看護学雑誌 58巻5号 (1994年5月)

特集 伝えたい—伝わらない—患者と医療者のコミュニケーション

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「賢い患者になりましょう」を合言葉に

 COMLは,「Consumer Organization for Medicine & Low」の頭文字で「コムル」と読む,私たちの造語です.「いのちの主人公」「からだの責任者」である患者・市民が中心となって,1990年9月に大阪で活動をスタートしました.“あえて”医療に消費者の目を向け,合言葉は「賢い患者になりましょう」.電話相談や『患者塾』の開催など,さまざまな活動を通して,患者の主体的な医療参加を呼びかけています.

 「賢さ」と聞いてすぐにイメージするのは,ズル賢さ,小賢しさのようですが,COMLがめざしているのはCleverでもWiseでもない「Smart Patient」.患者と医療者が「対話と交流」をする中から,互いに気づき合い,歩み寄ることのできる人間関係を築いて「患者が主人公の開かれた医療」の実現をめざしています.

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1993年12月5日(日曜日)

 大阪市北区天満橋にある「エル・おおさか」大ホールに,参加者450名を集めて開催された第3回COML医療フォーラムのテーマは,「伝えたい—伝わらない 患者と医療者のコミュニケーション」.舞台には,特設の「COML病院」がセットされ,フォーラムは,12時30分に病院の朝の光景からはじまった.

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献身的な姿に新鮮な驚きが

 私の職業というのは.世の中で起きていることをいろいろ取材をしまして,それを皆様方に伝えるという役割を負っております.その中で,最近は環境問題について,話をさせられることが割合に多いのですが,もちろん,科学的な知識が十分にある専門記者ではありません.ですから,私がここで専門外のことを話をするというのには,あまり適任ではないという気もしています.

 私は,今までの人生の中で,たった1週間だけ入院した経験がありますが,その時にとても看護婦の皆さんたちに驚きました.何に驚いたかというと,よく,週刊誌やマスコミで,近頃の若い,いわゆるギャルと呼ばれる者たちが,いかに奔放でわがままで好き勝手をやっているかという情報が満ち満ちていて,若い女性というのはそういうものだというイメージが世の中に広がっている.ところが,その若い女性たちの中の一部である看護婦さんたちの日常の働き,そして,患者に対する接し方,そういうものを見て,びっくりしたんですね.本当に献身的におやりになっていて,こんなに素晴らしい人たちというのが,世の中に集団でこれだけいるのかという思いを致しました.

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看護婦からの手紙

 私はナースになって15年,今は内科病棟に勤めています.これまで無我夢中で仕事をしてきました.ドクターよりも患者さんの身近にいるナースとして,患者さんから送られる信号をキャッチした上で,ドクターと協力して治療をしていくのが理想だと思います.でも,現実には忙しく,作業を進めるだけで精一杯.患者さんと落ち着いて話ができないばかりか,ドクターの中には私たちに上下関係を押しつけてくる人もいます.私たちが本当にやりたいことができているとはとても言えない手探り状態ですが,少しでもよりよい看護をめざしたいと思っています.

 ところが先日,とてもショックなことが起こりました.ある40代後半の男性が糖尿病で入院してきたのですが,一目でうつ病を疑う患者さんなのです.うつの症状はひどく,糖尿病の治療に専念できる状況ではないと私たちは判断しました.ドクターには,「どうして内科で引き受けたのですか.専門の科に送るべきじゃないですか」と訴えましたが,「検査をしてからでないと何とも言えないよ」と取り合ってもらえませんでした.患者さんは集中力がなく,ドクターの説明も十分に飲み込めないどころか,血糖値を測ることもままならない状況です.患者さんの奥さんは,ドクターの前ではオドオドするばかりで,私たちに,「以前の夫とは別人のようです.何とかよろしくお願いします」と懇願されます.

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健康だからこそ医療には無関心

 私は新聞記者をしておりますが,1989年の7月に乳がんで右乳房を切除する手術をいたしました.ちょうど40歳の時でした.

