臨床放射線 70巻1号 (2025年1月発行)

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特集　胸部の最新画像情報2025

［総説］

心臓MRI：循環器診療での活用法とピットフォール加藤　真吾 , 宇都宮　大輔 70巻1号 , 2025年1月 , pp.1-11

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高齢化社会の影響もあり，75歳以上の死因として循環器疾患が1位を占め，心不全の患者数は増加し続けている。これが「心不全パンデミック」とも呼ばれ，社会問題にもなっている^1）。循環器画像診断は低侵襲であり，費用対効果の高さや国内でのアクセスの良さから，今後もさらに活用が進むと考えられる。心臓MRIは心筋の組織性状評価に優れた画像モダリティであり，心不全の基礎心疾患の診断において遅延造影MRIの有用性は非常に高く，日本循環器学会のガイドラインにおいても高い推奨クラスとして位置づけられている^2）。遅延造影MRIでは，造影効果の分布によって心筋症の鑑別が可能である。心臓MRIを有効に用いることで，心筋生検を補完でき，心筋症の診断精度を改善させることが可能と考えられる。心臓MRIは，心疾患の診断精度の向上に寄与する一方で，その適切な読影・解釈には特有の注意点が存在する。本稿では，心臓MRIの循環器診療での活用法とピットフォールについて解説する。

心筋炎の画像診断相川　忠夫 , 真鍋　徳子 70巻1号 , 2025年1月 , pp.13-20

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心臓MRIは心臓の形態や壁運動のほかに心筋組織性状も非侵襲的に画像評価できるため，心筋炎やほかの心筋症との鑑別診断に欠かせないツールである。2023年には我が国における心筋炎の診断・治療に関するガイドラインが改訂されたが，特筆すべきは心筋炎の診断において心臓MRIが推奨クラスⅠに位置づけられたことである^1）。今回のガイドライン改訂では臨床病型分類の見直しも行われ，急性心筋炎の診断やモニタリング，予後評価における心臓MRIの推奨度が明確になった。一方，慢性心筋炎（慢性活動性心筋炎，慢性炎症性心筋症）に分類される心筋炎における心臓MRIの意義については明示されていない。また心臓CTや心臓核医学検査（ガリウムシンチグラフィ，FDG PET）による心筋炎評価も注目されている。本稿では，今回のガイドライン改訂で見直しが行われた心筋炎の臨床病型分類の概説と，心筋炎の診断における心臓MRIを中心とした画像診断の役割について典型例を交えて紹介する。

進行性線維化を伴う間質性肺疾患の考え方岩澤　多恵 , 澤住　知枝 , 武村　民子 , 馬場　智尚 , 小倉　高志 70巻1号 , 2025年1月 , pp.21-34

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間質性肺疾患（interstitial lung disease：ILD）には，特発性間質性肺炎や膠原病など様々な疾患が含まれる。特発性肺線維症（idiopathic pulmonary fibrosis：IPF）は慢性進行性に線維化をきたす代表的な間質性肺炎で，通常，抗線維化薬で治療する。一方，過敏性肺炎・膠原病肺といった二次性の間質性肺炎では，例えば過敏性肺炎の場合まず抗原除去が必要で，膠原病肺では免疫抑制薬投与により改善する場合もある。ただし，これらの治療を行っても線維化が進行する症例があり，2022年の国際ガイドラインで，IPF以外で進行する線維化を示す疾患を一括する名称として，進行性肺線維症（progressive pulmonary fibrosis：PPF）が定義された^1）。

