Japanese
English
研究と報告
慢性疾患患児の同胞と患児との関係―母親の自己概念との関係から
Sibling Relationship of Children with Chronic Illness and their Mothers' Self-perception.
堀内 美里
1
,
上田 礼子
1
,
大川 洋二
2
,
下平 雅之
2
,
税所 純敬
2
Misato Horiuchi
1
,
Reiko Ueda
1
,
Hiroji Ohkawa
2
,
Masayuki Shimohira
2
,
Sumitaka Saisho
2
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
2東京医科歯科大学医学部小児科
1School of Allied Health Sciences, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Pediatrics, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
慢性疾患
,
母親教育
,
自己概念
Keyword:
慢性疾患
,
母親教育
,
自己概念
pp.1373-1376
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108549
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はじめに
乳幼児期のきょうだい関係の特性は,多くの場合に老年期まで持続する重要なものであると報告されている1).これは,障害や慢性疾患のある子どもの場合にもあてはまるであろう.また,これまで入院児の同胞に関する調査は数多く行われてきている2-5).しかし,外来通院中の慢性疾患患児のきょうだい関係,なかでも同胞を対象とした研究は,数少ない現状である6,7).そして,これらの報告は,きょうだい関係は必ずしも悪いものではなく,きょうだい関係の善し悪しを決めるのは,患児の年齢,性別などよりも両親のえこひいき,家族の受け入れなどの要因が重要である,とされている.
ところで,子どもの出生順位と親の養育態度に関する研究は従来から行われてきている.しかし,慢性疾患患児の親の態度がきょうだい関係にどのように関与しているのかという観点からの,本邦における調査は数少ない.日本の母親の養育態度や行動は,病気をもつ子どものきょうだい関係に,どのように関連しているのであろうか.また,きょうだい関係をよくする要因として,具体的にどのようなものが関与しているのだろうか.本調査の目的は,疾患をもつ子どもの母親の養育態度ときょうだいとの関係を母親の自己概念の観点から明らかにし,今後の患児,同胞,家族への療育・看護支援に資することである.
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