総合リハビリテーション 46巻10号 (2018年10月)

特集 リハビリテーション医療で心理職に望むこと

今月のハイライト
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 国民の心の健康を増進することを目的とした公認心理師法が2017年9月15日に施行され,2018年9月9日に第1回の公認心理師試験が実施されました.この国家資格制度の導入により,リハビリテーション医療の領域においても,心理職との連携がますます高まることが期待されます.そこで,本特集では,リハビリテーション医療チームの一員として活躍している心理職の現状と課題に続いて,高次脳機能障害,精神疾患,発達障害,およびがんのリハビリテーション医療において心理職に期待される役割について解説していただきました.

現状と課題 中島 恵子
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はじめに

 リハビリテーション医療の目的は,患者の身体的・心理的・社会的回復である.その目的に向かって,専門職による治療的アプローチが同時に進行する.病気や事故後の後遺症(障害)への心理回復,心理適応は,その後の人生における健康行動を形成するために重要である.米国において,リハビリテーション心理学は,1)神経心理学,2)臨床心理学,3)行動療法的心理学,4)社会心理学,5)職業リハビリテーションにおける心理学的アプローチ,6)障害者とその関係者との相互作用,7)研究結果の応用,8)心理職のあり方,に分類され学会で活発な討議がされている.同様に,わが国においてもリハビリテーション医療の心理職に期待されるものは多岐にわたる.2018年9月に国家資格である第1回公認心理師試験が施行されたこの期に,未来志向的にこれからのリハビリテーション医療で求められる心理職について,職務整理のために米国のリハビリテーション心理学の分類に沿って概観を述べる.

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はじめに

 公認心理士の資格が公的に賦与されることになり,高次脳機能障害者支援に向けた有力な専門職集団が増えたことになる.これは画期的なことであり,期待することは多い.

 高次脳機能とは大脳皮質の一次運動野,一次感覚野を除く広範な部分の活動といえるが,その障害について本稿で述べる高次脳機能障害とは本邦で行政的に定めた診断基準(表1)1)に拠っている.誤解を招かないために述べておけば,行政的な定義だからといってサイエンスとして矛盾するものではない.身体,知的,精神と3種類ある障害者手帳の分類上,対象者を明確にするために狭義の定義を作成したということである.

 この分野にあって個人としての心理専門職がかかわる業務は神経心理学的検査を駆使して患者・障害者の評価を確実なものにすることと,心理調整,認知療法などを通じて治療・訓練を行うことである.そのなかでまず医療機関で患者が高次脳機能障害をもっているかどうか適切に評価することが,それ以降のすべての支援の始まりとなることを考慮して,本稿では病院に勤務する心理職を念頭に日常業務の基本となる高次脳機能障害診断基準(以下,診断基準)2,3)に沿った評価の仕方を中心にして述べる.

 求められる素養は障害をもつに至った個人の人生を縦断的に想像できるかという点にあり,一人の人間が疾病の後遺症として高次脳機能障害をもち,その後をどのように生きていくか,どのような問題に遭遇し,どのような対処が可能であるのか理解できることにある.

 本稿では心理職に公認心理士という用語を使わず,これまで通りに臨床心理士とする.

精神疾患 中嶋 義文
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精神保健医療福祉における国の施策1,2)

 2007年に施行された改正医療法により,医療計画の下でいわゆる4疾患5事業ごとに医療連携体制を構築してきたが,2013年度からは,精神疾患と在宅医療を加えた「5疾患・5事業および在宅医療」の医療連携体制の構築が進められている(表).

 わが国の精神医療の問題点の1つは経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development;OECD)各国に比して精神病床数が多く,長期入院の患者数が多いことである.長期入院精神障害者の地域移行を進めるにあたっては,精神科病院や地域援助事業者による努力だけでは限界があり,自治体を含めた地域精神保健医療福祉の一体的な取り組みの推進に加えて,地域住民の協力を得ながら,差別や偏見のない,あらゆる人が共生できる包摂的(インクルーシブ)な社会を構築する必要があるとされている.このため,地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう,精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指している(図1).

