Japanese
English
特集 排尿ケアとリハビリテーション
脊髄損傷患者
Spinal cord injury bladder management
緒方 徹
1
,
鈴木 常貴
1,2
Toru Ogata
1
,
Tsuneki Suzuki
1,2
1国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション科
2元かじ診療クリニック
1Department of Rehabilitation, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
2Motokagi Clinic
キーワード:
清潔間欠導尿
,
上部尿路障害
,
排尿筋過活動
Keyword:
清潔間欠導尿
,
上部尿路障害
,
排尿筋過活動
pp.999-1003
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201114
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はじめに
脊髄損傷は外傷を主とする脊髄神経の損傷により,損傷部より遠位の運動感覚麻痺が出現する疾患である.ともすると上下肢の運動感覚麻痺ばかりに目が行きがちであるが,慢性期の脊髄損傷者にとって膀胱直腸障害の管理は生活リズムの維持と,合併症の予防の面できわめて重要な要素であることを忘れてはならない.実際,慢性期での外来通院先として最も頻度が高いのが泌尿器科ともいわれている.脊髄損傷における排尿管理の目的は,① 尿失禁や頻尿のコントロール,② 尿路感染のケア,③ 腎機能の保持,④ 患者の生活の質(quality of life;QOL)の向上,と考えることができる.この目的に対して,各患者の排尿障害の状態,上下肢の麻痺の状態,生活スタイル,支援の環境といった複数の要素を踏まえて治療方針を決めていく必要がある.本稿では長期の体調管理を見据える視点から亜急性期の排尿管理,リハビリテーションを中心に概説する.
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