総合リハビリテーション 25巻12号 (1997年12月)

特集 脳血管障害者と地域生活

今月のハイライト
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 この特集では,地域で生活する維持期の脳血管障害者が,病院で得た能力を維持しながら,健康的に,また地域との関わりを保ちながら生活するにあたり,その留意点,利用すべき事項などを取り上げました.

脳血管障害者の健康管理 佐渡島 省三
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はじめに

 日本人の平均寿命は延び続けている.「国民衛生の動向,1996年1)」によれば,昭和10,11年が男46.9歳,女49.6歳であったものが,昭和22年にはそれぞれ50.1歳,54.0歳と50歳を越え,昭和26年にはいずれも60歳以上となり,昭和46年には70歳へと延長した.平成8年(1996年)には男77.0歳,女83.6歳である.1991年の米国では,男72.3歳,女79.1歳と,男女ともわが国で4歳近く寿命は長い.その要因として,①幼小児の,とくに感染症による死亡の低下,とともに,②健康診断などによる疾患の早期発見,早期治療の普及,③70歳以上の死亡率の改善,④とくに脳血管障害の死亡率の著明な低下などがあげられよう.

 近年,脳血管障害の軽症化が言われるようになった.しかし実際には,発症率の減少は最近横ばいとなっていて,軽症化に伴う生存率の上昇がみられる.このことから受療率の上昇はもとより,後遺症による社会復帰の困難さは相変わらずであること,痴呆患者の増加など,きわめて大きな問題が浮上してきている.脳血管障害はその予防が第一であるが,一旦発症し,後遺症に悩む患者の健康管理については十分な指針がないのが現況であろう.

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はじめに

 平成9年度の厚生白書で「生活習慣病(Life style related disease)」という新しい呼称が「成人病」に代わって用いられるようになった.がんや心臓病とともに脳血管疾患もそのうちのひとつに数えられ,それは,その発症に生活習慣,すなわちライフスタイルが深く関わっていることに基づいている1)

 わが国の脳血管疾患全体の死亡率は1965年をピークに,以後,年々減少してきた.これは脳出血による死亡率の減少によるところが大きいが,脳梗塞はここ数年横這い,くも膜下出血にいたっては徐々に死亡率は上昇している2).患者の数とては,受療率からみると年々増加を続け,'90,'93年の調査では高率のまま推移している3)(図).また種々,さまざまな程度の機能障害を残すことがこの疾患の特殊性であり,大きな問題であるが,厚生省の在宅の18歳以上を対象とした抽出調査による平成3年障害者実態調査では,肢体不自由155.3万人のうち,脳血管疾患によるものは32.5万人と推計されている4).一方,たび重なる診療報酬の改定により,長期の入院によるリハビリテーション医療が施行されにくくなったため,ますます「在宅」の脳血管障害患者のフォローが重要課題となってきた5)

 もともとライフスタイルが発症に深く関わっている脳血管疾患であるが,今回は,発症後の機能維持や活動性のある生活を送るという視点から,在宅の脳血管障害患者の「ライフスタイル」を考えてみたい.

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はじめに

 昨日まで元気であった家族構成員が,脳血管障害(以下,CVA)によって入院した時,後遺症が残存することなく治療が終了すれば問題は生じないが,後遺症が残存する場合,本人(患者)ばかりか家族にも大きな変化が生じるために,家族援助も重要な課題となる.

 そこで,①医療と福祉事情,②家族不安,③家族役割,④障害受容,⑤介護意欲などを中心に,表1で示すソーシャルワーク活動(以下,SW活動)との接点を考察してみたい.

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はじめに

 近年の健康指向に伴い,高齢者の健康・生きがいづくりを目的としたスポーツ・レクリエーション活動への関心が高まっている.このようなスポーツ・レクリエーション活動の目標は,「生涯スポーツの獲得と定着」と考えられる.これは,脳血管障害者を対象とした場合も全く同様で,機能改善の期待やQOL向上といった面からも,生涯にわたって継続できるスポーツ・レクリエーションを見つけ,実践することは大変意義深い.しかし,脳血管障害者のリハビリテーション過程との関連を考えると,患者としての受動的な立場で,かつADLレベルの機能訓練しか受けていない障害者にとって,その後の地域生活のなかで,自立した個人として主体的に生涯スポーツ活動に参加するためには,多くの課題があると考えられる.

