Japanese
English
研究と報告
回復期脳卒中患者の歩行関連動作の難易度と転倒との関係
The task difficulties of walk-related tasks and falls in patients with subacute hemiparetic stroke
井上 靖悟
1
,
大高 洋平
1,2
,
大八木 怜美
1
,
溝部 聡士
1
,
近藤 国嗣
1
Seigo Inoue
1
,
Yohei Otaka
1,2
,
Reimi Oyagi
1
,
Satoshi Mizobe
1
,
Kunitsugu Kondo
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine Ⅰ, School of Medicine, Fujita Health University
キーワード:
歩行分析
,
動作分析
,
転倒リスク
,
医療安全
,
脳血管障害
Keyword:
歩行分析
,
動作分析
,
転倒リスク
,
医療安全
,
脳血管障害
pp.965-971
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201448
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要旨 【目的】安全な歩行自立には,歩行と関連する周辺動作もあわせて自立する必要がある.歩行関連動作の難易度とその可否による転倒発生の危険性について,脳卒中片麻痺患者を対象に検討した.【対象】2014年4月〜2015年3月に,東京湾岸リハビリテーション病院(以下,当院)に入院した脳卒中患者387名のうち,入院後に歩行が自立となった105名を分析対象とした.【方法】当院で独自に作成し使用している歩行能力評価表の結果より各関連動作の難易度を後方視的に解析した.また,各関連動作の可否とその後の転倒発生との関連について検討した.【結果】難易度が高い動作は,「300m連続歩行が可能」,「エレベータの操作が可能」であった.続いて「立位で床の物を拾うことが可能」,「食堂の椅子をひいて座ることが可能」であった.転倒発生と有意に関連した動作は,「左右の肩越しに後方をみてもバランスを保てる」であり,オッズ比3.94(95%信頼区間1.53〜10.13,p=0.004)であった.【結語】回復期脳卒中患者の歩行安静度を検討するうえでは,関連する動作の難易度を意識して介入を行う必要がある.また,関連動作の可否を評価し介入することで,転倒リスクを軽減できる可能性がある.
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