進行する肺病変の臨床：サルコイドーシスの肺線維化とは澤幡　美千瑠 70巻1号 , 2025年1月 , pp.35-40

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サルコイドーシスは，呼吸器系を中心に全身臓器に多彩な病変を生じる肉芽腫性疾患である。本疾患の自然史では，経気道的かつ経皮的に侵入したアクネ菌等の原因抗原が縦隔肺門リンパ節や肺などに潜伏感染しており，環境要因の変化等から菌増殖をきたし，これに対する過剰なTh1型肉芽腫反応が生じ，発病に至ると考えられている。大部分の症例で呼吸器系病変がみられ，初期病変では両側肺門縦隔リンパ節腫脹（bilateral hilar-mediastinal lymphadenopathy：BHL）とともに上葉優位の気管支血管束（bronchovascular bundle：BVB）に沿った多発粒状影～結節影，すりガラス状陰影，浸潤影などの多彩な病変を呈する。粒状影，結節影は一過性に出現して消退する傾向があり，特にBHLを主体とする呼吸器系病変をもつ若年患者では治癒寛解することも多い。治療を必要としない肺陰影残存例も合わせれば約8割を占めるが，残る2割の症例では，活動性がある臓器病変をもち続け治療を必要とする。本稿では，進行する肺病変の実際について画像所見や臨床上の課題に焦点を当てて解説する。

肺癌に対するIMRT 小宮山　貴史 70巻1号 , 2025年1月 , pp.41-49

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強度変調放射線治療（intensity modulated radiation therapy：IMRT）は「逆方向治療計画によって立案された複数の方向からの空間的・時間的に強度変調を施した線束を利用し，リスク臓器等を避けながら標的形状と一致した最適な三次元線量分布を作成し治療する放射線治療」と定義され^1），その最大の特徴は腫瘍に対して必要な線量をより安全に投与できることである。正常臓器の線量を抑えつつ，腫瘍に根治線量を投与できることによる治療適応症例の増加・有害事象の軽減，また腫瘍内部への線量をより高めることによる局所制御の向上が得られることから近年多くの施設で導入が進められている。

胸部領域における神経内分泌腫瘍（NETs）：最新の情報を中心に馬場　康貴 70巻1号 , 2025年1月 , pp.51-62

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神経内分泌腫瘍（neuroendocrine tumors：NETs）は，体内の神経内分泌細胞から発生する比較的まれな腫瘍群である。これらの腫瘍は，ホルモンや神経活性物質を産生する能力を特徴とし，多様な臨床症状と生物学的挙動を示す^1）。NETsの中でも，高悪性度神経内分泌腫瘍（high-grade neuroendocrine tumors：HGNETs）は特に攻撃的な性質をもち，予後不良な悪性新生物群として知られている^2）。

原発性肺癌のリンパ節転移に対する臨床標的体積の設定高橋　重雄 70巻1号 , 2025年1月 , pp.63-68

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放射線治療計画において，臨床標的体積（CTV）の設定は最も重要な要素の1つである。CTVは，肉眼的あるいは画像的に確認できる腫瘍（GTV）に加えて，臨床的に進展・転移が疑われる部分を含む体積である。原発性肺癌は，非小細胞肺癌（NSCLC），小細胞肺癌（SCLC）ともにリンパ行性に転移することが多いため，そのリンパ流の経路を考慮しながら，リンパ節（LN）転移に対するCTVが設定されてきた。

間質性肺疾患合併Ⅰ期非小細胞肺癌に対する重粒子線治療成績：多施設前向きレジストリ解析（J-CROS-LUNG）岡野　奈緒子 , 末藤　弘明 , 中嶋　美緒 , 徳丸　直郎 , 久保　亘輝 , 吉田　大作 , 石川　仁 , 里内　美弥子 , 塩山　善之 70巻1号 , 2025年1月 , pp.69-78

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重粒子線治療は放射線治療の一種で，重粒子（現在，臨床では炭素イオンが用いられている）を加速し，ターゲットに照射することで腫瘍制御を目指す治療法である。重粒子線治療は，国内では1994年に放射線医学総合研究所で臨床応用が開始された。2024年5月時点で国内7施設が稼働し，患者への治療が行われている。重粒子線治療は2000年代から先進医療の枠組みで実施されてきた。その治療適応や治療方針については，2014年に日本放射線腫瘍学会内に粒子線治療を統括する枠組みが設置され，統一治療方針の設定と全例データ登録を行う仕組みが作られた。各粒子線治療施設ではこの統一治療方針に則り，キャンサーボードによる適応判断が行われ，全例登録のうえで治療が行われている。

