特集 上部消化管疾患
治療 実地診療に役立つ治療のマネジメント
消化管狭窄への挑戦
山本 佳宣
1
1兵庫県立がんセンター消化器内科
キーワード:
消化管狭窄への挑戦
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▶食道ESD後非全周性潰瘍の狭窄予防法の標準治療はステロイド局注法である.
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▶噴門部,幽門部の3/4以上の切除例では,狭窄,変形予防にステロイド局注を行うことが多い.
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▶結腸,直腸のESDでは,潰瘍周在性が9/10以上の場合,狭窄のリスクがある.
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▶食道癌術後難治性吻合部狭窄に対して,ステロイド局注併用RIC法はステロイド併用EBDに対して優越性を示せなかった.
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▶ESD後狭窄では,ステロイド局注併用EBDがEBD単独に比較して狭窄解除までの期間,拡張回数を減少させたという報告がある.
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▶クローン病による小腸狭窄に対して,EBDは有用である.
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▶食道ステントや胃十二指腸ステントは,いずれも低侵襲に留置可能で,効果発現が早く,閉塞を伴った患者の緩和医療においてとりうる選択肢の一つである.
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▶大腸悪性狭窄におけるステント留置は,症状緩和目的および術前減圧目的の大きく2つに分けられる.
Keyword:
消化管狭窄への挑戦
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▶食道ESD後非全周性潰瘍の狭窄予防法の標準治療はステロイド局注法である.
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▶噴門部,幽門部の3/4以上の切除例では,狭窄,変形予防にステロイド局注を行うことが多い.
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▶結腸,直腸のESDでは,潰瘍周在性が9/10以上の場合,狭窄のリスクがある.
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▶食道癌術後難治性吻合部狭窄に対して,ステロイド局注併用RIC法はステロイド併用EBDに対して優越性を示せなかった.
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▶ESD後狭窄では,ステロイド局注併用EBDがEBD単独に比較して狭窄解除までの期間,拡張回数を減少させたという報告がある.
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▶クローン病による小腸狭窄に対して,EBDは有用である.
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▶食道ステントや胃十二指腸ステントは,いずれも低侵襲に留置可能で,効果発現が早く,閉塞を伴った患者の緩和医療においてとりうる選択肢の一つである.
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▶大腸悪性狭窄におけるステント留置は,症状緩和目的および術前減圧目的の大きく2つに分けられる.
pp.1085-1089
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.07_023
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はじめに
消化管狭窄は,患者のquality of life(QOL)に関わる重大な問題であり,大きく良性狭窄と悪性狭窄の2つに分類される.一方で,内視鏡的粘膜下層剝離術endoscopic submucosal dissection(ESD)の技術が進歩し,広範囲な病変も安全に切除できるようになったが,ESD後に難治性狭窄が生じると,そのマネジメントは容易ではない.そのため,ESD後の狭窄予防は重要な課題である.本稿では,ESD後の狭窄予防,ESD後や術後狭窄を含む消化管良性狭窄のマネジメント,消化管悪性狭窄のマネジメントの順で消化管狭窄に対する内科的治療を概説する.

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