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はじめに

 発達障害において,これまでも心理評価や療育,カウンセリングなど,心理職が果たしてきた役割は大きい.しかし,これまでは心理士が国家資格でなかったことから,医療の分野では心理士の役割は心理検査の担い手など限定的であった.今年度(2018年度),公認心理師が誕生する予定である.今後,発達障害領域においても心理士の担う役割は拡充してくることが想定されるが,現段階ではまだ明確にはなっていない.ここでは,狭義の医療に限定せず幅広く発達障害領域において心理士に期待することを述べたい.

がん 金井 良晃
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はじめに

 緩和ケア,緩和医療と呼ばれる分野は,この数十年のがん医療の中で急速に発展し浸透してきた.緩和ケアや,がん患者や家族の心理面や生活の質(quality of life;QOL)に関する研究が「トップジャーナル」と呼ばれるような医学雑誌に掲載されるようになり1-3),厚生労働省がこの11年間推進してきた「がん対策推進基本計画」においても当初から,「がんと診断された時からの緩和ケア」が謳われてきた4)

 しかし一方で,社会全体はもちろん医療介護に従事する専門家のあいだにおいても,緩和ケアへの正しい理解は進んでいない.緩和ケアという専門用語自体が複数の意味をもち,がん医療の現場が混乱してしまっている側面もある.

 本稿では,緩和ケアががん医療において実にさまざまな役割を担い,その遂行には多職種協働が不可欠であることを明らかにするとともに,リハビリテーションと心理職に期待される役割に焦点を当てて議論したい.

巻頭言

見えない障害 横井 剛
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 見えない障害というフレーズを耳にすることが最近多くなった.筆者の勤務している横浜市障害者更生相談所でも昨年からヘルプマークの配布を開始している.ヘルプマークとは義足や人工関節を使用している方,内部障害や難病の方,または妊娠初期の方など,外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が,周りに配慮を必要としていることを知らせることで,援助を得やすくなるよう東京都が作成したマークであるが,これはまさに見えない障害の方に対してのもので,社会的な動きも広がっている証拠でもある.

 筆者の勤務する職場には聴覚障害の職員がいる.補聴器と読唇で会話を理解するとのことで,会議などでは原則,大きめの声でかつ口元の動きがきちんとわかるように気を付けている.それで仕事上はそれほど問題となるようなことはないのだが,実際の聞こえや理解の仕方をあとで聞いて驚いた.読唇は口の形が示す母音を主に頼りにして言葉の判別を行っていること,そして補聴器は音を大きくはしてくれるがクリアな音にはならずゆがんだ音として聞こえてくるので,会話などは完全ではない音声の手がかりと,現時点まで話の流れや視覚的な手がかりをもとに内容を分析し理解しているというのである.そのため,話の内容の一部が理解できないこともあるのだが,普段接している人であってもそういう状況にあることはなかなか気づきにくい.本当は自分の障害のことを説明しその状況をわかってもらうことが最もよいのであるが,周りの人すべてにそのようなことを伝えるのは困難でもどかしい思いをしているというのである.しかし聞き取れなかったことをあとで伝えたり,文字にしたりするなど周囲が配慮し,情報をきちんと伝えられれば,理解力や判断力などの職務を遂行する能力は健常の職員と同様であるので,もっている能力をきちんと発揮できるのである.

入門講座 感覚障害とリハビリテーション・3

嗅覚障害 森 恵莉
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はじめに

 実は嗅覚障害に対する「リハビリテーション」は,わが国においてはまだ導入されていないうえ,この手法に相当する言葉も定義されていない.「Olfactory training」1),「exposure to odor」2)や「嗅覚刺激療法」3)などとも表記されている.もともとは,2009年にドイツのThomas Hummelらにより神経性嗅覚障害の患者に対しての「olfactory training」の効果が報告され1),この10年でその有用性を謳う報告が次々に発表されてきている.一方,喉頭摘出術後の患者に対して行う,鼻腔内へ気流を確保してにおいを感じる鼻腔通気法,通称NAIM(nasal airflow inducing maneuver)法は「嗅覚訓練」や「rehabilitation of olfaction」という言葉で報告され4),リハビリテーションとしてはむしろこちらのほうが先に唱えられてきており,混乱が生じないよう区別する必要がある.本稿においては,Hummelらが唱えた「olfactory training」を暫定的に「嗅覚リハビリテーション」として紹介し,本邦における今後の展望について述べる.

