総合リハビリテーション 45巻10号 (2017年10月)

特集 排尿ケアとリハビリテーション

今月のハイライト
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 排泄は日常生活動作(activities of daily living;ADL)項目の中でも自立の希望が高い重要な項目ですが,リハビリテーションのみでは獲得が困難な項目でもあります.排尿障害は,認知機能,動作能力,神経因性膀胱,下部尿路障害などさまざまなレベルで障害されるため,障害像を明らかにすること,それに関与する病態を把握すること,そして適切な治療やリハビリテーションを行うことが重要と考えられます.そこで今回は,排尿障害全般の病態生理および評価と,各疾患におけるケア・リハビリテーションについて,専門の先生方に,概要と実践を解説・紹介していただきました.

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はじめに

 リハビリテーション患者の排尿障害がリハビリテーションの遅延と日常生活動作(activities of daily living;ADL)の改善を阻害し,その後の在宅復帰率に影響していることは以前から指摘されているところであり1),リハビリテーション患者の排尿障害への取り組みはリハビリテーション医療の質の向上と効率化に欠かせない項目といえる.しかしながら,その原因は多岐にわたり,なかでも頻度の高い神経因性膀胱や前立腺肥大症などのようにリハビリテーションと平行して治療が必要となる場合も少なくない.したがって,リハビリテーション患者の排尿障害を正しく評価し,適切に対処できることがリハビリテーション医療にかかわる医療者に求められるところである.本稿では排尿障害全般の病態生理とその評価および治療方針につき概説し,リハビリテーション患者における排尿障害への理解の一助としたい.

脳卒中患者 補永 薫
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はじめに

 現在,本邦における脳卒中の罹患者数は100万人を超え,2013年度の65歳以上の要介護者などについて,介護が必要になった主な原因においても,「脳卒中」が17.2%と最も多く,次いで,「認知症」16.4%,「高齢による衰弱」13.9%,「関節疾患」11.0%となっている1).排尿障害は脳卒中患者において高頻度にみられる症状であり,片麻痺の重症度からみても軽症例で25%,中等症例で42%,重症例で70%と麻痺が重症になるにつれて排尿障害の頻度も増すといわれている2)

 この排尿障害がもたらす影響は大きく,多種にわたる.主なものを挙げると医学的には褥瘡の形成・悪化を来し,尿路感染症・敗血症・腎不全をもたらす.社会的には自立心の低下をもたらし,社会活動の制限となるばかりでなく,依存心が強くなりうつ傾向になる.リハビリテーションにおいても2次的に自尊心を傷つけ,意欲低下・退行現象を来し,日常生活動作(activities of daily living;ADL)項目の能力低下の原因となり,リハビリテーションの阻害因子となる.さらに排尿障害は要介護状態の患者に対する介護資源の多くの部分を費やすため,周囲の介護者の負担および医療経済的にも大きな問題となる.

 これらの問題は脳卒中の他の障害と重なる部分も多く,そのため,脳卒中患者における排尿障害は膀胱機能単体で考えるのではなく,他の症状を含めて総合的に把握し,その問題点を整理したうえで適切に対応していく必要がある.

脊髄損傷患者 緒方 徹 , 鈴木 常貴
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はじめに

 脊髄損傷は外傷を主とする脊髄神経の損傷により,損傷部より遠位の運動感覚麻痺が出現する疾患である.ともすると上下肢の運動感覚麻痺ばかりに目が行きがちであるが,慢性期の脊髄損傷者にとって膀胱直腸障害の管理は生活リズムの維持と,合併症の予防の面できわめて重要な要素であることを忘れてはならない.実際,慢性期での外来通院先として最も頻度が高いのが泌尿器科ともいわれている.脊髄損傷における排尿管理の目的は,① 尿失禁や頻尿のコントロール,② 尿路感染のケア,③ 腎機能の保持,④ 患者の生活の質(quality of life;QOL)の向上,と考えることができる.この目的に対して,各患者の排尿障害の状態,上下肢の麻痺の状態,生活スタイル,支援の環境といった複数の要素を踏まえて治療方針を決めていく必要がある.本稿では長期の体調管理を見据える視点から亜急性期の排尿管理,リハビリテーションを中心に概説する.

