特集 有害事象の評価と対策
子宮頸癌根治的放射線治療における5年以降の晩期有害事象発現の解析
若月 優
1
,
小此木 範之
,
柴 慎太郎
,
加藤 眞吾
,
中野 隆史
,
鎌田 正
1自治医科大学 放射線科
キーワード:
近距離照射治療法
,
抗腫瘍剤
,
子宮頸部腫瘍
,
放射線障害
,
放射線療法
,
後向き研究
,
小腸疾患
,
放射線化学療法
,
高線量率照射
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Uterine Cervical Neoplasms
,
Brachytherapy
,
Retrospective Studies
,
Radiotherapy
,
Radiation Injuries
,
Chemoradiotherapy
pp.1089-1095
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017017036
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子宮頸癌根治的放射線治療における5年以降の晩期有害事象発現について検討した。根治的放射線治療を行ったFIGO病期1-IVA期の子宮頸癌患者1949例(24~95歳)を対象とした。生存症例の観察期間中央値は16年であった。大部分は放射線治療単独で治療され、化学療法併用症例は89例(46%)であった。晩期有害事象は、5年、10年、15年、20年でGrade 1以上が、それぞれ25.4%、28.0%、32.0%、33.9%、Grade 3以上は5.1%、6.0%、8.2%、9.6%であった。5年以降のGrade 3以上の有害事象の発現は小腸で3.9%(21例)が新たに認められたのに対し、直腸は0.9%(5例)、膀胱は0.8%(5例)であった。Grade 1以上の5年時、20年時の全ての有害事象の発生率は化学療法併用群で、それぞれ43.6%、58.1%、放射線治療単独群では、それぞれ24.6%、32.9%であった。Grade 3以上では化学療法併用群で、それぞれ2.9%、19.1%、放射線治療単独群で、それぞれ5.1%、9.6%であった。化学療法併用群で発生率が高く、5年以降の発生率も高い傾向にあった。
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