連載 看護ボヘミアン—出会いと発見のつれづれ・8
抱きしめたい!
林 千冬
1
1東京大学大学院医学系研究科博士課程
pp.478-479
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904551
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玉の輿とご機嫌取り
「うちは母子家庭で貧乏したからさ,おかあちゃんに『あんた,せっかく看護婦になったんやし,おかあちゃんみたいにお金に苦労したくなかったら,絶対医者つかまえて結婚しいや』って,いつも言われてるの」どぎついセリフに言葉を失う,ある日の病院食堂でのひとコマである.
「それでさ,こないだ当直バイトのA先生が『そのうち食事でもごちそうさせて下さい』な〜んて言うから『えっ?それいつですか?私,明日の明け,時間あるんですけど』って,しっかりお昼おごってもらったの」(ちょっとちょっと,本気で“玉の輿”狙うんだったら,そんなこと秘密にしとかなきゃ)
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