講座 作業療法に必要なリスクマネジメントとフィジカルアセスメント・第1回【新連載】
脳血管疾患に対するリスク管理
村山 幸照
1
Yukiteru Murayama
1
1社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 脳卒中脳神経リハセンター
pp.310-314
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100458
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Key Questions
Q1.主な脳血管疾患の病態はどのようなものか?
Q2.脳血管疾患で特に注意すべきリスクとは?
Q3.脳血管疾患の急性期作業療法で留意すべき点とは?
はじめに
わが国の疫学研究で有名な久山町研究(人口約8,000人,年齢構成が全国平均と類似,追跡率99%以上,剖検率80%であることが特徴)では,脳卒中の発症率・死亡率は降圧薬の普及とともに1961年(昭和36年)以降低下したが,1988~2000年(昭和63~平成12年)には,すでにその低下傾向は鈍化1)した.しかし,わが国の脳卒中発症者数は2025年まで増加し,約20万人/年に達するとの推計2)もある.他方,われわれ身体障害領域のOTの対象疾患は,65歳未満の85.2%,65歳以上の92.8%が脳血管性障害であることが『作業療法白書2010』3)で明らかにされており,今後もわれわれOTが最も対象とする頻度が多い疾患であることが推測される.
そこで本稿では,脳血管疾患の主な病態を述べたうえで,フィジカルアセスメントに必要となる,脳血管疾患の主に急性期におけるリスクマネジメントについて解説する.
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