 本稿では,脳血管障害者の「生涯スポーツ」を定着させるために考えられる課題を挙げ,それに対するプログラムの考え方や,指導上の留意点についてまとめると同時に,今後の展望について論じたい.

地域ネットワーク 長谷川 幹
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はじめに

 脳血管障害者が地域で生活していくには,「こんな体になってみじめ」などという思いや,段差の障壁などハードルをいくつも越えなければならない.また,「中途」障害のため,脳血管障害者は病前の生活のイメージが鮮明に残っており,病前の状態を基準にして現在の状態を比較し,「まだよくなっていない」と考え,「もっとよくなりたい」という機能面の改善に目が向き,障害を抱えながら新たな生活を再構築する方向に向くのが困難になる.

 このように,脳血管障害者はさまざまな問題を抱えながら生活していくことになるので,保健・医療・福祉だけでなく,障害者・家族,そして地域住民など,さまざまな連携による支援が必要と考える.

 地域ネットワークに関する机上の話では,「どうすればつくれるか,どうすればうまく機能するのか」などの議論になりやすく,「ネットワーク」が「目的」になりかねない.しかし,地域ネットワークはあくまでも障害者が地域で充実した生活を送るための「手段」であり,このことを常に念頭におくことが重要である.そのためにも,障害者が地域で生活するうえで何が問題であるのかを明らかにする必要がある.

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 ST(スピーチセラピスト)とは,ことばによるコミュニケーションに障害を持つ人々に対して言語聴覚機能の発達と回復を援助するための専門家である.日本ではこれまでSTの国家資格が制定されておらず,その名称も,言語治療士,言語療法士,言語聴覚士,聴能言語士などと,職場や立場によってさまざまであった.専門職に資格制度がないための弊害は多いが,なかでもST数の不足は深刻な問題である.医療・福祉の現場で働くST数が約3,000人という現在,コミュニケーション障害があるにもかかわらずSTの適切なサービスを受けられない患者の数が決して少なくないのは,容易に想像できよう.

 日本にSTという専門職が誕生したのは,1960年頃である.それからほぼ40年経っても国家資格ができなかった背景には,日本特有の社会文化的要素をはじめ,数種類の原因の存在が考えられる.職場や業務内容が微妙に異なる状況で働くSTの間に資格制度に関する意見の不統一があったことも大きな原因であった.その間に,援助体制の不備のために最も被害を受けたのは障害者である.この事実に対して,私をはじめST業務に就いている者たちは,自分達の努力不足を深く恥じてきた.

講座 理学療法の理論

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はじめに

 リハビリテーション医学の分野でよく話題になる「神経生理学的アプローチneurophysiological approaches」は,「神経生理学的な法則を利用した治療的手技」として知られている1,2).わが国では,「ファシリテーション・テクニックfacilitation techniques」や「神経筋再教育neuromuscular reeducation」という用語がほぼ同義語として用いられている.これらの用語は「促通による中枢性麻痺の回復」を強調する響きが強いが,実際の内容は促通に加えて,抑制や姿勢反射への影響をも含んでいる.また,中枢神経の異常のみでなく,末梢神経障害や廃用性筋萎縮などにも応用されている.

