Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
スタインベックの『エデンの東』・2—愛着障害の主人公
高橋 正雄
1
1筑波大学人間系
pp.1002
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201456
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1952年に発表されたスタインベックの『エデンの東』(土屋政雄訳,早川書房)には,キャルとアロンという,容姿も性格も対照的な双子の兄弟が描かれている.
この双子の兄弟を見た人は誰も,なぜこんなにも違うのかと首をかしげた.それは,「成長とともに肌が浅黒くなり,髪の毛も黒くなった」キャルが,「誰からもあまり好かれず,むしろ恐れに似た感情を持たれた」のに対して,「ピンクがかった白い肌に金髪.左右離れ気味の青い目が,見る人を惹きつけた」アロンは,「誰からも好かれた」からである.
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