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はじめに

 リハビリテーションを行う患者にとって,その成果を日常生活のなかに落とし込み,動きをより活発化させることは,生活の質(quality of life;QOL)を向上させるうえでも重要である.しかし,リハビリテーションの成果で得られる“できる日常生活活動(activities of daily living;ADL)”と,実際に必要とされる“しているADL”には患者の認識のずれが生じやすい.すなわち,患者の到達意識と実際に行われる安全で可能な動作の間には「乖離」が生まれやすく,それによる転倒転落は国立長寿医療研究センター(以下,当院)でも増加傾向にある.特に,高齢者の特徴である身体的な変化と,それに相応しない理解や判断が発生誘因となることが多く,動ける・動きたい衝動のほうが可能動作範囲の認識を上回る場合に起こりやすい.

 鳥羽1)は,転倒ハイリスク者の把握により,あらかじめ高齢者本人や家族,医療者に注意を促すことが転倒予防につながるとしている.回復期リハビリテーション病棟においても,転倒リスクを正しく評価し,ハイリスクである患者本人に加齢変化による危険性を自覚してもらいながら,周囲の専門的介入を強化することが求められている.

 本稿では,入院中から在宅療養に向けて,不要な抑制用具を回避しつつ,多職種が高齢者の転倒に対して予防的介入を行い,安全な療養環境を提供できるような支援体制について解説を行う.

実践講座 地域におけるリハビリテーション専門職の役割・1【新連載】

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はじめに

 地域包括ケア体制をめざすなかで,サービスの継続性や多様なサービスの包括的な提供が求められ,関係職種間の情報共有や共通理解が欠かせず,地域におけるケアにかかわる会議の重要性が認識されるようになってきた.また生活機能の低下した事例の発掘,さらに市民と協働する支援体制の構築なども会議の重要性につながっている.つまり,医療提供機関間の連携,医療機関と在宅サービスとの連携(医療と介護の連携),在宅サービス提供機関間の連携など地域総体の連携やチームづくりの主要な手法の1つとして,各種の会議が開催されている.

 本稿では,北九州市で専門職が集まり,15年間継続している「地域リハビリテーションケース会議」といわゆる「地域ケア会議」について紹介し,リハビリテーション専門職の役割を考える.

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要旨 【目的】安全な歩行自立には,歩行と関連する周辺動作もあわせて自立する必要がある.歩行関連動作の難易度とその可否による転倒発生の危険性について,脳卒中片麻痺患者を対象に検討した.【対象】2014年4月〜2015年3月に,東京湾岸リハビリテーション病院(以下,当院)に入院した脳卒中患者387名のうち,入院後に歩行が自立となった105名を分析対象とした.【方法】当院で独自に作成し使用している歩行能力評価表の結果より各関連動作の難易度を後方視的に解析した.また,各関連動作の可否とその後の転倒発生との関連について検討した.【結果】難易度が高い動作は,「300m連続歩行が可能」,「エレベータの操作が可能」であった.続いて「立位で床の物を拾うことが可能」,「食堂の椅子をひいて座ることが可能」であった.転倒発生と有意に関連した動作は,「左右の肩越しに後方をみてもバランスを保てる」であり,オッズ比3.94(95%信頼区間1.53〜10.13,p=0.004)であった.【結語】回復期脳卒中患者の歩行安静度を検討するうえでは,関連する動作の難易度を意識して介入を行う必要がある.また,関連動作の可否を評価し介入することで,転倒リスクを軽減できる可能性がある.

