連載 公害・薬害とリハビリテーション
サリドマイド胎芽症
栢森 良二
1
Ryouji Kayamori
1
1帝京平成大学健康メディカル学部理学療法科
キーワード:
上肢低形成
,
聴器低形成
,
悪魔から福音の薬へ
,
WHO診断基準
,
サリドマイド胎芽症の再来
Keyword:
上肢低形成
,
聴器低形成
,
悪魔から福音の薬へ
,
WHO診断基準
,
サリドマイド胎芽症の再来
pp.998-1001
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201455
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概念
サリドマイド胎芽症は最終月経36〜56日の間に抗「つわり」薬あるいは抗不安/睡眠薬のサリドマイド(図1)を服用した妊婦から生まれた.1960年ごろにドイツ,英国,日本など世界各国で発生した薬害の原点である.欧州では製薬巨人のグルネンタール社(最近ではトラマドールが馴染み深い),日本や台湾では大日本製薬(異なった製造法であったが,グルネンタール社とは係争中であった)が製造販売していた.さらに最近,多発性骨髄腫とハンセン病の免疫調整薬として医療保険収載薬として再び使われるようになっている.さらに後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome;AIDS),ベーチェット病,Guillain-Barré症候群など各種の免疫関与疾患で臨床研究が行われている.同時にサリドマイド(以下,サリド)胎芽症の再来は現実のものになった.
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