臨床眼科 33巻6号 (1979年6月)

特集 第32回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

学会原著

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緒 言

 ベーチェット病における硝子体病変としては硝子体混濁,後部硝子体剥離が想起され,末期では網膜を牽引する程の線維化を生じ,網膜剥離を併発したり,硝子体そのものが消失する高度の変化を示す報告もある1)

 これらの硝子体病変の網膜血管病変に対する影響についてはいまだ検討されたことがなく,さらに硝子体病変についての多数例での臨床的検索はなされていない。

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緒 言

 あらゆる疾病において自然治癒が期待できない場合には副作用の最も少ない薬物療法が望ましく,さらに疾病の予防法を確立することが最も重要であることはいうまでもない。特に未熟児網膜症のごとく,早期発見が比較的容易であり,また,全身状態からその発生や重症化が予想できる場合には,早期治療,予防の可能性を見出すための研究が行なわれるのが当然であろう。

 OwcnsとOwcns1)は,初めてビタミンEを投与して本症の発生予防と進行の停止に有効であると報告したが,KinseyとChisholm2)により予防,治療いずれの効果も否定された。Reeseら3)もビタミンEを無効とし,ACTHが血管性増殖を阻止するために本症の治療に有効であると発表した。しかし,翌年にはさらに症例を追加した結果,ACTHには認むべき効果はないと自ら否定した4)。副腎皮質ホルモンは,PérierとParent5)が初めて使用し,わが国でも松本6)らによつて追試された。その後,全身投与以外に結膜下注射や球後注射も行なわれているが,副作用に優る程の効果は確認されず,次第に使用されなくなつている。1968年永田ら7)が光凝固法による治療を開発したことは,少なくとも活動期重症例に対しては画期的な進歩であり,治療法の焦点はこの方面に向けられた。

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緒 言

 視覚形成前に起こる高度近視,ことに片眼性高度近視は,不同視弱視との関係と病的近視(変性近視)の研究の面から検討を要する眼疾といえる。

 乳幼児期に起こる片眼高度近視には,他の眼疾に随伴する場合がある。例えば,瘢痕性未熟児網膜症,網膜有髄神経線維,牛眼などにみられる近視がそうである。

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緒 言

 仮性斜視を起す原因はいろいろある。たとえば黄斑偏位があれば,終生治ることのない仮性斜視をおこす。日常私共が最もしばしば遭遇するのは子供の仮性内斜視である。子供が仮性内斜視になりやすい原因は,子供は鼻骨が低く,両内皆間の間隔が広くなつてEpicanthusを作りやすく,そのため瞼裂部の鼻側強膜露出部の面積が狭くなつて,内斜視に見えやすくなると言われていた1)。そして成長と共に鼻骨が隆起し,内皆部の皮膚を牽引することにより瞼裂の内皆部側が広くなり,大人になれば治ると言われていた。

 私共は子供の眼と大人の眼を計測によつて解析した結果,従来の考え方は子供の仮性内斜視の原因の一部分をなしているかも知れないが,主な原因は子供は瞳孔中心間の距離が顔や瞼裂の大きさに比較して短かく,そのため内斜に見えやすいが,成長と共に眼球が成長のProportion以上に外方に移動して正位にみえてくることにあるという結果を得た。

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緒 言

 従来,開放隅角緑内障の中心窩視機能については,比較的末期まで保たれるといわれてきた。しかし環1)は開放隅角緑内障の中心窩における感度持続時間曲線を測定し,初期より中心窩視機能が障害されていることを明らかにした。

 今回,われわれは開放隅角緑内障の中心窩視機能を臨床的に知る目的で,明所視力の良好な本症患者の夜間視力を測定した。夜間視力検査とは,高輝度下にある眼が突然薄明状態に入つた時,可及的速やかに対象物を視認するには,どの程度の時間でどのように視力が回復するかを検出するとともに,薄明順応中の低照度視力も同時に測定するものである。

二重15色相配列検査器の考案 韓 天錫
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緒 言

 1973年学校保健法が一部改正されてから,日本の各学校には色覚異常程度表が必要になつた。従来の程度表は程度判定の基準が相異なるため,検査成績も少しずつ異なつて一致しないことが多く,今や試視力表のように色覚異常程度区分に関する,国際的基準の制定とそれに基づく標準色覚検査表が必要になつてきた。

 わが韓国では試視力表と色覚検査表とは医療用具に指定され,薬事法により保健社会部の製造許可がなれけば製造できない。許可条件として国立保健研究院における基準ならびに試験方法検討に合格することと,専属の印刷工場で直接印刷することが必要である。この点日本のように出版物として扱われ一般の印刷所で印刷できるのと異なつている。しかし1977年12月製造施設に関する薬事法改正法案が国会を通過し,1978年9月1日から保健社会部の認定を受けた印刷所で,印刷できるようになつた。

