看護管理 28巻1号 (2018年1月)

特集 人生100年時代のキャリアデザイン 一個人としての「わたし」のキャリアを創造する

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人生100年時代が到来しています。高齢化,医療の高度化,地域移行の流れなど医療を取り巻く状況が変化していく中で,看護現場においても,看護師に求められる役割や,能力を発揮できる場面も多様化してきています。超長寿社会を迎え,生涯で複数のキャリアを経験する“マルチステージ”で活躍をする方も増えています。

本特集では新春企画として,キャリアに関する3つの対談と,さまざまな経験を持つ看護職の方々の歩みやこれからのビジョンを紹介します。多忙な看護管理者の皆さんが,ご自身のキャリアについて前向きに振り返り,展望する機会になればと思います。

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医療を取り巻く環境の変化に伴い,看護師が働く環境も急激に変化している。看護管理者は,これからの看護師のキャリアをいかに支援し,それをどう組織マネジメントに活かしていけばよいのだろうか。

この解を求めて,国際看護師協会(ICN)前会長のジュディス・シャミアン氏と,同時期にICN第一副会長を務めた金井Pak雅子氏との対談を企画した。看護師の労働環境の変化を国際的な見地から俯瞰するとともに,超少子高齢多死社会を迎えた日本の看護師のキャリア,よりよい就労環境などについて提言をいただいた。

(2017年8月21日収録。対談は英語で行われた)

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国は人生100年時代構想会議を発足し,いつでも学び直すことができ,誰もがいくつになっても新たな活躍の機会に挑戦できる環境を整備するとしている。人生100年時代を展望し,これまでのキャリアの棚卸しや新たな学びを模索している読者も少なくないのではないか。

石山恒貴氏は,これからの働きかた,新たなキャリア開発,成人学習などの方法論として,本業以外の場に越境し社会活動などを通じて新たな学びを得る「パラレルキャリア」を提唱している。「ひとつの組織だけの学び」では変化に対応できない時代に,外での学びは本業にも活かせるだろう。

本対談では,看護部組織における職場学習やリーダーシップについて多角的に研究してきた保田江美氏が,パラレルキャリアの概念や多様な可能性について,石山氏に聞いた。

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「人生100年時代」を迎えようとしている中で,看護師が「その人らしい幸せな人生」を送るためのキャリアデザインを描くには,どのような支援が求められるだろうか。

本対談では,看護管理者として看護師1人ひとりの多様性を受け入れ,活かすための支援についての視点を,看護師や看護学生のキャリアを支援し研究をしてきた林千冬氏と武村雪絵氏に,ダイバーシティマネジメントの観点も交えながら将来のビジョンをご提示いただいた。

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本パートでは,キャリアをシフト(転換,移行)して活躍を続けている方,マルチステージでさまざまな役割を担っている方々の経験をご紹介いただきます。どのようなタイミングに,どのような思いを持って自身のキャリアと向き合ったのでしょうか。キャリアをシフトしたきっかけ,その過程での悩みなどを通じて,キャリアに対する考え方や今後のビジョンについてご提示いただきます。

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日本看護協会では,看護職が資格をさまざまな形で活かしつつ,長期にわたり社会で活躍することを支援する新たな事業「看護職員の多様なキャリアパス周知事業」として,2017年9〜10月に実態調査を実施。2017年度中に報告書をまとめる予定である。本稿では,常任理事として同事業を担当する立場から,また病院の看護管理者として職員のキャリア開発を応援してきた経験から,看護職が長期的視点で自らの働き方を考えることの意義や,看護管理者によるサポートへの期待について述べる。

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近年,働く人々は多様な価値観や選択肢の中で,生涯を通じた働き方や生き方について,自らの考えをこれまでになく問われる時代にいる。医療現場においても例外ではなく,看護職として働く中で,一個人としてさまざまな環境や状況の変化に対応しながら,どのように働き,自らの人生を生きていくのかという視点を持ち,意識的に考えていく必要がある。

本稿では,働く個人またはその管理者のキャリア発達に関する基本的な考え方と,その支援への応用について紹介する。

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2018年度,診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定,いわゆる「トリプル改定」がいよいよスタートする。医療計画と介護保険事業計画の事業年度も足並みが揃い,今後は「医療」と「介護」の連携が急速に推し進められていく。変革の年を迎え,現場で働く看護管理者にはどのような対応が求められているのか。会長就任後初の新年を迎えた福井トシ子氏に,今年の抱負や診療報酬改定に向けた考え方,看護管理者への期待について伺った。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・1【新連載】

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本連載では,看護管理者として私自身が取り組んできた「看護の可視化」の実際について,事例と解説を通してひとつずつ紹介していきたいと思います。第1回は,その前提となる,「可視化しなければ見えにくい」看護という仕事の特性について,私自身の経験を交えながら皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