 神経生理学的アプローチとして用いられている治療的手技は,そのすべてが神経生理学的に解明されているわけではない.また,各手技が説明されている機序に則っているかどうかも疑わしい.さらに,治療の適応となる疾患・病態や治療の目的に関しても理路整然とされているとは言い難い.神経生理学的アプローチは理論的背景が理解しにくいばかりでなく,その手技の修得が容易でないこと,講習会などが礼賛的であること,他の治療法を排他的に扱う傾向があること(流派の形成),治療効果が確実には示されていないことなどから,その遂行に関しては批判的な医療従事者が少なくない3).特に,1980年代から米国医療に経済効率の概念が導入され,リハビリテーション医療の内容が機能障害レベルにおける改善よりも,日常生活動作activities of daily living(ADL)をはじめとする能力障害レベルでの向上を目的としたアプローチに重点が置かれるようになったことも影響している.神経生理学的アプローチに固執することによって医療経済効率は確かに悪くなるが,中枢性麻痺の回復は絶対的に得られないと断言することには疑問が感じられる.

 臨床的に経験されることであるが,共同運動レベルの脳血管障害患者に手関節背屈筋の反復的な叩打tappingを行うと,即時的に随意的な背屈が可能となる場合がある.効果の持続性は少ないが,特に難しい手技は必要とせず,誰にでも遂行可能である.また,症状固定と判断された脳血管障害患者において,上肢機能が1~2年の経過で徐々に改善する例に遭遇することがあり,このような例は上肢挙上の自己訓練を毎日欠かさずに遂行した場合である.すなわち,神経生理学的アプローチが全て無駄であるというわけではなく,将来的な医学の発展を考慮すると,その理論を追求することには何らかの意味があると考えられる.

 本稿では,過去に報告された種々の神経生理学的アプローチについて,是非はともかくとして,その理論の一端をできる限りわかり易く概説したい.

実践講座 リハビリテーションにおける臨床心理学的アプローチ

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はじめに

 精神遅滞児・者に行動変容法を適用する場合,相談内容から直ちに目標行動を決めるわけではない.対象者の環境と全体像の把握が不可欠である.

 ここでは,まず,行動変容法の理論的背景や一般的手続きの概略を述べた後に,4症例について,具体的にどのように進めていくかを紹介する.

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はじめに

 乳幼児期のきょうだい関係の特性は,多くの場合に老年期まで持続する重要なものであると報告されている1).これは,障害や慢性疾患のある子どもの場合にもあてはまるであろう.また,これまで入院児の同胞に関する調査は数多く行われてきている2-5).しかし,外来通院中の慢性疾患患児のきょうだい関係,なかでも同胞を対象とした研究は,数少ない現状である6,7).そして,これらの報告は,きょうだい関係は必ずしも悪いものではなく,きょうだい関係の善し悪しを決めるのは,患児の年齢,性別などよりも両親のえこひいき,家族の受け入れなどの要因が重要である,とされている.

 ところで,子どもの出生順位と親の養育態度に関する研究は従来から行われてきている.しかし,慢性疾患患児の親の態度がきょうだい関係にどのように関与しているのかという観点からの,本邦における調査は数少ない.日本の母親の養育態度や行動は,病気をもつ子どものきょうだい関係に,どのように関連しているのであろうか.また,きょうだい関係をよくする要因として,具体的にどのようなものが関与しているのだろうか.本調査の目的は,疾患をもつ子どもの母親の養育態度ときょうだいとの関係を母親の自己概念の観点から明らかにし,今後の患児,同胞,家族への療育・看護支援に資することである.

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はじめに

 最近の医学の発達とともに,いくつもの重複した重度の障害をもちながら生活する障害者が増えてきている.高齢者脳卒中患者にとって,片麻痺が重度であれば,歩行移動能力が自立することは困難と思われる1)が,加えて健側切断などの重複障害がある例にとっては,一層,自立の困難性は想像にたがわない2)

 われわれは左半側無視を伴う高齢重度左片麻痺と右前腕切断の重複障害例に対し,その短下肢装具とソケット付き杖を工夫することで,その装着を自立させることができ,QOL拡大につながった症例を経験したので,その工夫の内容を含め報告する.