 家庭欄を担当していましたが,健康そのものでしたし,医療に関してほとんど無関心でした.当時,乳房温存療法という乳がんの新しい治療法が日本でもぼちぼち手掛けられていたのですが,そのことに関してもまったく知りませんでした.

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 私は死にかけた体をICUでお世話になったことがあります,その他にも2回ほど死にかけた体験がございます.また,子どもだけで入院18回,骨粗鬆症で寝たきりの母親が現在寝たきりで25年目,父が7年前に膵臓がんで亡くなり,ターミナルケアの経験もあります.リビングルームにいるよりは病院で介護をしていたり,在宅で介護をしている時間のほうが遥かに長いわけです.いつも近くにいらしたのが,ナースの方々です.医師はナースを近景とすると,遠景の人のような感じでした.

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保険だから懐は痛まない?

 私は医療経営の一画に身を置く立場でありますが,実際医療の消費者の方々も,知る権利があると思います.医療機関を選ぶ権利もあるはずなんです.遠慮されています.

 なぜ遠慮されているか.遠慮する必要ないと思います.皆さんは出資者なんです.消費者であると同時に出資者.医療費が,この1993年度で24兆3400億円になろうとしています.毎年1兆円ずつ上がるんです.ということは,国民の約1億2000万人,1人1万円ずつ医療費が上がってきているわけですね.皆さんが税金として,お金を出しておられるわけです.保険だからといって,懐が痛まないわけではないんです.24兆3400億円が皆さんの懐から出ているんですね.言うならば出資者です.出資者なら堂々と,医療機関に言うべきことをおっしゃったらいいと思う.

話せば分かる……か? 木田 孝太郎
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 精神科医という仕事を私はしています.毎日何をやっているかというと,患者さんやその家族やうちの病院のスタッフと,よく話をしているんです.大部分話をしています.話を聞いている場合もありますし,話をしています.で,そのコミュニケーションということで私が呼ばれたんだと思うんですが,4点にわたってお話ししたいと思います.

 第1点は「話せば分かる……か」というやつです.2番目は「医者はちゃんと話をしているか」.3番目は「で,どうすればいいか」.4番目は「それでもなお問題は残る」という,そういう順番で話させていただきます.

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患者をバックアップする機関かできれば

 木村 4名のパネラーの皆さんにご報告いただきました.これから,中身をさらに深めていくと同時に,会場からの発言も求めたいと思います.今日のテーマである,患者と医療者側のコミュニケーションの問題について,具体的に有効な方法論はあるのだろうか.そのあたりについて吉井さん,何か特にご意見はございますでしょうか.

 吉井 本来はその患者が主人公であることを医療者側がきちっと認識して,その上に立って,自分の情報を医師に積極的に求めていって,そこから医療を自分で主体的に選んで決めていくという,それが理想だと思うんです.だけど,そのためには患者の側にも,医師の側にも力量が問われると思うんですね.

今月の特集に関連する文献リスト
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 これはCOMLの協力を得て,編集室が看護婦諸姉を対象に選んだ書籍のリストです.1985年以降に出版されたものが中心ですが,最近では,「病院が分かる本」「薬が分かる本」「いい病院(医者)の選び方」というような,一般向けの医療関係書籍も多数出版されています.一度街の大きな書店へ足を運ぶと参考になるかもしれません.

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小児看護の現状

 私は,残念ながら子どもの母親にはなれませんでしたけれど,小児の看護婦になることができてとても幸せに思っております.小さい時から赤ちゃんが大好きで,あの吸い込まれそうな笑顔にいつも引きつけられてとうとう25年,小児看護をやってまいりました.

 今日は「入院児の遊びと看護」というテーマでお話いたしますが,最初に小児看護における現状を考えながら,その中でどうしたら子どもの遊びを支援する看護が実践できるかというところでお話ししたいと思っています.