二分脊椎患者 井川 靖彦
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はじめに

 二分脊椎とは,脊柱管を形成する椎弓の先天的な癒合不全であり,囊胞性二分脊椎と潜在性二分脊椎に分類される.脊髄髄膜瘤を代表とする囊胞性二分脊椎の患児は,その90%以上が神経因性下部尿路機能障害(neurogenic lower urinary tract dysfunction;NLUTD)を来し,腎機能障害や症候性尿路感染を合併しやすいため,新生児期・乳児期からの適切な尿路管理が求められている.一方,潜在性二分脊椎は,単なる椎弓の先天的な癒合不全のみで神経障害を合併しない場合も少なくないが,脊髄脂肪腫とこれに伴う脊髄円錐部低位が確認される場合には,NLUTDを来すリスクが高いため,囊胞性二分脊椎の患児に準じて,NLUTDの評価とそれに基づく尿路管理が必要となる.さらに,潜在性二分脊椎の患者の中には,幼児期〜思春期以降に難治性の下部尿路症状や反復性の尿路感染を契機に初めて発見される場合が少なくない.これらの二分脊椎に伴う下部尿路機能障害患者の尿路管理の目的は,① 腎機能障害の防止,② 尿路感染症の防止,③ 社会的に許容される排尿自立と生活の質(quality of life;QOL)の向上である.

 本稿では,最近発刊された「二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン2017年版」1)の内容に沿って,二分脊椎患者のNLUTDの特徴,診断・治療・ケアの要点,長期的なケア・リハビリテーションについて概説する.

認知症患者 西村 かおる
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はじめに

 認知症とは,「一度正常に達した知能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し,日常生活や社会生活において支障を来すようになった状態をいい,それが意識障害がないときにみられる」1)と定義されている.下部尿路障害が日常生活や社会生活に著しく支障を来すことは認知症の有無に限らないが,特に認知症をもつ方の場合は,自分で処理ができず,介護者や家族に大きな負担となり,深刻化する可能性が高くなる.しかし,下部尿路障害の多くは,改善できる点があるにもかかわらず「認知症のせい」,「年だから仕方ない」とあきらめられていることが多い.本稿では,認知症をもつ方たちの下部尿路障害をきちんとアセスメントし,少しでも改善できることを目指したリハビリテーションについて述べる.

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はじめに

 前立腺癌術後,婦人科がん術後の患者では下部尿路が損傷されることにより畜尿障害や排尿障害が合併症として報告されている.排尿障害は手術前に医師より術後の合併症であることを説明されるが,いざ発生すると患者は「こんなはずではなかった」,「こんなんじゃ退院できない」など退院後の日常生活への不安を訴える.患者に正しい状態,経過を説明しケアしていくことが必要である.近年では,生活の質(quality of life;QOL)を考慮した神経温存手術が行われているが,手術後一過性に排尿障害を合併する.手術による排尿障害の発生を理解し,ケアやリハビリテーションを行っていくことが必要である.

巻頭言

事変に処す 太田 正
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 今年は,戦後72年である.それは,大人として終戦を迎えた人は既に90歳を超えていることを意味する.「90まで生き延びた人は普通の人とは違う」とは感じながらも,戦争体験者の生の声を聞けるのは,もうそう長くはない.と考えて,去年辺りから,たまたま巡り合う90代の患者さんには,意識してインタビューをしている.

 Tさんには,ベッドサイドで単刀直入に,「戦争とは何ですか?」と尋ねた.

