特集 上部消化管疾患
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上部消化管内視鏡スクリーニングのポイント
吉永 繁高
1
1東京都立多摩総合医療センター消化器内科
キーワード:
上部消化管内視鏡スクリーニングのポイント
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▶スクリーニングの基本は死角のない検査を行うことである.
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▶内視鏡検査を行うときは被験者の苦痛を最大限に軽減するように心がける.
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▶画像強調観察光の機能が搭載されていたら,積極的に使用する.
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▶食道の観察はオリエンテーションがつくようにまず左主気管支を目印に内視鏡の軸を固定する.
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▶胃の観察では死角になる部位を意識して観察する.
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▶十二指腸の観察では屈曲部が死角になるので注意する.
Keyword:
上部消化管内視鏡スクリーニングのポイント
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▶スクリーニングの基本は死角のない検査を行うことである.
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▶内視鏡検査を行うときは被験者の苦痛を最大限に軽減するように心がける.
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▶画像強調観察光の機能が搭載されていたら,積極的に使用する.
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▶食道の観察はオリエンテーションがつくようにまず左主気管支を目印に内視鏡の軸を固定する.
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▶胃の観察では死角になる部位を意識して観察する.
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▶十二指腸の観察では屈曲部が死角になるので注意する.
pp.1004-1008
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.07_008
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はじめに
スクリーニングの基本は病変を見逃さないようにするために「死角のない検査を行う」ことである.そのために,撮影する順番などに関しては「絶対こうしなければならない」というものはないが,系統的な観察方法を習得し,常に同じようなブレのない観察を心がける必要がある.そして「被験者の苦痛を最大限に軽減する」ということも大事である.検査の苦痛が大きいと被験者の検査に対する閾が上がってしまい,被験者の不利益に繫がりかねない.被験者の苦痛を考えると何度も行き来するなど無駄な動きは慎み,可能な限り短時間で検査を終えることが重要である.また筆者は観察中に絶え間なく被験者に状況を説明し,声をかけることにより被験者の不安や苦痛をできるだけ軽減するように心がけている(筆者はoral sedationと呼んでいる).また被験者によっては鎮痛,鎮静下で行わないと観察自体が難しいことがあるが,十分な観察のためには必要な場合があるので,投与のリスクを十分に説明のうえ使用する.その場合に発声する,呼吸を止めるなどの指示に従えないので,そのことも理解し検査に臨まなければならない.

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