作業療法ジャーナル 48巻4号 (2014年4月)

特集 がんの痛みと作業療法

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特集にあたって

 生涯のうちに約2人に1人が,がんにかかると推計されている1)現在,がんセンターや特定病院に限らず,一般病院,そして在宅に至るまで,広くOTはがんにかかわるようになってきた.3/4のがん患者が痛みを経験するとの報告2)があり,OTは,痛みについての理解を深め,作業療法を実施することが必要と思われる.

 そこで今回,①がん性疼痛と治療の基礎的知識を得る,②がん性疼痛のアセスメントにかかわり,多職種との連携を図る,③身体の痛みだけでなく,トータルペインについての視点をもつ,④骨転移カンファレンスとOTの骨疼痛緩和治療症例を知る,⑤在宅リハにおけるがんの痛みに対する事例を知る,⑥死生学の立場から終末期の臨床で働くOTの心の痛みに対して示唆をいただく,これら6つの観点から本特集の執筆をいただいた.

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Key Questions

Q1:がん患者の痛みとは?

Q2:がん疼痛の評価と治療,治療のゴールとは?

Q3:がん疼痛治療におけるリハの役割とは?

 本稿では,がん患者の痛みの基本知識,評価,治療に関して概説し,がん疼痛治療におけるリハの役割に関する提言を行うことを目的とする.各論の詳細に関しては成書1~3)および国内外のガイドライン4~7)等を参考にされたい.

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Key Questions

Q1:がん性疼痛看護認定看護師とは?

Q2:がん性疼痛のアセスメントとは?

Q3:がんの痛みに対して,OTは他職種とどのように連携を図るべきか?

はじめに

 がんの痛みの評価は,最重要事項の一つであり,リハ医とチームが,挑戦的に取り組むことが鍵である1).がん患者の痛みは,がんの痛みだけではなく,さまざまな要因に起因する.臨床で依頼の多いであろう不活動や廃用症候群も痛みの原因に挙げられ,そのメカニズムが報告されてきている2).原因の異なる痛みが混在することや継時的な変化の可能性がある中で,疼痛の評価は進められていく.今回,がん性疼痛看護認定看護師と疼痛のアセスメント,そして連携を図ることができた事例を紹介する.

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Key Questions

Q1:トータルペインとは?

Q2:トータルペインに対するアプローチ方法とは?

Q3:トータルペインをとらえることで広がる可能性とは?

トータルペイン(全人的苦痛)とは?

 トータルペイン(全人的苦痛)とは近代ホスピスの母シシリー・ソンダース(Cicely Saunders)博士が終末期がん患者とかかわる中で患者が経験している複雑な苦痛について提唱した概念である.彼女はがん患者が抱えるさまざまな苦痛を,身体的苦痛,精神的苦痛,社会的苦痛,スピリチュアルペイン(適切な表現がないのでそのまま記載)が相互に影響し合って形成されるものとし,がん患者の苦痛を身体的な一面からみるのではなく,トータルペイン(全人的苦痛)ととらえていくことを提唱した1)

 臨床場面で患者は身体的苦痛を「びりびりしびれて痛い」(神経障害性疼痛),「抗がん剤の影響で体がだるい」(倦怠感),「痛くて眠れない」(不眠)等と表現されるであろうし,精神的苦痛を「本当にこの先,歩けるのだろうか?」(不安),「この痛みはいつまで続くのか?」(恐怖)等と表現されるであろう.また,社会的苦痛を「私が死んだら家族やお金はどうなるのか?」(家族の行く末や経済的な心配),「体力がないので家事はヘルパーに任せなくてはいけない」(家庭内での役割の喪失)と表現されるであろうし,スピリチュアルペインを「なぜ私がこんな目に?」,「何も悪いことはしていないのにばちが当たった」,「今まで生きてきた意味はなんだろうか?」と表現されるであろう.これらはそれぞれ個別に出現するものではなく,お互いに影響し合っている(図1).

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Key Questions

Q1:骨転移患者のADLを維持するために行うべき取り組みは?

Q2:骨転移患者のリハ時の病的骨折に対するリスクマネジメントとは?

Q3:脊椎SREを認める患者のADLを維持するためには?

