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フリーワード 詳細検索 by 医中誌
早期胃癌の診療において内視鏡は必須であるが,ピロリ除菌時代となり,その診療は変化してきている.
今回は,リスク層別化の観点から行われている胃癌検診(ABCD検診)について,さらに早期胃癌を見逃さないために知っておきたい知識や観察法の工夫など,ピロリ除菌時代における早期胃癌の内視鏡診療の最新状況について3人の専門の先生方からお話しいただいた.
はじめに
消化器疾患につながる自覚症状は,胸やけ,悪心嘔吐,胃もたれ,腹痛,下痢,便秘,黄疸,食思不振,体重減少など多岐にわたる.またその一部は消化器疾患に特異的なものではなく,循環器,内分泌代謝,泌尿器,婦人科疾患など消化器以外の随伴症状として出現する.本稿では,実地医家を対象とするにあたり単に症候から鑑別疾患を羅列するのではなく,まず危険な兆候がないかを確認し,緊急対応が必要な疾患を除外したうえで鑑別診断を進めていく.初期の診断でウイルス性胃腸炎を疑った場合でも,何か気になる点があれば1週間以内に再度診察を行い,重篤な状況に陥っていないか経過観察しておきたい.実地医家の先生方には,“頼りすぎず,一方で粘りすぎず”といった難しい舵取りが必要な場面があると考えている.教科書的な診断理論に加え,臨床経験に基づくいわゆる“医師の勘”も交えた診療が求められる.
食道癌の基礎知識
1.食道癌の疫学
食道癌は世界的には癌死亡の第6位を占め,日本では年間約2万人が罹患し,約1万人が死亡している.男女比は約6:1と男性に多く,発症のピークは60~70代である.組織型としては,わが国では約90%が扁平上皮癌であり,残りの約10%が腺癌である.これは欧米諸国で腺癌が50~80%を占めることと対照的である.
胃癌診療のパラダイムシフト(図1)
わが国の胃癌診療は,いわば大きな転換期,すなわち「パラダイムシフト」のただ中にあると言える.近年,われわれが対峙する臨床現場において,これほどまでに急速な変化を感じる病態は他に類を見ないのではないだろうか.かつて,わが国における上部消化管疾患の多くは,Helicobacter pylori(H. pylori,ヘリコバクターピロリ)感染の影響を大きく受けており,その中心に位置していたのが胃癌である.しかし,近年の国内における感染率低下は関連疾患の発生を抑制すると同時に,胃癌診療の構造そのものに大きな変容をもたらしている.
スクリーニングの基本は病変を見逃さないようにするために「死角のない検査を行う」ことである.そのために,撮影する順番などに関しては「絶対こうしなければならない」というものはないが,系統的な観察方法を習得し,常に同じようなブレのない観察を心がける必要がある.そして「被験者の苦痛を最大限に軽減する」ということも大事である.検査の苦痛が大きいと被験者の検査に対する閾が上がってしまい,被験者の不利益に繫がりかねない.被験者の苦痛を考えると何度も行き来するなど無駄な動きは慎み,可能な限り短時間で検査を終えることが重要である.また筆者は観察中に絶え間なく被験者に状況を説明し,声をかけることにより被験者の不安や苦痛をできるだけ軽減するように心がけている(筆者はoral sedationと呼んでいる).また被験者によっては鎮痛,鎮静下で行わないと観察自体が難しいことがあるが,十分な観察のためには必要な場合があるので,投与のリスクを十分に説明のうえ使用する.その場合に発声する,呼吸を止めるなどの指示に従えないので,そのことも理解し検査に臨まなければならない.
機能性消化管疾患は,消化管の器質的異常がないにもかかわらず慢性的な消化器症状を呈する疾患群であり,その中でも機能性ディスペプシアは,心窩部痛,胃もたれ,早期飽満感などの上腹部症状を主訴とする,日常診療で非常に頻度の高い疾患である.