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要旨 【目的】本研究の目的は,人工膝単顆置換術(unicompartmental knee arthroplasty;UKA)後の生活空間の経時的変化と影響を及ぼす運動機能を検討することである.【方法】UKAが施行された20名を対象とし,術前,術後3か月,術後6か月の生活空間(Life Space Assessment;LSA),運動機能として膝関節角度,膝屈曲・伸展筋力,Timed Up & Go test,歩行速度,膝痛を測定した.各時期のLSAの比較には反復測定による分散分析を行った.また,各時期のLSAを従属変数,運動機能を独立変数とした重回帰分析を行った.【結果】LSAは術前と術後6か月,術後3か月と6か月で有意な改善を認めた.術前のLSAには術側膝伸展筋力,術後3か月と6か月のLSAには最速歩行速度が有意な因子として抽出された.【結論】術後のLSAは低下することなく改善していくことが明らかとなった.術前は術側膝伸展筋力,術後は最速歩行速度がLSAに影響しており,これらの因子がLSAの維持・拡大には必要であることが示唆された.

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要旨 【目的】近年,蛋白代謝能,脂質代謝能および免疫能の総合的な栄養評価方法としてcontrolling nutritional status(CONUT)法が注目されている.今回,脳梗塞患者においてCONUT法での栄養評価と患者転帰との関係について検討した.【方法】対象は香川県立中央病院(以下,当院)でリハビリテーションを含む急性期治療を行った後,回復期リハビリテーション病院で治療後,その退院時の機能的自立度評価(functional independence measure;FIM)にて転帰がわかり,CONUT値が測定できた169人の脳梗塞患者とした.【結果】CONUT法では,正常50人,軽度障害51人,中等度障害48人,高度障害20人であり,正常から中等度障害までの比較的栄養障害の軽い患者が多かった.CONUT値の高い患者は退院時FIMが低い傾向がみられ,CONUT値と退院時FIMの間には有意な相関がみられた(p<0.01).【結論】脳梗塞患者において,CONUT値と患者転帰には有意な関係がみられ,CONUT値はリハビリテーションを行ううえで参考となる指標と考えられた.

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要旨 【目的】ADL維持向上等体制導入によるリハビリテーションの質・量と療法士の介入の変化を調査した.【対象・方法】当院消化器内科(47床)を退院した患者,導入前(2014年度)1,079名,導入後(2015年度)990名のリハビリテーション状況や日常生活動作(activities of daily living;ADL)を調査した.さらに導入後の全患者を評価群,指導群,療法群に分けBarthel Index(BI)を分析した.【結果】ADL維持向上等体制導入前後の比較では,看護必要度B項目が導入後の退院時で有意に低かった.導入前の療法群(個別療法)は134名(12%)のみだが,導入後は入院患者全例に介入できた.導入後のBI改善点は,評価群19.6,指導群23.7,療法群17.9だった.【考察】ADL維持向上等体制導入後の退院時看護必要度B項目の改善は,主治医の依頼を待たず入院患者全例にスクリーニングが可能になったことが一因として考えられた.ADL低下の予備群には専従療法士の指導で対応し,機能回復を必要とする患者には個別療法が処方された.専従療法士の配置により患者層に応じた介入が可能となった.

連載 災害と医療体制

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 JRAT(Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team)は,災害時にリハビリテーション専門職が被災地で,生活不活発病の予防や災害関連死を防ぐために活動を行う医療チームであり,東日本大震災の経験と教訓により,設立された.本稿では,JRATの発足の経緯と現在の活動および今後の課題について述べる.

連載 補装具支給・判定Q & A・第4回

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A 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)による補装具費支給には身体障害者手帳(以下,身障手帳)の取得が大前提となります.ただし,2013年4月1日から,「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」になった機会に障害者の範囲に難病患者等が追加され,身障手帳を取得していなくても必要性に応じて障害福祉サービス等を受けることができるようになりました.補装具費の支給もその一環です.身障手帳に該当する程度の身体状況であり,生活,就労,教育上等で歩行器の必要性が認められれば,身障手帳を取得していなくても補装具費を支給することが可能です.