緒言

 病的骨折や麻痺等の骨関連事象(skeletal related events:SRE)により骨転移患者のADL・QOLは著しく低下するため,リハが必要となる1,2).しかし,過度の負荷で,骨転移部で病的骨折が起こる可能性があり,リハ医や整形外科医がリスク評価を行った後,慎重にリハを開始しなければならない3).また,リハ目標は予後等も考慮して設定されるため,主診療科医師の判断が必要である.さらに,日常生活における起居動作等の患者指導を行う場合,看護師との連携が欠かせない.したがって,骨転移のリハは多職種の連携が重要であり,骨転移カンファレンスを行っている施設もある.四国がんセンター(以下,当院)では,骨転移判明時から体系的に治療を行うために,骨転移対策システムを導入し,骨転移患者を登録し,リスク管理を行っている(図1)4,5)

 骨転移患者のリハにおいては,リハ前の病的骨折リスク評価(リスクマネジメント),患者指導,環境調節,疼痛コントロールにより可能であれば早期離床を行い,廃用症候群を予防することが重要である.今回,当院で現在進めている,多職種チーム医療の取り組みを紹介する.

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Key Questions

Q1:OTがかかわれる痛みとは?

Q2:在宅で生じる痛みとは?

Q3:他職種がOTに託すこととは?

はじめに

 ここ数年「がんと作業療法」,「がん患者に対する作業療法」というテーマの研修会や雑誌の特集を目にするようになった.しかし,これは今になって初めてOTが「がん」に携われる知識・技術を身につけてきたからではなく,がん患者のサポートチームを構成するときに,OTという職種が近くに存在しない時代が長く続いたことも一因と考える.個別には臨床で以前から,がんに携わっているOTも少なくない.そして今,がん患者が受けることのできるさまざまなサービス現場にOTが従事するようになったため,本人・家族はもちろんのこと,他職種にもOTの役割を積極的に伝えていく必要がある.また,その「役割」は,一般的にはまだイメージがされにくいが,セルフケアやQOLをはじめ,「痛み」に対しても介入できると考える.

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Key Questions

Q1:人生の最終段階のケアとは?

Q2:死生学とは?

Q3:「人生の最期に至るプロセスはノーマル」とは?

 「人生の最終段階のケアに参加して,人の死に直面してもバーンアウトしないですむような知識が死生学という学問にはあるのではないか」ということで,筆者に原稿依頼があった.残念ながら,そのように役に立つといえる知識の持ち合わせはない.とはいえ,1960年代の終わりから1970年代初めのころに「死生学」(thanatology)という名で呼ばれるようになった学問領域は,死に直面している本人とその家族へのケアのあり方を考えるものであった.その領域においては,「死に近づいている本人に,そのことを知らせるべきか」といった問いから,「死に直面している本人および遺族の心理的状況に対する薬剤」といったことまで扱い,また「親は幼い子どもであっても葬儀に連れて行くべきだ」といった言論もなされるような,領域であったようだ.そうであれば,「バーンアウトしないですむ」かどうかはともかく,自らもケアに参加していた患者の死に直面した際に,それをどう受け止めるかについて,体系的ではないが,いくつかのことを提示しておくことは,死生学をやっていると称する者として,しないではすまされないことであろう.

提言

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 「最近死んでしまう夢をよく見るんです」

 5年ほど入退院を繰り返している男性が,私に最近ふと漏らした言葉です.重度の障がいを引き受けながら,弱音を吐かずに暮らしている方だったので,どのような言葉を返したらよいのかわからず,ためらいながら「そうですか.死んでしまう夢ですか」と応えた後で,彼からの言葉を待ち,そして聴いていました.間もなく,話題はそこからそれてしまったのですが,「死んでしまう夢を……」にまとわりついていた「言葉」はなんだったのかと想いを巡らせながら,その日のカルテを書いたことを覚えています.

講座 作業療法に必要なリスクマネジメントとフィジカルアセスメント・第1回【新連載】

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Key Questions

Q1.主な脳血管疾患の病態はどのようなものか?

Q2.脳血管疾患で特に注意すべきリスクとは?