乳癌術前薬物療法後の画像診断の実際：HER2陽性乳癌を中心に菊池　真理 70巻1号 , 2025年1月 , pp.79-85

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分子標的薬の登場と進歩により，HER2陽性乳癌の病理学的完全奏効率（pCR rate）は上昇している。さらにトラスツズマブ　デルクステカン（T-DXd）の適応拡大に伴い，HER2低発現乳癌の予後の改善も期待されており，術前薬物療法後の画像評価の重要性は増している。精度の高い画像診断を実現するために知っておくべきこととして，本稿では乳癌サブタイプ別の術前薬物療法後の画像の特徴，HER2陽性乳癌における術前薬物療法後画像評価の実際について解説する。

［診療］

中枢型早期非小細胞肺癌に対する中等度寡分割照射を用いた陽子線治療中村　雅俊 , 馬場　敬一郎 , 村上　基弘 , 石田　俊樹 , 斎藤　高 , 森　祐太郎 , 櫻井　英幸 70巻1号 , 2025年1月 , pp.87-94

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転移を伴わない早期の非小細胞肺癌に対する標準治療は手術であるが，手術困難例においては根治的治療として放射線治療が適応される。特に，腫瘍径が5cm以下の早期非小細胞肺癌に対する放射線治療では，体幹部定位放射線治療（SBRT）が標準的である^1）。また，2024年6月より，手術が困難である転移を伴わない腫瘍径5cm以下の早期肺癌に対する陽子線/重粒子線治療が保険収載された^2）3）。早期肺癌は病変の局在により末梢型と中枢型，超中枢型に大きく分けられ，末梢型はSBRTによる短期間の照射で良好な成績が報告されている^4）5）。一方，中枢型については，末梢型と同様のSBRTでは重篤な有害事象が多く，適切な線量分割についてはいまだ議論が続いている^6）7）。

80歳以上の超高齢非小細胞肺癌患者における体幹部定位放射線治療の成績吉田　匡宏 70巻1号 , 2025年1月 , pp.95-102

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近年，画像診断の進歩やがん検診の普及，また他がん種治療後の経過観察などにより，早期非小細胞肺癌（本稿では0～ⅡA期とする）が発見される機会が増加している。

［症例］

非結核性抗酸菌症による胸壁穿通性膿胸の1例村尾　光優 , 室田　真希子 , 石村　茉莉子 , 守田　理究 , 今上　雅史 , 山本　由佳 , 西山　佳宏 , 金地　伸拓 70巻1号 , 2025年1月 , pp.103-107

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膿胸のうち3カ月以上経過したものは慢性膿胸と呼ばれる。慢性膿胸の原因の1つとして結核が挙げられるが，非結核性抗酸菌症の報告は少ない。また，慢性膿胸の合併症の1つに胸壁穿通性膿胸があり，非結核性抗酸菌症由来の胸壁穿通性膿胸はさらにまれである。今回我々は，非結核性抗酸菌症が原因となった胸壁穿通性膿胸を経験したため報告する。

Pulmonary NUT carcinomaの1例宮田　知 , 安原　裕美子 , 小林　康佑 , 池原　実華子 , 藤原　政宏 , 中村　純寿 , 栗生　明博 70巻1号 , 2025年1月 , pp.109-113

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NUT carcinomaとはNUT（nuclear protein of testis）遺伝子の遺伝子再構成（gene rearrangement）により生じる未分化な癌である^1）。極めてまれであり，進行が速く，若年やadolescent and young adult（AYA）世代に多く，治療法も確立されていない^2）。今回我々は，pulmonary NUT carcinomaを1例経験したので報告する。