連載 公害・薬害とリハビリテーション

サリドマイド胎芽症 栢森 良二
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概念

 サリドマイド胎芽症は最終月経36〜56日の間に抗「つわり」薬あるいは抗不安/睡眠薬のサリドマイド(図1)を服用した妊婦から生まれた.1960年ごろにドイツ,英国,日本など世界各国で発生した薬害の原点である.欧州では製薬巨人のグルネンタール社(最近ではトラマドールが馴染み深い),日本や台湾では大日本製薬(異なった製造法であったが,グルネンタール社とは係争中であった)が製造販売していた.さらに最近,多発性骨髄腫とハンセン病の免疫調整薬として医療保険収載薬として再び使われるようになっている.さらに後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome;AIDS),ベーチェット病,Guillain-Barré症候群など各種の免疫関与疾患で臨床研究が行われている.同時にサリドマイド(以下,サリド)胎芽症の再来は現実のものになった.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 1952年に発表されたスタインベックの『エデンの東』(土屋政雄訳,早川書房)には,キャルとアロンという,容姿も性格も対照的な双子の兄弟が描かれている.

 この双子の兄弟を見た人は誰も,なぜこんなにも違うのかと首をかしげた.それは,「成長とともに肌が浅黒くなり,髪の毛も黒くなった」キャルが,「誰からもあまり好かれず,むしろ恐れに似た感情を持たれた」のに対して,「ピンクがかった白い肌に金髪.左右離れ気味の青い目が,見る人を惹きつけた」アロンは,「誰からも好かれた」からである.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 この7月,知人から前号で取り上げた「カランコエの花」が大変なことになっているとの報を聞いた.東京の上映館に行ってみたが,前売券が完売で,当日券が売られていなかったというのだ.しかも客の大半が若者ということにも驚いたそうだ.

 さて,オリンピック憲章には,<性的指向による差別の禁止>が明記されている.したがって,東京2020オリンピック・パラリンピックのサプライヤー(納品業者)になる企業は,この条件を履行しなければならない.昨今,<社内の同性パートナーを配偶者として指定できる>,<性別適合手術のために最大60日間の有給休暇が取得できる>,<同性婚カップルや事実婚カップルにも異性婚と同等に慶弔金,育児・介護休暇,傷病休暇などの福利厚生を適用する>という動きが出てきているのもこうした背景ゆえのこと.LGBTの権利拡大の動きは,2020年に向けて一層加速するだろう.

私の3冊

私の3冊 阿部 理奈

学会印象記

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 第55回日本リハビリテーション医学会学術集会が佐賀大学医学部附属病院リハビリテーション科診療教授の浅見豊子会長のもと,2018年6月28日(木)〜7月1日(日)の4日間,福岡国際会議場(図1)と福岡サンパレスにて開催された.本学術集会のメインテーマは「再生を羽ぐくむリハビリテーション医学」であり,再生医療などの最先端医療から,リハビリテーションを語源「re」(再び)「habilitare」(ふさわしい状態にする)より個人の再生の医療と考え,これまでのリハビリテーション医学・医療の大きな流れを継承しつつ,今後の先端医療へと繋げていく「羽ぐくむ」という会長の願いの込められた学術集会であったと感じた.

お知らせ

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目次

文献抄録

次号予告

編集後記
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 夜半過ぎからはじまったみぞおちから背中にかけての痛みはどんどん激しくなり,ダンゴムシのように丸まっていないと耐えられないほど.「ストレスで胃に穴が開いたか?」「飲みすぎで膵炎とか?」とどきどきしながら朝まで何とか我慢.這うように病院に駆け込んだところ,診断はなんとアニサキスの疑い.というわけで,急遽胃カメラとなりました.実は胃カメラは初めての経験.鼻から管が挿入され,アニサキスの捜索開始です.胃の上部……いない,胃壁をぐるり……いない,胃の出口付近……赤い傷跡が!でもいない,十二指腸……いない.結局アニサキスは発見できず.先生曰く,おそらく胃の出口付近の傷がアニサキスが食いついた傷跡だろうとのこと.治まらない痛みにスッキリしないでいると「あ,それから」と先生.それそれ,ストレスで胃が荒れてるとか,そういうのちょうだい…….「胃はとても綺麗でしたよ.出口のところの傷跡以外は全部綺麗でした!よかったですね!」「……ありがとうございます」

 アニサキスは人の体内では生きられないので,もし残っていたとしても4〜5日で痛みは消えるそう.食欲の秋.痛みよ早く飛んでいけ.

基本情報

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総合リハビリテーション
46巻10号 (2018年10月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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