Japanese
English
特集 脳血管障害者と地域生活
脳血管障害者の健康管理
Health Care and Rehabilitation for Cerebrovascular Disease.
佐渡島 省三
1
Seizo Sadoshima
1
1新日鐵八幡記念病院
1Shin-nittetsu Yawata Memorial Hospital
キーワード:
脳出血
,
脳梗塞
,
高血圧
,
アルコール
Keyword:
脳出血
,
脳梗塞
,
高血圧
,
アルコール
pp.1327-1332
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108541
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はじめに
日本人の平均寿命は延び続けている.「国民衛生の動向,1996年1)」によれば,昭和10,11年が男46.9歳,女49.6歳であったものが,昭和22年にはそれぞれ50.1歳,54.0歳と50歳を越え,昭和26年にはいずれも60歳以上となり,昭和46年には70歳へと延長した.平成8年(1996年)には男77.0歳,女83.6歳である.1991年の米国では,男72.3歳,女79.1歳と,男女ともわが国で4歳近く寿命は長い.その要因として,①幼小児の,とくに感染症による死亡の低下,とともに,②健康診断などによる疾患の早期発見,早期治療の普及,③70歳以上の死亡率の改善,④とくに脳血管障害の死亡率の著明な低下などがあげられよう.
近年,脳血管障害の軽症化が言われるようになった.しかし実際には,発症率の減少は最近横ばいとなっていて,軽症化に伴う生存率の上昇がみられる.このことから受療率の上昇はもとより,後遺症による社会復帰の困難さは相変わらずであること,痴呆患者の増加など,きわめて大きな問題が浮上してきている.脳血管障害はその予防が第一であるが,一旦発症し,後遺症に悩む患者の健康管理については十分な指針がないのが現況であろう.
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