連載 未来予想図 たとえば私の……・8
低空飛行でも目的地にランディングできるように
森田 文恵
1
1川崎市立井田病院看護部
pp.480-481
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904552
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ターミナルケアに関心を持ったわけ
現在,私は市立病院で,個室22床の混合病棟に勤務している.個室という特徴から,ターミナル期を過ごすために他病棟から転床される患者も少なくない.私がターミナルケアに関心を抱くようになったのは,この病棟で多くのターミナルステージにある患者と接したことと,高校時代の親友を亡くしたことがきっかけとなっている.
3年ほど前に,悪性の血液疾患で治療を受けていた彼女は,入院中のさまざまな出来事を,患者の目で話してくれた.それは,臨床の中ではあたりまえとなっていることを,もう1度見直してみたら,というメッセージでもあった.治療のつらさもさることながら,入院生活の制限の多さ,看護婦によって苦痛時の対応や,処置を行なう際の配慮に大きな差があることなどを教えてくれた.
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