特集 上部消化管疾患
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食道表在癌の内視鏡診断
由雄 敏之
1
1がん研有明病院上部消化管内科
キーワード:
食道表在癌の内視鏡診断
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▶食道癌診断においては飲酒・喫煙歴がある男性に積極的に内視鏡検査を行うこと,また,flusherであること,MCV高値なども食道癌リスクの指標になる.
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▶内視鏡検査においてはNBIやBLIに代表されるIEEを適切に使用して食道癌の見逃しを避けることが重要である.
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▶内視鏡的切除後の食道内多発癌においてはヨード多発不染の程度により,発症リスクが層別化される.
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▶AIは初回食道癌診断,二次診断の両方において,背景の食道画像から癌リスク診断を行うことが可能で,実用化が待たれる.
Keyword:
食道表在癌の内視鏡診断
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▶食道癌診断においては飲酒・喫煙歴がある男性に積極的に内視鏡検査を行うこと,また,flusherであること,MCV高値なども食道癌リスクの指標になる.
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▶内視鏡検査においてはNBIやBLIに代表されるIEEを適切に使用して食道癌の見逃しを避けることが重要である.
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▶内視鏡的切除後の食道内多発癌においてはヨード多発不染の程度により,発症リスクが層別化される.
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▶AIは初回食道癌診断,二次診断の両方において,背景の食道画像から癌リスク診断を行うことが可能で,実用化が待たれる.
pp.1052-1055
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.07_016
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はじめに
食道癌は,進行してから診断されると予後不良で,食道切除術,化学療法,放射線療法など集学的治療が行われるが,早期診断されれば低侵襲な内視鏡的切除術にて治療可能で,臓器温存がなされて予後も良好である1).食物のつかえ感,嚥下困難,胸部痛など食道癌特有の症状が出現したときに診断されると多くの場合は進行癌であるのに対して,表在癌は健診内視鏡などの無症状例や心窩部不快の胃精査目的の内視鏡検査などで偶発的に診断される例が多い.いずれの消化管癌においても言えるが,積極的な内視鏡検査を行うことが早期診断につながる.

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