Q3.脳血管疾患の急性期作業療法で留意すべき点とは?

はじめに

 わが国の疫学研究で有名な久山町研究(人口約8,000人,年齢構成が全国平均と類似,追跡率99%以上,剖検率80%であることが特徴)では,脳卒中の発症率・死亡率は降圧薬の普及とともに1961年(昭和36年)以降低下したが,1988~2000年(昭和63~平成12年)には,すでにその低下傾向は鈍化1)した.しかし,わが国の脳卒中発症者数は2025年まで増加し,約20万人/年に達するとの推計2)もある.他方,われわれ身体障害領域のOTの対象疾患は,65歳未満の85.2%,65歳以上の92.8%が脳血管性障害であることが『作業療法白書2010』3)で明らかにされており,今後もわれわれOTが最も対象とする頻度が多い疾患であることが推測される.

 そこで本稿では,脳血管疾患の主な病態を述べたうえで,フィジカルアセスメントに必要となる,脳血管疾患の主に急性期におけるリスクマネジメントについて解説する.

連載 ご当地作業療法・第1回【新連載】

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はじめに

 北海道は,11~4月までの約半年が雪に覆われる.私の住んでいる旭川市は北海道のほぼ中心に位置し,年間降雪量は750cmを超え,最低気温は氷点下20度を下回る.そんな極寒の地で,生活上欠かせないものに「雪かき」がある.雪は,一晩で膝上くらいまで積もることもあり,雪かき無しには外出することもままならない.この雪かきを介した活動の可能性について,OTにできることは何か? OTにしかできないことは何か? 事例を介し一考する.

連載 歴史と遊ぶ・第4回

明治から昭和へ2 江藤 文夫
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明治期の医師養成,資格システムの創成

 大政奉還後の新政府は,慶応4年(明治元年,1868年)3月,典薬少允高階筑前介(てんやくしょうじょうたかしなちくぜんのすけ)の建白に基づき,太政官布告第141号をもって,西洋医学によってわが国の医事衛生行政制度,医学教育を行うことを表明した.同年6月には,幕府の機関であった「医学所」を摂取・復興し,翌年の明治2年(1869年)には医学所を大病院(横浜の仮軍事病院の後身)と合併して医学校兼病院,6月にはやはり幕府の機関であった昌平学校,開成学校および医学校とを統合し,統合的な教育機関として「大学校」を成立させた.やがて東京大学医学部および附属病院へ発展する初期の出来事である.

 明治5年(1872年)2月,文部省に医務課が設置され,翌年3月には医務局に昇格させ,医制の立案に取り組むこととなった.同時に,初めて全国の医師の実態調査として明細な履歴書を,その書式を示して,全国の医師から提出させることとした.明治7年(1874年)度において,全国の医師総数2万8,262人,そのうち皇漢医は2万3,015人,西洋医は5,247人であった.これは,当時の日本の人口10万人対86.2という医師数で,数字だけは国際的に劣るものではなかった.しかし,幕府がオランダ人医師ポンペを招聘して長崎に開設した病院と教育機関(後の長崎大学医学部の前身)を除いて体系的な教育システムは皆無に等しく,当時の日本の医師のレベルは西洋医も含めて,先進国に比し著しく低いものであった.

連載 覗いてみたい!? 先輩OTの頭の中・その4

「仲間づくり」の大切さ 森川 敦子
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 前回,就学に向けてのお母様の悩みについてお話しさせていただきましたが,つい先日そのお母様のうちのお一人から,お電話をいただきました.ずっと支援学級か,通常学級かの選択で悩まれていたお母様です.主治医も私も無理なく学校に通えて学校が嫌いにならないように,手厚い教育が受けられるようにと勧めてきたのは支援学級だったのですが,「支援学級に入ったら周囲から何を言われるかわからない,保育園のお友だちと離れることになるのが可哀想だ」と,お母様は悩まれていました.

 さらに最近は就学を控えている兄に加え弟も発達障害であると診断され,お母様自身も子育ての疲れや夫婦関係の微妙なずれの中で抑うつ状態になり,抗うつ薬や睡眠導入剤を服薬していました.そしてその不安と悩みは頂点に達し,療育中に発達支援ルームふぁそらのスタッフに「2人とも手がつけられなくて困る.言うことを聞かなくて困る.私を困らせようと思っているに違いない.どうしたらいいのかわからない」と言って,ヒステリックに泣き出してしまい,スタッフがお母様の対応に困ってしまったことがあります.

