Japanese
English
特集 脳血管障害者と地域生活
在宅脳血管障害者のライフスタイル―機能の維持と活動性のある生活を送るために
Life Style and Functional Status in Stroke.
筒井 由香
1
,
蜂須賀 研二
2
,
緒方 甫
2
Yuka Tsutsui
1
,
Kenji Hachisuka
2
,
Hajime Ogata
2
1産業医科大学公衆衛生学教室
2産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Preventive Medicine and Community Health, University of Occupational and Environmental Health
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
在宅脳血管障害者
,
ライフスタイル
,
the Frenchay Activities Index
,
男女差
Keyword:
在宅脳血管障害者
,
ライフスタイル
,
the Frenchay Activities Index
,
男女差
pp.1333-1338
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108542
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
平成9年度の厚生白書で「生活習慣病(Life style related disease)」という新しい呼称が「成人病」に代わって用いられるようになった.がんや心臓病とともに脳血管疾患もそのうちのひとつに数えられ,それは,その発症に生活習慣,すなわちライフスタイルが深く関わっていることに基づいている1).
わが国の脳血管疾患全体の死亡率は1965年をピークに,以後,年々減少してきた.これは脳出血による死亡率の減少によるところが大きいが,脳梗塞はここ数年横這い,くも膜下出血にいたっては徐々に死亡率は上昇している2).患者の数とては,受療率からみると年々増加を続け,'90,'93年の調査では高率のまま推移している3)(図).また種々,さまざまな程度の機能障害を残すことがこの疾患の特殊性であり,大きな問題であるが,厚生省の在宅の18歳以上を対象とした抽出調査による平成3年障害者実態調査では,肢体不自由155.3万人のうち,脳血管疾患によるものは32.5万人と推計されている4).一方,たび重なる診療報酬の改定により,長期の入院によるリハビリテーション医療が施行されにくくなったため,ますます「在宅」の脳血管障害患者のフォローが重要課題となってきた5).
もともとライフスタイルが発症に深く関わっている脳血管疾患であるが,今回は,発症後の機能維持や活動性のある生活を送るという視点から,在宅の脳血管障害患者の「ライフスタイル」を考えてみたい.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.