連載 カラーグラフ
ヤッたね看護—柳原病院の試み・2
最期のお花見
斉藤 宏子
1
1柳原病院3階病棟
pp.386-387
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904527
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ショウちゃんこと,K.S氏80歳は,江戸川区内の某診療所から紹介されてきた初診の患者でした.
5年前,階段から落ちて両下肢のシビレや運動障害が徐々に進み,以来在宅療養でした.いつ頃から寝たきりなのか不明ですが,入院当初両腸骨稜部,仙骨部は大きな褥瘡を形成し,その部分の熱感・腫脹は今すぐにも切開してきれいにしてあげたい衝動にかられたものです.基礎疾患に長年の糖尿病があり,両下肢知覚および運動障害もあり,全身状態はかなり悪く,顔は能面様です.尿は膿尿を呈し,数日かけて膀胱洗浄を要したほどでした.
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