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Key Questions
Q1:作業療法士に必要なキャリア教育とは?
Q2:キャリア発達に沿った新入職員教育において必要な視点は?
Q3:教育する側される側に求められることは?
はじめに
近年,以前からの養成校数の増加に加え,18歳人口の減少,景気回復による高卒での就職希望者の増加等が相乗され,全国的に,特に地方においては定員割れが生じている養成校も少なくない.同時に近年の傾向として,入学する学生のうち少なくない者たちが,十分な自己の職業観を省察することなく,近親者や高校教員の勧めにより進学を決めている実態もあるといわれている1).
その一方で,OTとしての職業経験の過程においては,学ぶべきことは山積である.特に医療提供体制が機能分化し,それぞれの施設機能によって対象疾患や病期が異なり,それらに応じた専門性もさらに求められている.さらに職域の拡大に伴い,従来の養成校のカリキュラムや日本作業療法士協会の生涯教育におけるシラバスの内容も増加している.つまり,養成校に入学する学生の意識のもち方と,現場で求められる知識・技能・態度の高度化とのギャップが大きい時代となっていることが考えられる.そのギャップを埋めるべく,卒前・卒後教育においては,ともすれば専門知識・技術に偏った近視眼的な教育に終始してしまうことも懸念される.若いOTを育成するにあたり,単に知識・技術的な指導にとどまらず,職業人としての人格を陶冶すること.そのためにOTが自身の職業に誇りをもち,自分自身の未来と職業としての未来を見据えて生涯学び続ける力をつける必要があるように思う.そのために今一度,キャリア教育という視点で新入職員教育を考えてみたい.
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