学会・研修会印象記

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 去る2013年11月29日に盛岡市の盛岡グランドホテルを会場に第16回岩手リハビリテーション連携フォーラムが開催されました.本会は主に脳血管疾患に代表される中枢神経系のリハを対象とし,岩手県内の急性期,回復期,生活期のリハにかかわる医師,看護師,PT,OT,ST,MSWや臨床心理士等の多くの職種が一堂に会し,リハにおける連携を意識した研修会です.年に2回開催され,毎回設定されたテーマに沿って症例検討やパネルディスカッションの形式で,多職種での積極的な意見交換が行われています.広大な面積をもつ岩手県においては,県庁所在地の盛岡市を中心とした県央部に回復期リハを担う病院が集中しているのが特徴です.そのため県内各地の急性期医療から県央部の回復期リハ病棟への転院,加療する状況が多くみられ,急性期,回復期間の連携が課題となっています.このような現状の中,リハにかかわる多くの職種が情報収集,意見交換できる本会は岩手県内のリハ連携を強化する貴重な機会となっています.

 今回は「摂食嚥下障害のリハビリテーション」をテーマとしてパネルディスカッション形式で4題の発表が行われました.私は環境調整を行うことで食事自立に至った高次脳機能障害の症例について,当院における回復期病棟での取り組みを交えつつSTと共同で演題発表をさせていただく機会を得ました.目の前で起こる事象に対し,チーム内で日々議論を交わしていく中で,同じゴールを目指していても職種が違うと視点が異なること,そして解釈の仕方が何通りもあり,その情報を統合し治療プログラムが変化していくことにあらためて気づきました.また,より「その人らしさ」とは何か? チームの中でOTにしかできないことは何か? と考える機会が増え,OTとしてのアイデンティティについて考える機会も多くなりました.今は教科書や文献が手を伸ばせば届くところにたくさんありますが,臨床では膨大な情報の中に溺れてしまうような感覚に陥ることがあります.そのような際に必要な情報を取捨選択するためにも,同じOTの意見はもちろん,他職種との連携も同様に大切であることを再認識しました.

学会長・学術大会長・学術集会長の言葉

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1.開催にあたっての思い

 大会開催まで本日(2月19日現在)であと119日,ぜひ多くのご参加をお願いしたい.本大会はアジアでの初めての大会であり,主催は日本学術会議と日本作業療法士協会,WFOTである.言うまでもないが,日本学術会議主催となる学会は,わが国の作業療法学会としても初めてのことである.

 日本学術会議の一つとなったことにより,皇室をはじめとして,内閣総理大臣,厚生労働大臣,神奈川県知事の開会式へのご臨席を現在調整中である.国を挙げて海外のOTをおもてなしできることに,関係省庁をはじめ多くの関係者の方々に,この場を借りて御礼申し上げる.

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 第49回日本理学療法学術大会を2014年(平成26年)5月30日(金)~6月1日(日)の3日間にわたり,パシフィコ横浜において開催させていただきます.

 近年の疾病構造の変化や少子高齢化が進む人口ピラミッドの変化を背景として,種々の課題が拡大しています.このような社会の中でわれわれは,国民のニーズでもある質の高い理学療法の提供が求められており,それに対して着実に応えていく責務があります.そこで本大会のテーマを「あなたの生活を支えます ~理学療法士10万人からの提言~」としました.過去に蓄積された理学療法に関するエビデンスを基盤として,また日本理学療法士協会が策定した理学療法診療ガイドラインを活用し,対象となる国民の生活を支えるために,PTとして何ができるのか,何を提供すべきなのかを討議していきます.

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 第15回日本言語聴覚学会を2014年(平成26年)6月28日(土)~29日(日)の2日間にわたり,大宮ソニックシティ(埼玉県大宮市)を会場に開催することとなりました.本学会では,テーマを「言語聴覚士とはなにかあるべき姿を再考する」としました.STの国家資格化から15年が経過する今,あらためてSTとしての原点に立ち戻り,そのあるべき姿を再考し,来るべき世代に確たる理念をもって「言語聴覚士」という専門職を受け継いでいってほしいという願いを込めて決定したテーマです.