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緒言

 瞳孔−調節系は,視機能の一要素として,単に視覚系にのみ関与するのではなく,全身異常における重大なneurological signとして,また,視機能運営の調整機構として重要な役割を果すと考えられる。前者については,前報1)にて,二,三の疾患における調節,瞳孔反応の統合的機能の眼異常の診断的意義について報告した。本報告では,後者について検討を試みた。瞳孔の眼圧調整に対する意義あるいは緑内障発症との関連については,日常の臨床経験の上から十分考えられるところであり,調節機能については,鈴村2)は,調節機能が眼圧調整機構として重要であることを述べ,瞳孔運動もこれに関与することを報告している。

 これらの点から,瞳孔−調節の統合的機能が眼圧調整機構として,積極的に参画するか否か,およびその価値について明らかにし瞳孔−調節の統合的機能としての視機能運営への意義の一端を明らかにしたい。

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緒 言

 Friedman1)がseminonaやdysgerminomaの形態を示す腫瘍に対し,発症部位にかかわらず,germinomaと名付けることを提唱して以来,組織学的に種々の検討が加えられ,最近では異所性松果体腫に対し,suprasellar germinomaの診断名が一般化している2)。Suprasellar germinomaは欧米では稀な疾患とされ,眼科領域における報告は極めて少ない3,4)。今回われわれはトルコ鞍上部の腫瘍で,組織学的にgerminomaと診断された12症例の眼症状について,臨床病理的に検討したので報告する。

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緒 言

 糖尿病患者の瞳孔異常については,現在まで幾つかの報告がなされている。近年における代表的なものを表1に示すが,いずれも網膜症との因果関係について詳しく研究された報告は無い。著者らの一人林は,2年前に双眼電子瞳孔計を利用して,糖尿病患者における瞳孔のメタコリン感受性が正常者コントロールにくらべて,有意に高いことを報告し,さらにそのメタコリン反応は網膜症の重症度にある程度,相関することを示した。

 今回は,あらたに交感神経系剤について同様の検討を行なうとともに,副交感・交感神経系各種薬剤点眼時における対光反応因子と網膜症との因果関係について検討し,若干の知見を得たので報告する。

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緒 言

 日常の診療にあたり眼痛,頭痛等の眼精疲労様症状を訴える人達の中で,屈折異常以外に眼科的に特記すべき病的所見がなく,屈折異常を矯正しても眼精疲労様症状がとれない一群の患者が認められる。これらの者に対し上眼窩部にある三叉神経の分枝の圧痛点を圧迫すると圧痛があり,なかんずく圧痛の左右差の明らかなる人,圧痛点を圧迫すると,その痛みのため頭を後方ないしは側方にそらす人または自発痛のある人達を耳鼻科に紹介し,鼻科的疾患の有無につき検討したところ,鼻,副鼻腔疾患が意外に多く認められ,かつ耳鼻科的治療により,症状の軽快消失する人のいることを経験的に知つたので,1975年より1977年の3年間前述の条件の適合する患者を意図的に耳鼻科に紹介し,鼻,副鼻腔疾患の有無,種類,患者の年齢分布,耳鼻的治療による効果等を検討したので,ここにその成績を報告する。

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緒 言

 眼球突出,視力障害は気づかれやすい症状であり,まず眼科を受診することが多い。これらの症状を呈する疾患のなかには,解剖学的に眼窩あるいは視神経と近接し,比較的薄い骨壁で隔てられている副鼻腔における病変がその原因となつているものが少なくない。

 眼球突出あるいは球後視神経炎をきたし,その原因が副鼻腔疾患に基づくものであつた症例を,本院開院以来現在までの約1年半の間に13例経験した。術後確定された診断は,副鼻腔嚢腫が11例であつた。嚢腫には,副鼻腔内に粘液の貯留したムコツェーレ(粘液嚢腫)と膿汁の貯留したピオツェーレ(膿嚢腫)とがあるが,両者は治療の上で特に異なつた処置を必要としないため,両者を区別せず一括して嚢腫としてまとめた。既に深道ら1,2)をはじめとして,眼症状を呈した副鼻腔嚢腫の報告が多くなされているが,今回のわれわれの経験からも,かなり高頻度にみられるものと思われる。以上の13症例について,眼症状とX線所見等を中心にしてその診断および経過について報告する。

