる)への昇進の話があったのは,小児看護領域への異動希望を出し,同法人内の小児病棟へ異動した1年後のことだった。大学院で小児看護学を専攻した後に2年ほど外科病棟を経験したが,小児看護領域に戻りたい思いが強く,休職後にもかかわらず施設間異動まで行い,小児看護ができる環境を選択した。

 施設間異動の1年後に届いた総看護部長からの小児病棟看護課長昇進の話に,役を引き受けることが成長のチャンスだと捉えたこと,そして,自分の異動希望を受けてくれた総看護部長からの話を断れないという思いから,課長になることを引き受けた。

連載 やすらぎとひらめきの場づくり マインドフルネスとファシリテーション・17【最終回】

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 1年半にわたって続けてきた連載も,この12月号で一区切りつけさせていただくことになったので,今回が最終回になる。タイトルの「やすらぎとひらめきの場づくり」に込めた思いは,ほっとする場,ありのままの自分でいられ,かつ相互作用の中で何かがきらりとひらめいたり,皆が生き生きできる場を,どうやったら創れるのだろうか?という問題意識だった。そして,そのためには,今ここのありのままを大切にする「マインドフルネス」という内向きの方向と,人々が安心して創造的な対話を楽しめる環境を調える「ファシリテーション」という外向きの方向の両方が必要だ,という予感だった。

 このことを根底のテーマにしつつ,実際の連載は,屋久島やアメリカなど国内外あちこちに出かけて体験し学んだことを,その都度エッセイ風に自由に書かせていただいた。この最終稿を書くにあたり,通して読み直してみると,我ながらあちこち動いてきたことに驚くが,いったい何が肝心なことだったのか。最後にふりかえって,「やすらぎとひらめきのための5か条」(表)としてA,B,C,D,Eで始まる英語5つでまとめてみたい。

連載 プログラムデザインで変わるファシリテーション あなたのスキルを現場に活かそう・3

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1回1回の会議や研修の企画をする前に,関連する全体の計画や組織が持つ大きな方向性との整合性をとる必要があります。目的,目標を意識しながら,企画の基本要件を確認していきましょう。

連載 病棟運営上の意思決定に活かす! ケースで学ぶロジカルシンキング・14【最終回】

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 ある病院で病棟の業務量調査を行いました。最近の業務量調査は,ナースコールが押された回数,応答時間,コールの内容,看護師の対応時間などをシステムから簡単に抜き出せるので,かなり詳細なデータが入手できるようになっています。

 患者ごとや看護師ごとの集計はもちろん,病棟間の比較や重症度,医療・看護必要度との関連を見ることもできます。さらに電子カルテにデータを紐づけると,疾患ごとや手術からの経過日数ごとの集計も可能になり,分析の切り口は無数に広がっていきます。

 患者のコールと看護師の動きというリアルな動的背景のあるデータなので,かなり面白い研究ができそうです。

 今回は,どのようにすればこのようなデータを現場で活用できるようになるのか,論理的に考えていきましょう。

連載 Happy Nurses=Happy Patients 看護力の高い組織を育む・15【最終回】

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 昨年から始まり,皆さんと共に看護に関わるさまざまなことを考える機会を与えてくれたこの連載も今月で最終回となりました。連載の最後ですので,今月は看護管理者であるということ,看護力の高い組織を育むことについて一緒に考えていきましょう。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・138

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 今年の東京の夏は,太陽がじりじりと照りつける盛夏といわれる日が,異常なほど少なく,逆にどんよりとした雨の日が多かった。気がつけば夏が終わっていて,9月,10月と過ぎてしまった。ところが,暦の上では秋のはずなのに,抜けるような青空が広がって,「あゝ,秋だ」としみじみと思える日が,ほとんどなかった。

〈秋来ぬと目にはさやかに見えねども風邪の音にぞ驚かれぬる〉

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倫理的意思決定プロセスをふに落ちるようにナビゲート

 本書は,看護管理者がそれぞれの立場で,例えば看護部長でも看護師長でもその役割について,あらためて熟考することが求められる書です。看護管理者が組織内で担うべき役割について,そしてリーダーとしてどのような行動指針を持つべきか,行動するために選択する,つまり決めるという意思決定プロセスについて,その構造も含めて,読者に問いかけ,ふに落ちるようにナビゲートしてくれます。

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次号予告・編集後記 小齋 石塚

看護管理 第27巻 総目次

基本情報

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看護管理
27巻12号 (2017年12月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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