特別記事

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編集室より

 患者の死に際し,家族を対象とした「癒し」「ヒーリング」という言葉をよく耳にする.グループとして実践しているところも少なくない.その中に,「グリーフワーク」という言葉がある.しかし,この言葉の持つ意味,実態が医療者にもなかなか見えて来ないのではないか.そこで,『死ぬ瞬間』などの著書で知られる,キューブラ・ロス博士の提唱する「LDT(生と死と超越)ワークショップ」を日本で実践している下部文麿氏に,グリーフワークとはどういうものなのかを執筆いただいた.

研究と報告

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はじめに

 『リア王』1)(1605年)は,シェイクスピアの4大悲劇の頂点と目される2)など,今日なお高い評価を受けている作品だが,精神医学的には,リア王の言動が痴呆性老人に似ている点で興味深い作品である.もっともリア王痴呆説は別に目新しいものではなく,前世紀末のレールをはじめ,ワイガントやガイヤーも既に唱えている3).ただ,ここで面白いのは,『リア王』という悲劇そのものが,リア王の痴呆に周囲の人々が気づかなかった,あるいは気づいても適切な対策を取らなかったがために起きた悲劇のように見えることである.即ち,『リア王』という物語は,臨床的には周囲が痴呆に対する認識を欠き,その対応を誤った場合に生じる事態によく似ているのである.

 そこで本論では,リア王の痴呆老人的な言動とそれに対する周囲の対応を中心に,作品冒頭の財産分与の場面と,その後の長女・次女の対応,最後の場面でのコーディーリアの対応という順で,検討を加えてみたい.

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はじめに

 近年,在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy以下HOTと略す)が増加してきた.HOT導入にあたる退院指導は,患者が酸素の必要性を理解し,自信を持って家庭生活が送れるようにすることに重点が置かれている.しかし,生活行動を制限したり,酸素療法に不安を持って退院する人もいる.

 今回,私はHOTの適応になった患者を受け持った.入院中は自己管理が行なえるように医学用語を説明し,観察の判断基準を相談しながら指導をした.退院後,患者は酸素の必要性を理解し自己管理は行なえていたが,酸素吸入をしながら調理することに不安を持っていた.そこで,同病者が酸素を使って家事をしている様子をビデオで伝えたところ調理の不安が消失し,1人ではないという精神的支えができた.

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“人生のたそがれを淡紅色に”

 老人保健施設「なでしこの丘」は,石川県金沢市の住宅街にある.

連載 カラーグラフ

このひと'94

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「在宅でのHIV看護の可能性を研究」

 昨(1993)年11月,看護婦自らの手による「日本HIV看護ネットワーク」が設立された.「日本におけるHIV看護の向上をめざし,情報収集,提供,教育,研究の推進を図り,HIV看護のネットーワークを広げ,社会に寄与する」を目的に,現在の会員は140名を越えた.梅津さんは,その設立メンバーの1人であり,会長である折津礼子氏と同じ職場(横浜市立大学医学部附属病院結核・感染症病棟)に勤務している.

 「現在のところ有効な治療薬もなく,ともすれば長期の闘病生活を余儀なくされる患者は,臨床で受け入れていくにも限度がある.これからは,地域の中で共存することの意味を探りながら,偏見,差別のない治療環境を作ること,在宅で過こせる方策を考えていきたい.そのために調査研究を一層進めます」と語る.

ヤッたね看護—柳原病院の試み・2

最期のお花見 斉藤 宏子
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 ショウちゃんこと,K.S氏80歳は,江戸川区内の某診療所から紹介されてきた初診の患者でした.

 5年前,階段から落ちて両下肢のシビレや運動障害が徐々に進み,以来在宅療養でした.いつ頃から寝たきりなのか不明ですが,入院当初両腸骨稜部,仙骨部は大きな褥瘡を形成し,その部分の熱感・腫脹は今すぐにも切開してきれいにしてあげたい衝動にかられたものです.基礎疾患に長年の糖尿病があり,両下肢知覚および運動障害もあり,全身状態はかなり悪く,顔は能面様です.尿は膿尿を呈し,数日かけて膀胱洗浄を要したほどでした.