 特別講演は,わが国において初めて言語聴覚療法にかかわる養成に携わり,STの礎を築かれた柴田貞雄先生(医師,元国立障害者リハビリテーションセンター学院長)による「ST界の発展への思い」,教育講演は2講演とし,一つは,劇作家・演出家であり大阪大学コミュニケーション・デザインセンター教授の平田オリザ先生による「わかりあえないことから」,二つ目は「障害を持って生きるということ―出生前診断をめぐる話題から―」と題し,大正大学人間学部臨床心理学科教授の玉井邦夫先生が講演をされます.

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 2014年(平成26年)6月5日(木)~7日(土)に名古屋国際会議場で,第51回日本リハビリテーション医学会学術集会を主催します.リハ医学世紀の後半をスタートする学術集会ですので,そのテーマを「実用リハビリテーション医学―Practical Rehabilitation Medicine―」としました.リハ医学は,徹底的に実用的な医学だと思うからです.そして,リハ医学のコアである「活動(activity)」にフォーカスします.キーワードは,ユニークで普遍(unique & ubiquitous),実用先進(practical innovation),そして,構造的知恵(structured knowledge)です.

 特別講演は会長講演を含む8本.Palmer,Han,Krebs,石川 誠ら,なじみ深い先生方の講演をはじめ興味深い話題が目白押しです.

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ボストン大学精神科リハビリテーションセンター

 ボストン大学精神科リハビリテーションセンター(Center for Psychiatric Rehabilitation)は,精神科リハに関する研究,支援者等へのトレーニング,当事者へのサービス等を行っている組織である.前の所長のW. Anthonyは,リカバリー概念の提唱者としても有名である.センターが発行している主要な書籍の一つ『精神科リハビリテーション』は,2012年末に邦訳(三輪書店刊)されている(センターのホームページ:http://cpr.bu.edu/about).

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Abstract:指の伸展不能な重度麻痺手を対象としたconstraint-induced movement therapy(CIMT)を試みた.対象者28名は重度麻痺手対応のCIMTを行う群(G5-CIMT群)14名と伝統的作業療法を行う群(対照群)14名に無作為に割り付けた.両群共に期間は2週間,1日60分のneurodevelopmental treatment(NDT)を行った.G5-CIMT群はアラバマ大学が定めるプロトコールに従い行動療法技法や1日6時間の課題指向型練習を行った.対照群は伝統的作業療法を1日6時間行った.評価はFugl-Meyer AR(FMA)とMotor Activity Log(MAL)を用いた.結果,FMAはG5-CIMT群に有意な増加がみられ,効果は1年後まで維持された.MALはG5-CIMT群のみ増加し,効果は1年後も維持された.重度麻痺手に対するNDT併用によるCIMTは,生活場面での麻痺手使用の増加に有効であった.

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表紙のことば/今月の作品

次号予告

研究助成テーマ募集

編集室から

学会・研修会案内

第49巻表紙作品募集

地域の塗り絵

投稿・執筆規定

編集後記 山本 伸一
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 本誌48巻4号をお届けする.まず,提言の「『聴く』ことからはじめる」を執筆されている谷川正浩氏の言葉に感銘を受けた.「その人の生きる力を邪魔しない」OTを伴走者に例え,「聴く」ということの大切さを訴えている.作業療法の原点,私はそう思う.また今回の特集の「がんの痛みと作業療法」には,まさにそれが必要とされる.

 昨今,緩和ケア病棟で作業療法が展開されはじめていることをご存じだろうか.先駆的な病院では,対象に応じて作業療法・理学療法・言語聴覚療法を施行しており,成果を上げている.日本作業療法士協会は日本ホスピス緩和ケア協会等と連携し,その実態調査も行っており,次回の診療報酬改定では算定可能となることを切に願っている.

基本情報

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作業療法ジャーナル
48巻4号 (2014年4月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0915-1354 三輪書店

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