特集 伝えたい—伝わらない—患者と医療者のコミュニケーション
患者は医療への消費者であり,出資者なのだから
浅田 俊勝
1
1東住吉森本病院
pp.420-421
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904536
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保険だから懐は痛まない?
私は医療経営の一画に身を置く立場でありますが,実際医療の消費者の方々も,知る権利があると思います.医療機関を選ぶ権利もあるはずなんです.遠慮されています.
なぜ遠慮されているか.遠慮する必要ないと思います.皆さんは出資者なんです.消費者であると同時に出資者.医療費が,この1993年度で24兆3400億円になろうとしています.毎年1兆円ずつ上がるんです.ということは,国民の約1億2000万人,1人1万円ずつ医療費が上がってきているわけですね.皆さんが税金として,お金を出しておられるわけです.保険だからといって,懐が痛まないわけではないんです.24兆3400億円が皆さんの懐から出ているんですね.言うならば出資者です.出資者なら堂々と,医療機関に言うべきことをおっしゃったらいいと思う.
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