胃食道逆流症gastroesophageal reflux disease(GERD)は,日常診療で頻繁に遭遇する疾患であり,症例によっては診断が困難なこともある.GERDの診断には,GERD問診票や上部消化管内視鏡検査による食道粘膜傷害の評価が有用であるが,多くの症例がびらんを伴わない非びらん性胃食道逆流症non-erosive reflux disease(NERD)に分類され,これが診療上の課題となっている.NERD患者においては,24時間食道インピーダンス・pHモニタリング検査Multichannel Intraluminal Impedance-pH monitoring(MII-pH)を含めた病態評価が重要である.治療に関しては,ボノプラザンの登場により薬物療法の選択肢が広がり,治療戦略が進化している.難治性GERDに対しては外科的手術が考慮されるが,近年では内視鏡的逆流防止術が低侵襲治療の選択肢として注目されている.本稿では,GERDの定義,診断,薬物療法,および内視鏡治療について詳述する.
食道は,嚥下した飲食物を咽頭から胃へ輸送する役割を担っているが,これには制御された食道体部の蠕動運動と,嚥下に伴う上下部食道括約筋の弛緩が必要不可欠である.食道運動障害は,食道体部の蠕動運動障害または上下部食道括約筋の弛緩障害によって起こり,嚥下障害(つかえ感),胸痛,逆流(胸やけ・呑酸)などの症状を引き起こす.一般的には,固形物の嚥下障害は食道の器質的な閉塞を,液体の嚥下障害は食道運動障害を想起する.
好酸球性食道炎eosinophilic esophagitis(EoE)は食道上皮に過剰な好酸球浸潤による慢性炎症が持続する結果,嚥下困難やつかえ感などの自覚症状や狭窄などの器質的異常を呈するアレルギー疾患である.消化管に好酸球性炎症による障害を生じる好酸球性消化管疾患eosinophilic gastrointestinal disorder(EGID)のうち,好酸球性炎症が食道に限局しているものをEoEと定義し,食道病変の有無にかかわらず,胃,小腸,大腸に好酸球性炎症を生じる好酸球性胃腸炎(non-EoE EGID)とは臨床的に区別して扱われる1).食事や空気中の抗原に対するTh2型の免疫応答の異常が病態として重要とされており,近年,わが国においても顕著な有病率および罹患率の増加が指摘されている2).本稿では,EoEの診断の進め方および治療ストラテジーについて解説する.
A型胃炎はStricklandらにより胃体部主体の萎縮をきたす胃炎として提唱された.一方のB型胃炎は幽門部主体に炎症・萎縮を起こすHelicobacter pylori(H. pylori)胃炎に相当する.H. pylori除菌が広く行われ,感染率が低下してきた現在,わが国ではまれとされていたA型胃炎が検診の約1%に発見されるなどまれではないこと1)が明らかになり注目されている.
現在,日本では食道静脈瘤に対する治療として内視鏡的硬化療法endoscopic injection sclerotherapy(EIS)や内視鏡的結紮術endoscopic variceal ligation(EVL)が施行されている.出血時の緊急内視鏡は極めて重要であり,出血源の診断だけでなく,診断後直ちに内視鏡治療による緊急止血へと移行することができる.しかし,出血の危険性の高い静脈瘤を予防的に治療し,初回出血の防止を図ることのほうが重要である.
咽頭・喉頭癌早期病変は自覚症状がない場合がほとんどである.一方で,早期発見により内視鏡的粘膜下層剝離術endoscopic submucosal dissection(ESD)/内視鏡的粘膜切除術endoscopic mucosal resection(EMR)を含む喉頭機能を温存する低侵襲治療である経口的手術transoral surgery(TOS)が適応可能となる.さらに経口的ロボット支援手術transoral robotic surgery(TORS)が2022年4月に頭頸部領域にも保険収載され,早期発見の重要性は益々高まっている.咽頭・喉頭癌高リスク群の囲い込み,内視鏡観察法,表在癌に対する低侵襲治療について理解することが求められる.
食道癌は,進行してから診断されると予後不良で,食道切除術,化学療法,放射線療法など集学的治療が行われるが,早期診断されれば低侵襲な内視鏡的切除術にて治療可能で,臓器温存がなされて予後も良好である1).食物のつかえ感,嚥下困難,胸部痛など食道癌特有の症状が出現したときに診断されると多くの場合は進行癌であるのに対して,表在癌は健診内視鏡などの無症状例や心窩部不快の胃精査目的の内視鏡検査などで偶発的に診断される例が多い.いずれの消化管癌においても言えるが,積極的な内視鏡検査を行うことが早期診断につながる.