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緒 言

 網膜芽細胞腫眼に,vitreous seedsの観察されることがあるが,このような症例では,広範囲にわたる腫瘍の浸潤と共に,予後の非常に不良であることが指摘されている1)。病理学的には,網膜芽細胞腫のvitreous seedsは壊死細胞であること2,3)がわかつている以外には,特別の所見は報告されていない。

 本編では,vitreous secdsを呈した網膜芽細胞腫の臨床像を分析し,かつ,vitreous seedsの光学顕微鏡所見,電子顕微鏡所見について記載し,これらの意義について論ずる。

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緒 言

 細膜芽細胞腫Rctinoblastomaは小児こ発生する悪性腫瘍として一般に広く知られている。Duke-Elder1)によれば,網膜芽細胞腫と診断される年齢は2歳が一番多く,4歳より急激に網膜芽細胞腫の発症は減少し,さらに7歳以後の発症は例外的であるとされている。したがつて私たち眼科医は小児の診察に際しては本症の可能性を絶えず考慮しなれけばならない。一方,成人に発生する網膜芽細胞腫はきわめてまれとされ,そのため成人の場合,本疾患を考慮することはほとんどない。現在までに成人に発生した網膜芽細胞腫の報告例は少なく,10数例を数えるのみであり,頭蓋内に転移し死亡した報告はない。今回私たちは頭蓋内,脊髄に転移し死亡した成人の網膜芽細胞腫の1例を経験したので報告する。

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緒 言

 Adenoid cystic carcinoma (以下ACCと略)は上皮性涙腺腫瘍の中ではpleomorphic adenomaについで多いとされるが,実際には稀なものであり,本邦でも数例の報告1〜4)をみるがそれらは1例報告であり,長期観察例はない。また唾液腺等由来のものでは既に電顕的観察5〜10)も多くなされているが涙腺では知る限りでは田中ら4)のものをみるに過ぎない。当科において過去約10年間に4例の涙腺原発のACCを経験し,1例では電顕的観察および若干の組織化学的検索を行つたのでこれらについて報告する。

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緒 言

 白血病や悪性リンパ腫の経過中に視神経への病的細胞の浸潤による視神経症をみることがある。最近2年間に白血病3例,悪性リンパ腫2例の浸潤性視神経症を経験したがいずれも放射線療法により著明な改善をみた。そこでこれらの臨床的特徴および放射線治療について検討したので報告する。

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緒 言

 眼窩底骨折1,2),いわゆるblow out fracturcの概念が眼科領域において広く普及し,診断方法も著しく進歩するにしたがつて本症に関する発表は,最近,特に数多くみうけられるようになつた。

 また一方では,交通事故による外傷は近年増加の一途をたどり,blow out fractureの症例もますます増加する傾向にあるものと考えられる。

連載 眼科図譜・259

日蝕性網膜炎 山田 彪史 , 北川 彰子
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 1978年10月2日,本邦で9年半ぶり(一部3年半)の日蝕が観察された。その2日後日蝕性網膜炎の患者が当科を受診した。近年情報手段の発達と共にこの種の事故が減少したためか,割合症例を見る機会も少ないのでここに紹介したい。患者は,小学校5年生の男児(M.S.78-1530),日蝕を肉眼で観察し,通算して3分間余太陽を凝視している。翌日より中心暗点を自覚し近医を受診後当科に紹介された。近医による初診時視力は矯正で右左共0.6,翌日当科で矯正視力右1.2,左1.5であつた。視野測定で両眼共に30′程度の中心比較暗点を検出した。眼底は図1のごとく,両眼共黄斑部中央に直径100μ(乳頭径より換算)の白斑とその周辺に浮腫を認めた。螢光眼底検査では,初回のものにわずかながら黄斑部中心に螢光を認めたのみで以後異常はなかつた(図5)。黄斑部中央の白斑は次第に薄くなり,ほぼ2週間で赤つぽい色調となり浮腫も漸次消退した(図2,3,4)。視力も両眼矯正で1.5と回復したが,中心暗点は,うす暗い感じは取れて来たものの30′程度の範囲は発病後2カ月の時点でも存在している。色覚は暗点部分のみ,水色青色が黒つぽく見えるというが他の部分に異常はなかつた。治療は従来あまり期待されていないが消炎,新陳代謝促進等を考慮してビタミン剤末梢循環改善剤および小量のステロイド等を使用した。この様な日蝕性網膜炎の起る条件について検討して見たい。

