特集 伝えたい—伝わらない—患者と医療者のコミュニケーション
患者と医療者の接点とは—医療現場にみるコミュニケーション
筑紫 哲也
1
1TBS
pp.406-411
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904532
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献身的な姿に新鮮な驚きが
私の職業というのは.世の中で起きていることをいろいろ取材をしまして,それを皆様方に伝えるという役割を負っております.その中で,最近は環境問題について,話をさせられることが割合に多いのですが,もちろん,科学的な知識が十分にある専門記者ではありません.ですから,私がここで専門外のことを話をするというのには,あまり適任ではないという気もしています.
私は,今までの人生の中で,たった1週間だけ入院した経験がありますが,その時にとても看護婦の皆さんたちに驚きました.何に驚いたかというと,よく,週刊誌やマスコミで,近頃の若い,いわゆるギャルと呼ばれる者たちが,いかに奔放でわがままで好き勝手をやっているかという情報が満ち満ちていて,若い女性というのはそういうものだというイメージが世の中に広がっている.ところが,その若い女性たちの中の一部である看護婦さんたちの日常の働き,そして,患者に対する接し方,そういうものを見て,びっくりしたんですね.本当に献身的におやりになっていて,こんなに素晴らしい人たちというのが,世の中に集団でこれだけいるのかという思いを致しました.
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