食道癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の適応と治療
食道表在癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術endoscopic submucosal dissection(ESD)は胃癌に引き続いて2008年に保険収載され,現在では標準治療となっている.食道ESDは外科手術や化学放射線療法chemo-radio therapy(CRT)と比較して低侵襲な治療法であり,食道表在癌では術前に壁深達度や病変範囲,転移の診断を行って詳細に進行度を評価する必要がある.2020年発刊の「食道癌に対するESD/EMRガイドライン」1)においては,clinical T1a-EP/LPM(cEP/LPM)癌が内視鏡切除の適応とされている.内視鏡治療の適応を決定するうえでは,深達度診断に加えて病変の範囲診断も同様に重要である.範囲診断には画像強調拡大内視鏡[NBI(Narrow Band Imaging)併用拡大内視鏡観察,BLI(Blue Lazer Imaging)併用拡大内視鏡観察]やヨード染色が推奨され,ヨード染色ではより明瞭に病変境界を視認できる.病変の周在性は内視鏡切除後の狭窄リスクと密接に関連するため「術前に周在性の評価を行うことが強く推奨」され,周在性が広い場合には内視鏡的切除後に狭窄をきたす可能性がある.cEP/LPM癌においても,全周性病変に関してはESD後の狭窄率が高いと報告されている.Miwataら2)の報告では,全周切除後にステロイド局注もしくはステロイド内服にて狭窄予防を行った患者であっても,長径50mmを超える切除を行った場合には85%(11/13例)に6回以上のバルーン拡張術が必要であった.一方,長径50mm以下の切除の場合には,6回以上のバルーン拡張術が必要であったのは17%(1/6例)のみであり,長径50mmを超える切除径がESD後狭窄のリスクとされた.したがって,cEP/LPM癌のESD適応病変は非全周性病変,5cm以内の全周性病変とされ,5cm以上の全周性のcEP/LPM癌の治療にはCRTもしくは外科的手術が推奨された.
わが国において胃癌はかつて部位別死因の第1位,国民病として長らく存在し続けていた.胃癌死の抑制のために早期発見への取り組みが多くの臨床家,研究者によりなされ,X線や内視鏡による画像診断と外科手術標本の精緻な病理解析,そしてこれらの対比の積み重ねにより,胃癌の組織型とその背景粘膜,早期癌の肉眼(内視鏡的)形態の特徴との関連が示されるに至った1).
早期胃癌に対する内視鏡切除は,リンパ節転移リスクの低い病変を局所切除する治療法である.現在では,内視鏡的粘膜下層剝離術endoscopic submucosal dissection(ESD)の開発により,病変部位やサイズ,潰瘍の有無にかかわらず一括切除が技術的に可能となり,早期胃癌ESD後の長期予後の検証結果から,その治療適応が拡大されてきた.高齢者では,外科切除を選択し難い場合も多く,相対適応病変として内視鏡切除が選択される場合がある.本稿では,早期胃癌の内視鏡切除の適応・適応拡大と高齢者に対する内視鏡切除の今後の展望について述べる.
表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍superficial non-ampullary duodenal epithelial tumors(SNADETs)は比較的まれな疾患であるが,近年,その発見頻度が上昇している1).しかし,食道・胃・大腸などの他の消化管臓器と比較すると,内視鏡・病理診断の体系は確立されていないのが現状である2).一方,SNADETsに対する内視鏡治療は,解剖学的要因のため難易度が高いとされ,重篤な合併症のリスクを伴っている.ただし,この点は近年の内視鏡技術の進歩により克服されつつある.本稿ではSNADETsの内視鏡診断および治療の現状について概説する.
急速に進化するartificial intelligence(AI)は内視鏡診療に導入されつつある.内視鏡診断プロセスは,①内視鏡観察,②病変拾い上げ,③癌・非癌の鑑別(質的診断),④癌の量的診断,に分類でき,それぞれに応じたAIが開発されている.
肥満は糖尿病,高血圧症,脂質異常症などの生活習慣病の主要な原因であり,患者の健康寿命を短縮する要因となる.近年,食生活の欧米化や運動不足,ストレスの増加などが相まって,肥満人口は世界的に増加傾向にある.特にBMI 35kg/m2以上の高度肥満症では,単なる生活習慣の改善や薬物療法だけでは十分な効果が得られず,より積極的な介入が必要とされる.