生体のメカニズム・29 内分泌の生理・3

骨粗鬆症ってどんな病気 大橋 俊夫
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 最近,テレビやラジオ,あるいはお年寄りの患者さんが大勢いる病室で骨粗霧症という病名をよく耳にすると思いますが,この病気はどのような原因で起こってくるかご存知ですか.今月号ではこの病気の原因や治療法などを頭において,体の中のカルシウム(Ca)の動きとそのCaの量を調節しているホルモン(副甲状腺ホルモン=パラソルモン,甲状腺の傍ろ胞細胞より分泌されているカルシトニンなど)の役割についてお話ししてみたいと思います.

連載 看護治療学序説・4

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 現在,活発に看護治療学の開発と体系化に取り組んでいる代表的な研究グループの1つに,アイオワ大学看護学部のグループがある.この研究グループを紹介しながら看護治療学の最先端を行くパイオニアのナースたちの動きとその意図するところをまとめてみたい.

連載 [リレーレポート]いきいき看護研究・8

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 当院は,1972(昭和47)年12月,北九州市小倉北区に,完全社会復帰を目的とした透析専門の診療所として開院し,その後1985年には小倉第一病院と改組し,今日に至っている.診療科目は内科で,人工腎臓による血液透析患者約300名(同時透析104床)の透析を中心に内科的腎疾患,糖尿病疾患の専門病院である.職員数約85名で,常勤医師4名,看護職員49名,その他である.

 外来患者は1日平均125名で,そのうち95%以上が透析療法に来院する患者であり,ほとんど予約制である.入院許可病床80床,基準看護は特2類であり,平均入院患者は55名で,そのほとんどが透析関連の疾病で入院している.看護婦の勤務体制は透析室を除いて3交替勤務である.

連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・2

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 1988年に精神保健法が制定されて以来,精神障害者の人権を擁護するためのさまざまな改革が行なわれるようになってきている.脱施設化の促進,精神科リハビリテーションの促進,長期入院患者を対象とした施設内看護の見直しなどがそうである.一方で,価値観の多様化,核家族化に伴う家族員のストレスの増加,母子関係の変容などを背景として,登校拒否,中高年のうつ病,薬物依存,神経性食思不振症の増加,などの社会現象が注目を浴びるようになってきている.精神科看護の領域では,大きくこの2つの側面へのケアのあり方を考えていく必要があるが,ここでは,精神障害の中でも,慢性期にある精神分裂病患者を対象とした援助の方法について,看護の臨床場面に応用できるような海外文献を紹介することを目的とする.

連載 Letter from ワシントン・第2報

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大学病院の勤務体制

 今回のお便りでは,私が今まで看護婦として働いてきたことを通して,さらに現在の仕事を紹介しながら,アメリカの看護婦の状況をお知らせしたいと思います.

 1986年から87年にかけて約7か月間,ワシントンD.C.にあるジョージタウン大学病院の小児ICU病棟で働きました.ジョージタウン大学を卒業して,コロンビア大学の修士課程にいる時に,夏休みや冬休みを利用してワシントンD.C.に帰ってアルバイトをしていたのです.

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 エイズはもはや他国の問題とか,他人ごととか言っている状況ではない.しかしながらエイズについて私たちはどれほどのことを知っているだろう.どんな病気で,感染経路は何で,エイズ抗体検査を受けるにはどうしたらよいか,また感染者や患者とどう接したらよいか,と聞かれたらあなたはどう答えるだろうか.

 一方,我が国のエイズをめぐる状況はというと,若年層を含め,全年齢層に感染が広がっていると推測され,ここ数年のうちにアジアではタイに続いて日本で感染爆発が起こるとさえ言われている.にもかかわらず,来日した感染者の宿泊を拒否したホテルの話が耳に入ってきたり,感染したために職場を追われたり,と,ひと頃の米国に見られたパニックやトラブルが,日本にも起こりつつあるようだ.無知と偏見から引き起こされるパニックやトラブルの影響は,当事者のみならず社会全体にとってマイナスであることは明白である.それなのに私たちは,エイズか非常に身近な問題で,誰にでも起こり得ることをなかなか認めようとはしないで,また米国やタイの経験を生かそうともせず,何をぐずぐずしているのだろうか.