連載 眼科臨床レントゲン診断学・18

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 脳腫瘍のCTは,腫瘍細胞と脳実質とのX線吸収値の違いによつて描出される。X線吸収値が脳実質と同値の場合には腫瘍は描出されないが,その場合には,浮腫,腫瘍周囲組織や脳室の偏位・変形および増強法によるX線吸収値の変化をみることによつて,腫瘍の存在を知ることができる。脳腫瘍によるCTの特色を今回と次回に分けて述べてみよう。

斜視の原因と治療

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 今回は外斜視の原因追及の最大のヒントになつた逆位相眼球反射運動Reverse Phase Reflex (RPR)について解説する。この反射運動は石川哲教授がLatent nys-tagmusの患者において発見し,1978年国際眼科学会のSymposiumで発表したもので,眼球運動の研究史上画期的な発見であつた。石川教授はLatent nystagmusの患者の1眼に強制運動Forced ductionを加えると,他眼がこれと逆位相の反射運動をすることを発見したのである。その状況を図1(A,B,C)に示す。この逆位相反射運動はその後研究してみると眼球運動と斜視発生とに関して色々なことを教えてくれた。それでこの反射運動の要点を個条書きしてみる。

 1.このReflexはLatent nystagmusに限らず,片眼の視力が悪くなつたことなどによつてFusionを失つた状態が何年も続けば,たいていの人にmanifestになつている。例えば白内障で片眼の視力が特に悪い人などにはほとんどすべてみられる。

文庫の窓から

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 慶安2年(1649)己丑歳,上村次郎右衛門開板の「察證辨治啓迪集」巻5,第43丁より第53丁には眼目門が掲載されているが,この中には「玉」と印された箇処が何箇処もあり,「玉機微義」(明・徐用誠撰,全50巻)がよく用いられたことが判る。また,図10からも明らかなように,「玉機微義」の眼目門の項目は「原機啓微」附録(元・倪維徳著,明・薛巳校,上・下,附録)(図11)の項目とほとんど同様で,この両書が中国,元代から明代にかけて著わされた医書なので,道三の「察證辨治啓迪集」には,その内容は時代的にみて中国元代から明代の眼科が取り入れられていることが窺われる。

 このように「察證辨治啓迪集」は学術的にはかなり高度な水準を行く医書であるが,これが実地医療にどの程度吸収され,応用されていたかはつきりしない点も多い。また,本書は内科を主に扱つていた医家によつて編された医学全書であるためか,その眼目門に記された眼科も全般的にその要旨のみが簡潔に述べられている感じがする。

臨床報告

眼瞼挙筋の見つけ方 秋元 東洋男
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緒 言

 本案は眼瞼下垂に対して行われる眼瞼挙筋短縮法のうち,皮膚側から挙筋に達する手術法の改良に関するものである。

 従来,皮膚側から挙筋に達する方法は,眼輪筋などの組織の奥にある挙筋を見つけ出すのが難しいといわれており1),手術中に誤つて挙筋を見失つてしまつた場合の対策も述べられている2)。このような困難を解決するための方法も発表されている3)が,私はそれよりも簡単な方法を考案したので報告する。

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緒 言

 人眼はかなり長波長の赤外線でも赤色光として感じることができる。レーザー光で長波長側の可視限界の測定をすると,光の強度が一定のレーザー光(連続波レーザー光)では1,064nmの波長でも,なお,赤色光として認められる1,2)。連続波レーザーではなく,1,060nmのパルス状のレーザー光(パルスレーザ光)を見ると,赤色ではなく,緑色光として感覚される現象も報告されている1)

 パルスレーザー光が,連続波レーザー光と異なつた色調として感覚されるこの不思議な現象について,下記のようなことも知られている。パルスレーザー光の波長を変えると,感知される色調も変化し,用いたレーザー光の1/2波長の色として感じる。1,118nmでは黄緑に,1,153nmでは黄色に,1,179nmでは燈色となる3)。摘出眼にルビーレーザーの赤色光パルス,波長694nmを照射すると,透過光中にその1/2波長の紫外線(347nm)が混在する4)。このような事実から,赤外パルスレーザー光は加熱,化学変化に伴なつて可視光線を作るのではなく,眼内でその一部が1/2波長の光に変換されるため可視されると考えられている。光の波長を1/2に変える現象に関与する眼内組織は,角膜,強膜4)あるいは網膜1)と報告されている。

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緒 言

 一般に視神経乳頭drusenは,検眼鏡で,乳頭部に黄白色に輝く塊状物として見られるが,乳頭深層に発生すると,検眼鏡でそのものは見えず,乳頭浮腫を示すことがあるとされている1〜3)。われわれは4年間片眼に乳頭浮腫が持続し,その間眼底所見,視力,視野所見が,初診時と同じ状態が続いている症例を経験し,種々の検査ことに螢光眼底検査と超音波検査によつて,視神経乳頭深部に形成されたdrusenによる乳頭浮腫と診断した。

