Japanese
English
入門講座 感覚障害とリハビリテーション・3
嗅覚障害
Olfactory dysfunction
森 恵莉
1
Eri Mori
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Jikei University School of Medicine
キーワード:
嗅覚障害
,
嗅覚刺激療法
,
嗅覚トレーニング
,
嗅覚リハビリテーション
Keyword:
嗅覚障害
,
嗅覚刺激療法
,
嗅覚トレーニング
,
嗅覚リハビリテーション
pp.939-945
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201444
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はじめに
実は嗅覚障害に対する「リハビリテーション」は,わが国においてはまだ導入されていないうえ,この手法に相当する言葉も定義されていない.「Olfactory training」1),「exposure to odor」2)や「嗅覚刺激療法」3)などとも表記されている.もともとは,2009年にドイツのThomas Hummelらにより神経性嗅覚障害の患者に対しての「olfactory training」の効果が報告され1),この10年でその有用性を謳う報告が次々に発表されてきている.一方,喉頭摘出術後の患者に対して行う,鼻腔内へ気流を確保してにおいを感じる鼻腔通気法,通称NAIM(nasal airflow inducing maneuver)法は「嗅覚訓練」や「rehabilitation of olfaction」という言葉で報告され4),リハビリテーションとしてはむしろこちらのほうが先に唱えられてきており,混乱が生じないよう区別する必要がある.本稿においては,Hummelらが唱えた「olfactory training」を暫定的に「嗅覚リハビリテーション」として紹介し,本邦における今後の展望について述べる.
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