特集 上部消化管疾患
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好酸球性食道炎の診療の実際
石村 典久
1
1島根大学医学部内科学講座第二
キーワード:
好酸球性食道炎の診療の実際
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▶EoEはわが国において,有病率・罹患率ともに近年,増加傾向にある.
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▶中年男性に好発し,他のアレルギー疾患の併存が多い.
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▶診断は症状と内視鏡下の生検による好酸球浸潤(高倍率視野あたり15個以上)が必須である.
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▶内視鏡像は縦走溝,リング状変化,白斑などが特徴的所見である.
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▶EoEの治療目標は症状およびQOLの改善と合併症の予防である.
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▶EoEの標準治療は薬物療法でPPIが第一選択薬である.
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▶近年,好酸球性炎症に関わる分子標的薬の開発が進められている.
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▶EoEは治療中止で再発する例が多いため,維持療法が行われることが多い.
Keyword:
好酸球性食道炎の診療の実際
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▶EoEはわが国において,有病率・罹患率ともに近年,増加傾向にある.
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▶中年男性に好発し,他のアレルギー疾患の併存が多い.
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▶診断は症状と内視鏡下の生検による好酸球浸潤(高倍率視野あたり15個以上)が必須である.
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▶内視鏡像は縦走溝,リング状変化,白斑などが特徴的所見である.
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▶EoEの治療目標は症状およびQOLの改善と合併症の予防である.
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▶EoEの標準治療は薬物療法でPPIが第一選択薬である.
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▶近年,好酸球性炎症に関わる分子標的薬の開発が進められている.
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▶EoEは治療中止で再発する例が多いため,維持療法が行われることが多い.
pp.1028-1032
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.07_012
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はじめに
好酸球性食道炎eosinophilic esophagitis(EoE)は食道上皮に過剰な好酸球浸潤による慢性炎症が持続する結果,嚥下困難やつかえ感などの自覚症状や狭窄などの器質的異常を呈するアレルギー疾患である.消化管に好酸球性炎症による障害を生じる好酸球性消化管疾患eosinophilic gastrointestinal disorder(EGID)のうち,好酸球性炎症が食道に限局しているものをEoEと定義し,食道病変の有無にかかわらず,胃,小腸,大腸に好酸球性炎症を生じる好酸球性胃腸炎(non-EoE EGID)とは臨床的に区別して扱われる1).食事や空気中の抗原に対するTh2型の免疫応答の異常が病態として重要とされており,近年,わが国においても顕著な有病率および罹患率の増加が指摘されている2).本稿では,EoEの診断の進め方および治療ストラテジーについて解説する.

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