 視神経乳頭drusenは,わが国では報告の少ない疾患であるが,今後視神経疾患の一つとして,ことに乳頭浮腫の原因として,考慮されねばならないと思われるので,この症例を紹介する。

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緒 言

 生物現象は,いろいろな周期で変動する振動現象と考えられている1)。circadian rhythmすなわち24時間前後の周期を示す生物現象は枚挙にいとまないが,眼圧の日内変動(diurnal variation)もcircadian rhythmを示すことが明らかにされている2)。眼圧には,このような日内変動がみられる一方,日内変動の検査開始時点と24ないし48時間後の眼圧が必ずしも一致しない事実が示すように,日々変動(day-to-day variation)があることも周知のことであり,特に緑内障眼における日々変動には,等閑視できないものがある2,3)。しかしながら,日内変動に関する研究4〜8)が数多くあるのに対して,日々変動に関する知見は極めて少ない2,3,7)

 この研究は,高眼圧症と原発開放隅角緑内障(以下,緑内障と略す)の症例について,眼圧の日々変動を検討する目的でおこなつた。

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緒 言

 眼の光学系の主要部分を占める角膜の形状に関する研究は,角膜の光学的特性を知る上で重要であり,従来OphthalmometerあるいはKerato-mcterによつてその曲率半径が測定されてきた。最近,コンタクトレンズの装用などに関して角膜全域の形状を正確に測定する必要性から,Photo-keratoscopeなどの機器が既に開発されている1〜5)。Electric Photokcratoscopeを代表とする最近のPhotokeratoscopcは,被験眼前に置いた同心円視標の角膜からの反射像を,テレセントリック光学系で写真撮影している。それゆえ,角膜形状を非球面領域も含めて定量的に解析できる2〜6)。しかしながら,このPhotokeratoscopeによつて得られる同心円像は,角膜の等高線ではなく等傾度線となつている。そのため,角膜形状の決定にはコンピューターなどを用いた積分計算が必要であり,さらに円錐角膜,不正乱視,角膜移植術および水晶体摘出術後の角膜など,異常な角膜の形状を定量的に解析することは容易ではない3,6)

 最近,高崎7)やMeadowsら8)によつて開発された等高線モアレ縞は,容易で高精度の立体形状測定を可能とし,医学関係でも多くの分野で応用されつつある9)。眼科領域では,前眼部形状の測定10)あるいは緑内障患者の眼底乳頭部の陥凹判定11,12)に応用する試みがなされている。

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緒 言

 細隙灯写真撮影法特に水晶体の撮影に関してはNiesel1),Brown2)あるいは野寄ら3)のScheimp-flug原理を応用した撮影法が既に開発されており記録写真としてはかなり満足すべきものが得られているが,何れもいまだ特殊な実験的装置の域を出ていない。

 著者らも水晶体の経時的な変化を比較観察することを目的にScheimpflug原理応用の細隙灯写真撮影装置を試作したので以下に報告する。

GROUP DISCUSSION

ぶどう膜炎 浦山 晃
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 「ぶどう膜炎」が,グループデイスカッションに加えていただいたのは今回がはじめてである。最初に,このたびの第32回日本臨床眼科学会に際し,GDへの参加と運営につき種々配慮して下さつた名古屋大学眼科の御好意に感謝申上げたい。今までは,同好の士の集りとして「ぶどう膜炎研究会」の名のもとに,昭和51年6月20日秋田(パークホテル)で発足して以来,第2回は昭和52年2月23日東京(東京医大同窓会館),第3回は昭和52年11月12日京都(京都会館)と回を重ね,今回は第4回相当である。前回までは半公開であつたが,今回は公開形式で行うことになり,演題も広く公募したところ,予期したことではあるが,多数の応募があり,23題の多きに上つた。しかし与えられた時間は午前9時半から12時45分まで3時間という制約があり,従つて全演題をこなすことは明かに無理であり,さればといつて1題の持時間を極端に短縮すれば消化しきれないこともないが,それでは時間をかけて討議すべきGDの趣旨に反し,研究会の意義も薄れることになる。結局なるべく多くの人に口演していただきたいという気持と自由な討議時間を持ちたいという気持の中間に立つて,演題数をある程度で打切ることも止むを得ないと観念して演題配列を行なつたしだいである。最終的には15席までを行ない,以下打切ることになつたが,残つた演題は次回には優先的に採用するふくみで御容赦を願うことになつた。

基本情報

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臨床眼科
33巻6号 (1979年6月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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