消化管狭窄は,患者のquality of life(QOL)に関わる重大な問題であり,大きく良性狭窄と悪性狭窄の2つに分類される.一方で,内視鏡的粘膜下層剝離術endoscopic submucosal dissection(ESD)の技術が進歩し,広範囲な病変も安全に切除できるようになったが,ESD後に難治性狭窄が生じると,そのマネジメントは容易ではない.そのため,ESD後の狭窄予防は重要な課題である.本稿では,ESD後の狭窄予防,ESD後や術後狭窄を含む消化管良性狭窄のマネジメント,消化管悪性狭窄のマネジメントの順で消化管狭窄に対する内科的治療を概説する.
非静脈瘤性上部消化管出血の多くは胃十二指腸潰瘍からの出血であるが,他に胃前庭部毛細血管拡張症 gastric antral vascular ectasia(GAVE)に代表されるような血管性病変からの出血,腫瘍などがその原因となりうる(図1).近年は高齢化に伴い,抗血栓薬を内服している患者も多いが,特に既往や全身状態,栄養状態が悪い場合には死亡率も高くなり,こうした患者においては特に注意が必要である1).
胃上皮下病変に対する手術の現状と課題
胃の間葉系腫瘍(mesenchymal tumor)には筋原性腫瘍[消化管間質腫瘍gastrointestinal stromal tumor(GIST),平滑筋腫,平滑筋肉腫],神経原性腫瘍(神経鞘腫),血管原性腫瘍(血管腫,グロームス腫瘍,血管肉腫,Kaposi肉腫),脂肪腫,脂肪肉腫などがあり,粘膜下に存在する腫瘍を形成するため粘膜下腫瘍submucosal tumor(SMT)と呼称されてきた.近年では上皮性腫瘍である神経内分泌腫瘍や血液系腫瘍の悪性リンパ腫も非腫瘍上皮に覆われたSMTに類似する形態を呈するため,それらを含めた胃上皮下病変subepithelial lesion(SEL)という名称が一般的となっている.胃SELのうちGISTは潜在的な悪性腫瘍で,本質的に増大する性質を持ち,あるものは時に転移し致命的となる.そのため組織学的にGISTと診断された胃SELは手術適応である.またSELの組織診断は時に困難なため,5cmを超えるもの,臨床的に有症状のもの,無症状でも2cm以上で内視鏡や超音波内視鏡(EUS),CT検査で悪性所見(潰瘍形成,辺縁不整,増大傾向,内部不均一)を認めるものは手術適応となる.また,2cm未満でも悪性所見のあるもの,2~5cmであれば悪性所見がなくても相対的手術適応となる(GIST診療ガイドライン 2022年改訂 第4版).
症例の提示
症 例 78歳女性
主 訴 右下腹部痛
2024年7月に日本救急医学会より「熱中症診療ガイドライン2024」が発表された.本ガイドラインは2015年版から約10年ぶりの大幅改訂となり,近年の地球温暖化や熱中症発症例の増加を受けて,最新のエビデンスに基づく診療指針が示されている1).
ACNES,LACNES,POCNESとは
内視鏡検査,腹部CT検査では異常はないが腹痛が続く.皮膚診察では帯状疱疹を疑う所見はなく,CTでも尿管結石を疑う所見はないが,側腹部痛が続く.脊椎MRIでは異常はないが背部痛が続く.いずれも,体動時に疼痛の悪化があり,指1本の範囲で示すことができる圧痛点がある.それらの疾患はanterior cutaneous nerve entrapment syndrome(ACNES),lateral cutaneous nerve entrapment syndrome(LACNES),posterior cutaneous nerve entrapment syndrome(POCNES)かもしれない.
症 例 50歳女性
主 訴 一時的に意識や記憶がなくなる
既往歴 うつ病,パニック発作
常用薬 クエチアピン25mg
現病歴 2年前から母親の介護にストレスを感じるようになり,発作的に気分が落ち込み,一過性に記憶がなくなるなどの症状が出現したため,心療内科に通院している.自動車の運転中に意識を失い,電柱に衝突したため,精査目的に紹介された.
司会 本日は2025年2月に刊行した「内科レジデント実践マニュアル第12版」の刊行記念座談会といたしまして,本書の編集・執筆にたずさわった先生方を代表して4名の先生にお集まりいただきました.今回の第12版は目次も大きく見直し,項目内の構成もかなり整理して大改訂を行いました.まずはじめに,ズバリ,本書のアピールポイントについて教えてください.