関節リウマチ治療中の間質性肺炎悪化との鑑別が困難であった浸潤性粘液性腺癌平山　麻利子 , 岩澤　多恵 , 渡邊　真之 , 澤住　知枝 , 池田　慧 , 馬場　智尚 , 小倉　髙志 70巻1号 , 2025年1月 , pp.115-119

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間質性肺炎に癌の合併が多いことは広く認められている。

緩徐に増大し診断に苦慮したbronchiolar adenoma/ciliated muconodular papillary tumor（BA/CMPT）の2例小丸　和希 , 横尾　紫穂 , 大木　晴香 , 関　紳一郎 , 吉川　武 , 前田　弘彰 , 坂本　攝 , 西尾　渉 , 小松　正人 , 竹中　大祐 70巻1号 , 2025年1月 , pp.121-127

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Bronchiolar adenoma/ciliated muconodular papillary tumor（BA/CMPT）は2002年に石川らが初めて報告した疾患で，2021年改訂のWHO分類第5版で新たに記載されたまれな良性腫瘍である^1）。自覚症状はなく，検診などで偶発的に発見されることが多い^2）。今回我々は，緩徐に増大し診断に苦慮したBA/CMPTを2例経験したため，文献的考察を加えて報告する。

胸膜の巨大孤立性線維性腫瘍の1例加耒　佐和子 , 中野　祥子 , 加島　淳平 , 渡辺　裕一 , 渡辺　俊一 , 谷田部　恭 , 楠本　昌彦 70巻1号 , 2025年1月 , pp.129-132

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孤立性線維性腫瘍（solitary fibrous tumor：SFT）は胸膜中皮下の間葉系細胞に由来する比較的まれな中間悪性腫瘍である。NAB2-STAT6融合遺伝子の発現が定義の1つとされており，胸部においては臓側胸膜の間質組織からの発生が多く報告されている^1）。今回我々は，胸部造影CTで左胸腔に11.3cm大の不均一な造影効果を呈する充実腫瘤として描出され，WHO分類第5版の予後予測モデルで再発リスクが中間リスクと診断された巨大なSFTの1例を経験したことから，画像所見と病理所見を添えて報告する。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症と鑑別を要した悪性黒色腫の気管支内転移の1例挽地　智裕 , 神田　知紀 , 神保　直江 , 立原　素子 , 林　拓人 , 村上　歓次朗 , 村上　卓道 70巻1号 , 2025年1月 , pp.135-139

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悪性黒色腫の気管支内転移はまれではあるが，悪性腫瘍の気管・気管支転移の中では比較的多い。今回我々は，胸部単純X線やCTにて両側肺の拡張した気管支に沿って広がるソーセージ様の腫瘤を認め，アレルギー性気管支肺アスペルギルス症との鑑別が困難であった悪性黒色腫の気管支内転移を経験したため，若干の考察とともに報告する。

症例

精索原発脱分化型脂肪肉腫の1例奈須　光佑 , 松尾　芳雄 , 安部　時子 , 秋武　正和 , 西山　憲一 70巻1号 , 2025年1月 , pp.141-145

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精索原発腫瘍は比較的まれな疾患であり，画像所見も非特異的な場合が多い。脂肪肉腫は四肢や後腹膜，体幹部に発生した場合は自覚症状に乏しく，巨大腫瘍として発見されることも多いが，精索原発の場合は表在性であるため比較的小サイズで発見されることがある。今回我々は，25mm大と小さなサイズで発見された精索原発の脱分化型脂肪肉腫を経験したので報告する。

Nuck管水腫もしくは鼠径ヘルニア発生が疑われた子宮内膜症由来鼠径部類内膜腺癌の1例佐々木　美穂 , 三浦　弘行 , 対馬　史泰 , 掛端　伸也 , 藤田　大真 , 重藤　龍比古 , 横山　良仁 , 掛田　伸吾 70巻1号 , 2025年1月 , pp.147-150