連載 コーチングと組織の関係性システムから考えるコミュニケーション 1人ひとりがイキイキ活きるチーム創り・1【新連載】

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 地域包括ケアシステムによる「ときどき入院,ほぼ在宅」推進の流れの中で,医療現場や地域における多職種間の円滑な連携が不可欠となっています。そうした連携関係の構築において,中核を担う看護師各人のコミュニケーション力はもちろんのこと,医療チーム内の関係性全体の姿を捉えた関係調整と,組織の成長を目指した関わり方が重要になると考えています。

 私たち(田渋,原田)はこの連載を通して,読者の皆さんがイキイキと看護を実践し,医療チーム全体が輝きを増していくように,コーチングと組織の関係性という視点から,コミュニケーションについてお伝えしていきます。

連載 ID×課題解決 インストラクショナルデザインを活用した教育プログラム開発・1【新連載】

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この連載ではインストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)を活用した教育プログラムを作成し現場の課題解決につなげた取り組みを,実践事例を交えて紹介していきます。

第1回は,導入として職員教育の充実の重要性と,IDの基本となる理論やモデルを解説します。

連載 今さら聞けないビジネスフレームワーク・1【新連載】

SWOT分析 石井 富美
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 社会保障制度が新たな方向に向かおうとしている今,病院は今まで通りの経営方針では立ち行かなくなってくる,と言われ始めて数年経過しています。中長期の事業戦略を立てる,新規事業を始める,病院の機能を見直すなど,大きな変革を行おうとする場合に必ずやらなくてはいけないことの1つに,「現状の把握」があります。

 これは,病棟運営や人材育成,個人目標の管理などにも当てはまることですが,まず「現状」を客観的に認識しなければ目指す方向も定まりません。そのためのツールとして一般企業などで最もよく利用され,認定看護管理者研修などでも学んだ看護管理者が多いのが「SWOT分析」です(図1)。

連載 人生の終わりの日々のケアを訪ねて・1【新連載】

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多死社会の波が押し寄せてきました。臨床の場は重症者,高齢者ばかりで,いつも生と死が隣り合わせかもしれません。あなたは,どんな旅立ちが心に残っていますか?

 「できれば在宅で最期まで」と願っていた90代のAさん。でも現実は,がんの症状がきついし妻は高齢,子世代は離れて暮らしているし仕事が忙しく家庭介護は難しそう……。信頼できる病院で,治療は最小限にして面会は自由で,最後の日まで家族との時間を過ごして旅立ちました。

連載 ファシリテーターのための看護リフレクション 経験から学べる看護師を育てる・10

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 この連載は主にリフレクションをファシリテートする指導者・教育者を対象とし,実践から学び,新たな価値を見いだし,次の実践につなげることができる看護師の育成の手助けをしたいと考えます。また,「看護経験から学ぶ力をつける」ことをファシリテートする手立てを描きたいと思います。

 これらを通じて,多くの看護実践家が自分の実践をリフレクションできる,つまりセルフリフレクションができるようになることを期待しています。

 第10回は,実践の場でリフレクション(ちょこっとリフレクション)を行うことについて考えます。

連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・9

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 私の看護師長時代は,1996年から2001年までの5年間です。そもそも私は,看護管理者を目指していたわけではありません。そうかと言って他の分野を志向していたわけでもありません。看護師として琉球大学医学部附属病院に6年間勤務し,27歳の時,結婚を機に神戸大学医学部附属病院に転勤してきました。2人の娘を出産し,育児と仕事の両立を楽しみながら,看護師としての経験を重ねてきました。

 1995年,35歳で副看護師長,そして翌年には看護師長になりました。昇格に際しては,現在のように,公募制・選考制ではなく,看護部長からの次の一言で決定されました。「あのね,松浦さん。看護師長の仕事は7割が人間関係の調整って言われています。あなたはそれが強みだと思う。それを見込んで4月から看護師長です」

連載 プログラムデザインで変わるファシリテーション あなたのスキルを現場に活かそう・4

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今回は,ファシリテーションを活用した「参加型の場」が実際に機能するために必要な知識を再確認して,プログラムデザインにつなげていきます。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・139

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 私の好きな詩人・長田弘さんが亡くなられたのは,2016年5月のこと。あっという間に,1年半が過ぎてしまったが,月日が過ぎゆくほどに,長田さんの言葉や詩がかえって親しみを増す感じで浮かんでくる。最初に私の心をとらえたのは,散文詩のようなエッセイを集めた『記憶のつくり方』(晶文社,朝日文庫)だ。

 長田さんは,詩やエッセイだけでなく,アメリカの絵本の翻訳にも,かなりのエネルギーを注いでいた。長田さんの詩の言葉は,時折格調の高い漢字の用語を登場させるが,全般的には平易でやわらかいトーンで貫かれている。しかし,やさしい表現の中に,深い人間哲学や人間観を忍ばせているのだ。

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次号予告・編集後記 石塚 小齋

基本情報

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看護管理
28巻1号 (2018年1月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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