連載 おしえて看護婦さん!いまどき医療の?・8

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あっけらかーんと美容整形,の時代

 人気テレビ番組『浅草橋ヤング洋品店』の整形シンデレラを持ち出すまでもなく,今ではごく普通の女の子があっけらかーんと顔にメスを入れる.

 でも,実は美容外科の歴史は長く,50代のご婦人にも「結婚前に鼻をちょっと高くしまして」「一重まぶたを二重に」という人は結構多い.昔は隠れてこっそりやるものだったんですね.

連載 私が透析看護に魅かれる理由・3

新たな旅立ち 大坪 みはる
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二兎を追う者

 透析看護の序章ともいうべき国立病院時代の話が長くなってしまった.しかし,もう一歩の視点から再び1969年に遡って話を進めたい.なぜなら,看護婦として働いていく上で,私に影響をした側面だからである.

 青空をバックにそびえ立つ,東洋一という白亜のビルのパンフレットに魅かれて就職をしたことは,第1回目で話した.しかし,私のめざしたこの建物は実際にはまだ建築途上であった.そんなわけで,私のその後を形成することになる看護の原点は,陸軍病院時代のままの石造りの薄暗い,元配膳室の透析室からスタートしたのである.

連載 看護ボヘミアン—出会いと発見のつれづれ・8

抱きしめたい! 林 千冬
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玉の輿とご機嫌取り

 「うちは母子家庭で貧乏したからさ,おかあちゃんに『あんた,せっかく看護婦になったんやし,おかあちゃんみたいにお金に苦労したくなかったら,絶対医者つかまえて結婚しいや』って,いつも言われてるの」どぎついセリフに言葉を失う,ある日の病院食堂でのひとコマである.

 「それでさ,こないだ当直バイトのA先生が『そのうち食事でもごちそうさせて下さい』な〜んて言うから『えっ?それいつですか?私,明日の明け,時間あるんですけど』って,しっかりお昼おごってもらったの」(ちょっとちょっと,本気で“玉の輿”狙うんだったら,そんなこと秘密にしとかなきゃ)

連載 未来予想図 たとえば私の……・8

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ターミナルケアに関心を持ったわけ

 現在,私は市立病院で,個室22床の混合病棟に勤務している.個室という特徴から,ターミナル期を過ごすために他病棟から転床される患者も少なくない.私がターミナルケアに関心を抱くようになったのは,この病棟で多くのターミナルステージにある患者と接したことと,高校時代の親友を亡くしたことがきっかけとなっている.

 3年ほど前に,悪性の血液疾患で治療を受けていた彼女は,入院中のさまざまな出来事を,患者の目で話してくれた.それは,臨床の中ではあたりまえとなっていることを,もう1度見直してみたら,というメッセージでもあった.治療のつらさもさることながら,入院生活の制限の多さ,看護婦によって苦痛時の対応や,処置を行なう際の配慮に大きな差があることなどを教えてくれた.

連載 でも、やっぱり歩きたい[直子の車椅子奮戦記]・29

私の方がマシよ 滝野澤 直子
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変な言い分

 とにかくよくしゃべる人がいた.

 夕食が終わって消灯までの穏やかな病室.彼女は寝る準備をしながら,うんうん頷く私を相手に身の上話を繰り広げていた.もう30分は話している.ためになる話なら何時間でも聞きたいけれど,彼女の話はとてもためになるようなものではなかった.

連載 プッツン看護婦物語・45

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 夜勤の話題で一番盛り上げるのは、怖い話とエッチな話。ベテランの看護婦になればなるほど、下ネタのきわどさに磨きがかかるのが、このギョーカイよね〜。

 今回は、その選りすぐりのエッチ話を大特集。今夜の夜勤は、これを見せあって、盛り上がってちょーだいね。

基本情報

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看護学雑誌
58巻5号 (1994年5月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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