雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Volume 42, Issue 7 （July 2025）

Medical Practice 42巻7号（2025年7月発行）

特集上部消化管疾患

セミナー最新の実地診療のポイントの整理と活用

食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療のストラテジー渋川悟朗 ¹ ¹福島県立医科大学会津医療センター消化器内科学講座キーワード：食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療のストラテジー , ▶食道静脈瘤に対する内視鏡治療としてEISとEVLが施行されている． , ▶食道静脈瘤破裂時の緊急内視鏡は極めて重要だが，予防的治療による出血防止を図ることが重要である． , ▶胃静脈瘤破裂は多量出血による出血死あるいは二次性肝不全の危険性が極めて高く，予防的治療も行われる． , ▶食道静脈瘤の治療前にはEUSによる食道壁周囲の血管群の観察を，3D-CTによる供血路の把握を行う． , ▶EO・AS併用法およびAPC地固め法によるEISにて静脈瘤および供血路を閉塞し，再発率が低い良好な成績が得られる． , ▶胃静脈瘤の治療前にはEUSにて胃静脈瘤径を，3D-CTにて供排血路の径や本数，部位を確認しておく． , ▶胃静脈瘤に対するCA・EO併用法では，1回の治療で胃静脈瘤とその供血路すべての閉塞を行い完全な血流制御を目指す． Keyword: 食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療のストラテジー , ▶食道静脈瘤に対する内視鏡治療としてEISとEVLが施行されている． , ▶食道静脈瘤破裂時の緊急内視鏡は極めて重要だが，予防的治療による出血防止を図ることが重要である． , ▶胃静脈瘤破裂は多量出血による出血死あるいは二次性肝不全の危険性が極めて高く，予防的治療も行われる． , ▶食道静脈瘤の治療前にはEUSによる食道壁周囲の血管群の観察を，3D-CTによる供血路の把握を行う． , ▶EO・AS併用法およびAPC地固め法によるEISにて静脈瘤および供血路を閉塞し，再発率が低い良好な成績が得られる． , ▶胃静脈瘤の治療前にはEUSにて胃静脈瘤径を，3D-CTにて供排血路の径や本数，部位を確認しておく． , ▶胃静脈瘤に対するCA・EO併用法では，1回の治療で胃静脈瘤とその供血路すべての閉塞を行い完全な血流制御を目指す． pp.1038-1044

発行日 2025年7月1日 Published Date 2025/7/1

DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.07_014

PDF(41981KB)

有料閲覧

文献概要
1ページ目
参考文献

はじめに

　現在，日本では食道静脈瘤に対する治療として内視鏡的硬化療法endoscopic injection sclerotherapy（EIS）や内視鏡的結紮術endoscopic variceal ligation（EVL）が施行されている．出血時の緊急内視鏡は極めて重要であり，出血源の診断だけでなく，診断後直ちに内視鏡治療による緊急止血へと移行することができる．しかし，出血の危険性の高い静脈瘤を予防的に治療し，初回出血の防止を図ることのほうが重要である．