入門講座 栄養指標の見方・使い方・1【新連載】

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はじめに

 超高齢社会では活動を高め参加を促す,あるいは生活の質(quality of life;QOL)を高めるといった生活の視点を取り入れた医療が求められる.入院で安静を強いられることなどにより起こる入院関連機能障害の高齢者は低栄養だと日常生活動作(activities of daily living;ADL)は十分に改善しない1).ADL改善のためには,栄養管理を含む総合的なリハビリテーション医療が重要となる.近年,やせやサルコペニアによる嚥下障害の報告も散見されるようになり2,3),より進行した栄養障害では,嚥下障害,寝たきり,認知症などの問題が深刻に現れる.そのため「しっかり食べなさい」という口頭指示だけでは歯が立たず,低栄養を来した理由が何と何なのかを明らかにし嚥下障害や身体活動性,姿勢,歯の状態,食形態や味,それぞれに対応していかねばならない.そこでは多角的な視点をもって介入できるという点でも多職種介入が重要で,それは職種間の「連携」を超えた多職種「協働」の形をとる.

 栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)では栄養療法が有効かどうかを定期的にモニタリングしアセスメントを行う.その際にはいろいろな栄養指標を多職種の共通言語として用いるので,まずは共通用語を理解することが必須である.

 かつて,栄養療法におけるアセスメントは死亡率や罹患率に限定していた.しかし現在では,より包括的に栄養療法の有効性が評価されるようになってきている.例えば臨床転帰として体重や血液検査値,再入院の必要性,感染症発症率などの評価,機能的転帰として身体機能,社会参加,精神心理的健康レベルなどの評価,患者の満足度に関する転帰としてQOLの評価,そして経済的転帰が挙げられる.本稿では臨床転帰のなかでもNSTでよく用いられる栄養評価指標について,その意味や測定方法をまとめる.

実践講座 小児の痙縮治療・4

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はじめに

 機能的(または選択的)脊髄後根切断術(以下,後根切断術)とは,脊髄神経後根を馬尾レベルで切断することにより痙縮を軽減する手術である1-3).脳障害による中枢性抑制機能の低下のため,相対的に過剰となった末梢性興奮刺激を入力路である脊髄神経後根で切断することにより興奮刺激と抑制刺激のバランスを取り戻し,痙縮を軽減する.

 原疾患を問わず痙縮に対する手術効果は認められるが,主に脳性麻痺小児が手術の適応となる.2013年に発行された「脳性麻痺リハビリテーションガイドライン,第2版」では「対象の選択と目的を慎重に考慮すれば,選択的後根切断術は勧められる」と記載されている4).本邦において現代的な手法で実施されるようになって約20年の歴史となる5)

 痙縮発現にはさまざまな誘因が関与するが,後根切断術は末梢からの感覚性刺激入力経路である脊髄神経後根を切断することにより痙縮を軽減しようとするものである.手術操作の対象となるのは感覚神経(後根)のみであり,脊髄神経前根から各末梢神経,筋・腱に至る運動神経には手術操作は及ばない.後根切断術により痙縮は軽減するが,運動機能そのものが改善するわけではない.運動機能改善のためには痙縮減弱後の術後リハビリテーションが重要な役割を果たす.痙直型脳性麻痺小児における運動障害の大きな原因が痙縮および痙縮に由来した骨関節系の異常にあることを考えると,痙縮軽減を得ることのできるこの手術は,治療法として理にかなったものと思われる.

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要旨 【目的】臨床上,利き手受傷の橈骨遠位端骨折患者で,非利き手受傷と比較して早期に手の動きがよくなったと訴える患者を経験することがある.そこで受傷側の違いが作業療法経過,また主観的改善度に影響を与えるか検討した.【対象】2012年7月〜2014年7月に橈骨遠位端骨折と診断され,刈谷豊田総合病院(以下,当院)で観血的整復固定術を行い継続評価が可能だった37例37手.利き手16例,非利き手21例.【方法】上肢障害評価表(Disability of Arm, Shoulder and Hand;DASH),関節可動域(range of motion;ROM),握力健側比を作業療法開始0週,4週,最終時に評価した.作業療法実施期間,また各時期において受傷側による違いで差が生じるか統計解析を実施した.【結果】受傷側の違いで作業療法実施期間に有意差は認められなかった.DASH・握力健側比は作業療法開始から作業療法最終時にかけて改善がみられ,ROMは,上記に比べ早期に改善し,作業療法開始1か月でほぼプラトーに達した.またDASHは,0〜4週の主観的改善度に差があり,利き手が有意に改善した.【考察】DASHの作業療法開始4週以降の改善はROMの改善ではなく,握力健側比の改善が影響していることが示唆された.DASHは日常生活上の困難感を問う特性上,利き手が不自由になると困難感が強く反映されやすい.つまり利き手を受傷した場合は,非利き手受傷より患者が手の動きがよくなったと訴えることが多いと考えた.この結果が,臨床上,早期に手の動きがよくなったと訴える利き手受傷患者を経験する1要因と推察された.

