斜視の原因と治療
Ⅳ.逆位相眼球反射運動(石川)
三井 幸彦
1
1徳島大学
pp.866-867
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207906
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今回は外斜視の原因追及の最大のヒントになつた逆位相眼球反射運動Reverse Phase Reflex (RPR)について解説する。この反射運動は石川哲教授がLatent nys-tagmusの患者において発見し,1978年国際眼科学会のSymposiumで発表したもので,眼球運動の研究史上画期的な発見であつた。石川教授はLatent nystagmusの患者の1眼に強制運動Forced ductionを加えると,他眼がこれと逆位相の反射運動をすることを発見したのである。その状況を図1(A,B,C)に示す。この逆位相反射運動はその後研究してみると眼球運動と斜視発生とに関して色々なことを教えてくれた。それでこの反射運動の要点を個条書きしてみる。
1.このReflexはLatent nystagmusに限らず,片眼の視力が悪くなつたことなどによつてFusionを失つた状態が何年も続けば,たいていの人にmanifestになつている。例えば白内障で片眼の視力が特に悪い人などにはほとんどすべてみられる。
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