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はじめに

 リハビリテーション病院や施設が活発なリハビリテーション活動を続けるためには,単に臨床を行うのみならず,治療法の善し悪しの検討や基礎的研究を行い,得られた知識の普及に努める姿勢が必要と思われる.従来,知識の普及目的には,研修会の開催,機関誌の発行などが行われてきた1)

 近年のインターネットの発展には目を見張るものがある.企業がこぞってホームページを作成し,インターネット上での商取引や,電子メールが普及してきている.病院からの発信にもインターネットを活用したくなるところである.しかし,インターネットは誰が見ているか分からない不特定多数に対する発信であるため,リハビリテーション病院や施設における有用性は不明である.そこで,リハビリテーション病院ホームページに対するアクセス(閲覧)状況を調査したので報告する.

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はじめに

 精神遅滞は,アメリカ精神遅滞協会(AAMR)の「精神遅滞の分類」による概念規定によって,「全般的知的機能が有意に平均より低く,同時に適応行動の障害を伴っており,かつ発達期中に現れるものを指す」と定義されている1).この概念規定は,「精神障害の診断と統計マニュアル・第3版」(DSM-Ⅲ),およびその改訂版(DSM-Ⅲ-R)においても同様である2).このような概念的背景から,精神遅滞者に対する自立指標として,知能指数の分類を基礎とする適応行動の評定がなされている3)

 近年,ノーマライゼーション思想を背景に,精神遅滞成人が地域生活において独立した豊かな生活を営むための積極的な啓発活動が展開4)されてきていることから,自立指標としての適応行動尺度の有用性はさらに定着されるものと想定される.ただし,適応行動の測定方法には,その構造の概念整理の不十分さや,信頼性および妥当性に問題点を有していることが指摘されている5).したがって,精神遅滞成人の適応行動の構造的な特徴,ならびに,その関連要因を明らかにすることは重要な課題と言えよう.

 そこで,本研究においては,精神遅滞成人の地域生活援助指針を得ることをねらいとし,東京都心身障害者福祉センターを利用した精神遅滞成人を対象に,彼らの適応行動に関する構造的な特徴,および,その属性との関連性について検討することを目的とした.

一頁講座 リハビリテーション関連用語

体力 田川 豪太
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 体力という用語はあまりにも日常的に用いられており,それだけにこれを定義することは厄介である.DRホウスタッター氏が,1980年度ピュリッツァー賞を受賞した名著「ゲーデル・エッシャー・バッハ」(野崎昭弘・他(訳),白揚社)に以下のような興味深い記述がある.「われわれが使うどんな言葉にも意味があり,その使いかたをわれわれに示してくれる.よく使われる言葉であればあるほど,より多くの連想を伴っていて,その意味はより深いところに根ざしている.だから,誰かがよく使われる言葉に定義を与えて,われわれがその定義に従うことを期待するとき,われわれがそれに従わず,そのかわりに心に浮かぶ連想に,たいていは無意識のうちに従うであろうことがみえすいている.」このことからも体力という用語(言葉)の定義に困難が伴うことは明らかであろう.

 しかしながら,過去に多くの研究者が体力の定義を試みてきた.ここでは,その変遷を概観しながら,現状での理解を深めるとともに,リハビリテーション分野における体力についても若干触れてみたい.なお,本文中では一般的慣例に基づき,英語のPhysical Fitnessを体力と同義として扱うこととする.

脳血管障害 True or False

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 脳卒中片麻痺患者の上肢の合併症の一つとして,麻痺側肩関節亜脱臼があげられる.その合併頻度は片麻痺を有する脳卒中患者の36~50%と報告されている1,2).肩関節亜脱臼と麻痺肩疼痛の関係は明らかではないが,著しい亜脱臼を伴う患者では,肩手症候群を合併したり,重度の感覚障害や運動麻痺を伴うことが多く,さらに長期化すれば腕神経叢麻痺を引き起こす可能性もあり3),予防が重要である.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 障害の受容を妨げる要因の一つに,障害者自身や家族の偏見という問題力がある.障害に対する誤解や偏見に満ちた社会のなかで暮らしている本人や家族は,しばしば,自らも障害に対する誤解や偏見を共有しているため,いざ自分が当事者になった時の混乱や絶望が大きいのである.しかし,1950年に発表されたパール・バックの『母よ嘆くなかれ』(伊藤隆二訳,法政大学出版局)には,当事者がそうした先入観を乗り越えて,自らの運命を受け入れていく過程が描かれている.