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女性の鼠径部嚢胞状構造の鑑別の1つとして，鼠径ヘルニアの他，Nuck管水腫が挙げられる。成人Nuck管水腫はまれだが，子宮内膜症の合併が報告されている。今回我々は，Nuck管水腫もしくは鼠径ヘルニアに併発した子宮内膜症に由来する類内膜腺癌の可能性が挙げられる1例を経験したため，文献的考察を加え報告する。

外陰部に発生した血管筋線維芽細胞腫の1例佐野　淳偲 , 久保　雄一郎 , 山崎　修司 , 小倉　琢嗣 , 中　武裕 , 伊原　浩史 , 渡辺　秀幸 70巻1号 , 2025年1月 , pp.151-156

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血管筋線維芽細胞腫（angiomyofibroblastoma：AMFB）は中高年女性の外陰部や骨盤に好発する間葉系の腫瘤である。AMFBの治療は切除が基本で再発はまれであるが，同じく外陰部に発生し手術後にしばしば再発を起こす侵襲性血管粘液腫（aggressive angiomyxoma：AAM）との鑑別が臨床上重要となる。今回我々は30代女性のAMFBを経験し，AMFB，AAM，そして同じく外陰部に発生する細胞性血管線維腫（cellular angiofibroma：CAF）につき，画像的な鑑別点について考察する。

大きな中枢神経病変による左同名半盲をきたしたErdheim-Chester病の1例山下　直生 , 大久保　豪祐 , 池田　明央 , 山崎　佳大 , 古武　剛 , 内山　智子 , 武田　麻衣子 , 久保　武 70巻1号 , 2025年1月 , pp.157-162

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Erdheim-Chester病（ECD）は組織球症のまれな一型で，全身諸臓器に組織球が浸潤・増殖し様々な症状を呈する^1）。患者は様々な診療科を受診し，疾患の希少さもあって診断までに数年を要することも多い^2）。骨病変は特徴的で同疾患を強く疑うことができるため，画像診断医が見逃さず指摘することが重要である^1）2）。近年BRAF V600Eをはじめとして多数の遺伝子変異が同定されるようになり，本疾患の分類・診断・治療戦略は大きく変化してきている^3）4）。今回我々は，最近の知見に関する文献的考察を加えて自験例について報告する。

手掌に生じた血管内小葉状毛細血管腫の1例宇津野　芳彦 , 堀内　沙矢 , 松迫　正樹 , 松井　瑞子 , 平川　奈美 , 新井　達 , 早川　道郎 , 栗原　泰之 70巻1号 , 2025年1月 , pp.163-168

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今回我々は，病理組織診で血管内小葉状毛細血管腫（intravascular lobular capillary hemangioma：ILCH）と診断された1例を経験した。ILCHに関する画像所見についての報告は少なく，若干の文献的考察を加えて報告する。

連載

今月の症例西山　晃 , 本折　健 , 植原　愛音 , 豊田　剛 , 小田　秀明 , 西田　勝則 70巻1号 , 2025年1月 , pp.169-172

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画像所見　初診時のMRI（図1）では，右耳下腺内に径3cm程度の境界不明瞭・辺縁不整な腫瘤があり，耳下腺外へ浸潤している。腫瘤は非造影T1強調像に比し，脂肪抑制T2強調像・造影脂肪抑制T1強調像でより大きくみえる（corona sign）。拡散強調像では強い異常信号を呈し，ADC値は0.9×10^－3mm²/sである。病変の内部に低信号のrim状の被膜様構造（black ring sign）に囲まれた結節がある。

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目次 70巻1号 , 2025年1月

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英文目次 70巻1号 , 2025年1月

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読者アンケート 70巻1号 , 2025年1月 , pp.133-133

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次号予告 70巻1号 , 2025年1月 , pp.134-134

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バックナンバー 70巻1号 , 2025年1月 , pp.173-173

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投稿規程 70巻1号 , 2025年1月 , pp.174-175

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編集後記 70巻1号 , 2025年1月 , pp.176-176

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基本情報

臨床放射線
70巻1号
(2025年1月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0009-9252 金原出版

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