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要旨 【目的】診断群分類(Diagnosis Procedure Combination;DPC)医療機関Ⅱ群病院での病棟専従理学療法士配置による,公立昭和病院版病棟専従日常生活動作(activities of daily living;ADL)維持向上プログラム導入前後の変化を明らかにすること.【対象と方法】2015年12月からADL維持向上等体制加算に準じて,消化器外科,泌尿器科,乳腺・内分泌外科,歯科口腔外科を主診療科とする混合病棟に病棟専従理学療法士1名の配置を開始した.専従群408例と対照群345例で後方視的に比較検討を行った.【結果】専従群で,在院日数短縮を認め,そのほかにもBarthel Index利得,疾患別リハビリテーションの実施率向上と開始までの日数短縮,在宅復帰率向上,転倒転落件数削減に有意差を認めた.【結論】DPC医療機関Ⅱ群病院において病棟専従理学療法士を配置することで,早期リハビリテーションを促し,廃用予防と退院支援の充実化を図り,在院日数短縮と在宅復帰率向上に効果を示した.

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要旨 【目的】大腿骨近位部骨折例の退院時移動能力に関与する要因を,術後早期運動機能を加え明らかにし,術後早期歩行能力の計測により,退院時移動能力の予測精度を検討することである.【対象と方法】対象は手術,理学療法を実施した大腿骨近位部骨折患者115例であった.対象者を退院時移動機能的自立度評価表(Functional Independence Measure;FIM)値6点以上(自立)群,5点以下(非自立)群の2群に分け,年齢,骨折型,術式,術前待機日数,受傷前歩行能力,併存疾患の有無,認知機能低下の有無,運動機能の指標として術後7日目Timed Up and Go test(TUG)の可否を含め比較検討した.また7日目TUG可能例から,7日目TUG値による受信者動作特性(receiver operating characteristic;ROC)曲線を作成しカットオフ値を選出した.【結果】7日目TUGの可否,認知機能が有意な関連要因であり,7日目TUGのカットオフ値は54秒としたときの敏感度78%,特異度64%,陽性的中率0.82,陰性的中率0.59であり,最良点であると判断された.【結語】術後早期の歩行スクリーニングとして修正TUGは簡便かつ安全に実施可能であることから,臨床応用可能であると思われた.

連載 関連職種の資格制度

言語聴覚士 立石 雅子
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 言語聴覚士は,聴覚,言語,認知,摂食嚥下などに問題のある人々が自分らしい生活を送ることができるようコミュニケーションおよび摂食嚥下の観点から支援する専門職である.対象とする年齢は新生児から高齢者まで,そして対象とする障害も聴覚障害から言語発達障害,発声発語障害,失語・高次脳機能障害,摂食嚥下障害と幅広い.近年,言語聴覚療法を取り巻く社会の変化には著しいものがあり,言語聴覚士が業務を行う領域も,医療,介護,福祉,教育といった従来の枠組みで考えるだけでは不十分となっている.たとえば地域リハビリテーションの例にみられるような複数の業務領域にまたがるもの,あるいは他職種との連携がより一層求められる領域など,言語聴覚士が業務を行うべき範囲の拡大に伴い,新しい領域における業務についても常に考える必要がある.

 本稿では,言語聴覚士が取得している他の団体の資格制度について概要を述べ,日本言語聴覚士協会が実施している資格制度について述べることとする.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 山本周五郎(1903〜1967)が昭和37年に発表した『季節のない街』(『山本周五郎全集第14巻』,新潮社)の「街へゆく電車」という章には,市電の運転手になりきって生きている六ちゃんという少年が登場する.