 米国の宣教師の家に生まれたパール・バックは,元々「愚かなことや,のろまなことを黙って見ていられない性質」だった.しかし,精神遅滞の娘を養育する過程で,パール・バックは「娘の魂もまた,その魂として最大限に成長する権利をもって」おり,「人間の精神はすべて尊敬に値すること」を知る.彼女は,「人はすべて人間として平等であること,また人はみな人間として同じ権利をもっていることをはっきり教えてくれたのは,他ならぬわたしの娘でした.(中略)もしわたしがこのことを学ぶ機会を得られなかったならば,わたしはきっと自分より能力の低い人に我慢できない,あの傲慢な態度をもちつづけていたにちがいありません」と語るのである.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 映画だけでなく,テレビドラマやドキュメンタリーを含め,映像媒体は障害者にとって追い風になっている.ただし,精神障害者は除いてだ.

 精神障害者には,サイコパス映画といったやっかいなジャンルが立ちはだかっている.精神障害とサイコパスは同一ではないが,どれほどの人達がそのような認識をもってサイコパス映画を観ているだろうか.精神障害とサイコパスを混同し,“精神障害者は怖い”というイメージを勝手に作りあげている可能性大なのだ.

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 1.コミュニケーション障害のある早期リハビリテーション対象患者の言語症状の特徴と経過

  七沢リハビリテーション病院脳血管センター言語科 高橋 正

 急性期あるいは早期の脳血管障害事例のコミュニケーション障害(失語,運動性構音障害)について検討した.

 1.早期リハビリテーション病棟における言語障害の諸相:1)過去10年間の当院早期リハビリテーション病棟入院患者の失語の出現率は19.5%,構音障害は8.9%であった.失語の53.2%は重度失語,構音障害は軽度障害が大半であった.言語訓練対象者の70%が失語,30%が構音障害である.対象者の平均年齢は59.6歳,男女比は3:1で男性が多い.2)病因別に失語の重症度別出現率を算出した.重度失語は脳梗塞に多く,軽度失語は脳出血に多かった.

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 フォコメリアはサリドマイド胎芽病の一つである.西ドイツのレンツが1961年11月に最初にサリドマイド服用との関連を「警告」し,さらに,豪州のマクブライドが催奇形性の最初の英語の報告をした.1961年11月27日に西ドイツではサリドマイドの販売中止と回収を開始したが,わが国では1962年9月に回収に踏み切ったものの,完了したのは1963年末頃であった.そのためわが国ではドイツに次いで世界で二番目に多くサリドマイド胎芽病患者を生んでしまった.さらに残念なことに,この教訓をHIV感染防止に役立てることはできなかった……と,栢森良二氏は「サリドマイド物語」のなかで述べている.

 著者はリハビリテーション医学の専門医であり,電気生理学のエキスパートとして有名であるが,サリドマイド胎芽病の専門家であることは案外知られていない.帝京大学医学部の有志で,長年,全国のサリドマイド児の健康管理を行っており,著者もその主要なメンバーである.

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文献抄録

編集後記
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 ・五十路に片足突っ込むような歳になると体のあちこちにガタがくる.検査をしたら最近話題のピロリ菌がうようよ,治験中の除菌治療をしないかと言われ,ただならいいかとやってみた.効を奏してか胃袋がきわめて快調,第32回理学療法全国研修会新潟出張で大好物のイクラの醤油漬けをバンバン食べて,帰ってきたら足がいたい.皮膚科に駆け込んだら「虫にでもさされたんでしょう,そのうち治りますよ」というのでほっといたが,痛みはひどくなるばかり.

基本情報

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総合リハビリテーション
25巻12号 (1997年12月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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