 六ちゃんは,女手一つで天ぷら屋を営む40がらみの母親と二人で暮らしているのだが,六ちゃんの母親の「眼にはあらゆる事物に対する不信と疑惑のいろを湛え,口は蛤のように固くむすばれ」ていた.彼女は無口で,客にも余計な愛想は言わなかったが,それは,「絶えまなしに六ちゃんのことが気にかかり,絶えまなしにおそっさまの御利益や,奇蹟や,効験あらたかな祈祷師の噂などが,そのいくらか茶色っぽいかみの毛を油けなしでひっ詰め髪に結った頭の中で,せめぎあっていた」からであった.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 「結婚」(監督/西谷真一)は,結婚詐欺師・古海(うるみ)健児(ディーン・フジオカ)とその被害者たちの物語.なんといっても全篇に漲るB級的佇まいに魅かれる.それは往年の大映映画の空気感であり,ディーン・フジオカはさながら市川雷蔵である.

 本作は「浜辺の歌」からスタートし,最後の大団円でも「浜辺の歌」が流れる.「二十四の瞳」(監督/木下惠介:1954)でも同曲は2回使われる.1回目は修学旅行の船上.これは途中で切られる.2回目は,ラストのかつての教え子たちによる歓迎会という大団円でフルに使われる.このシーンの役者たちの視線の落とし方を援用したのが本作であり,筆者はそこに作り手の意図を感じた.すなわち,「二十四の瞳」に感涙したであろう母親世代,翻って母親一般への思慕が隠されているとみた.

私の3冊

私の3冊 玉井 創太

学会印象記

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 第54回日本リハビリテーション医学会学術集会が,川崎医療福祉大学学長かつ同大学医療技術学部リハビリテーション学科教授である椿原彰夫大会長のもと2017年6月8日(木)より10日(土)にかけ,岡山駅周辺において開催された.本学術集会は「エビデンスに基づく地域包括ケアシステムの推進」をメインテーマとし,医療福祉,看護,介護,保険,生活支援の統合されたサービス提供のあり方についてエビデンスを提示する契機となることを期待されつつ催された.

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1.重症児の症候性脊柱側弯症に対するDSB(Dynamic Spinal Brace)の試み

 かがわ総合リハビリテーションセンターリハビリテーション部

  十川 秀樹・他

 重症児側弯症10例にDynamic Spinal Brace(DSB)を作整装用し有用性を検討した.評価は,DSBなし,ありの座位画像と臥位画像でCobb角を比較した.また,使用状況の聞き取り調査を行った.座位Cobb角は,DSB時平均15.8°低下.座位のCobb角125°以上の重度変形4例で18°低下し,継続使用例が4名中3名,増悪防止を期待しえた.臥位とDSB座位Cobb角の差は1.5°で,臥位Cobb角が,座位の修正目安と考えられた.使用状況は,4名でモールド型の座位保持装置と併用され,適応について今後の検討となった.

お知らせ

第2回日本安全運転・医療研究会

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文献抄録

次号予告

編集後記
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 アメリカンニューシネマの代表作「真夜中のカーボーイ」のラスト近く.マイアミ行のバスの中で,失禁したダスティンホフマン演じるラッツォ(リコ)がジョー(ジョン・ヴォイド)に「漏らした.びしょびしょだ」と言って泣き出す…….この映画の中で最も印象的なシーンの一つです.

 今月の特集では「排尿ケア」を取り上げました.「排泄」のトラブルは,人間の尊厳にかかわる問題だと思います.トイレに鍵がついているように,そもそも排泄は他人に見られたくない,非常にプライベートな行為です.些細な「おトイレの悩み」でも外出が億劫になったり,気分が憂鬱になります.そんなデリケートな行為を1日に何度も介護者に委ねなければならない気持ち…….そして介護者にとっても排泄ケアは大きな負担です.だからこそリハビリテーションなどによって排泄のトラブルを解決あるいは軽減することはQOLの飛躍的な改善につながるのではないでしょうか.

基本情報

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総合リハビリテーション
45巻10号 (2017年10月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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