臨床放射線 69巻5号 (2024年9月発行)

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特集①　即時適応放射線治療

コーンビームCT画像誘導即時適応放射線治療システム：ETHOS Therapy 伊良皆　拓 69巻5号 , 2024年9月 , pp.593-602

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2024年現在，世界中で広く行われている放射線治療は，診察・治療戦略決定，治療計画CT撮像，治療計画，独立検証という流れで行われる。照射日当日は患者セットアップ，位置照合用画像撮像，位置照合・補正，照射という流れで実施される。このとき使用されるプランは，1～2週間前に事前治療計画で作成されたプランを使用する。すなわち，毎照射日においては，位置照合用画像を用いて標的およびリスク臓器（organ–at–risk：OAR）の治療計画CTからのずれを平行移動，または平行移動＋回転で修正しているのみで，それぞれの形状変化は考慮していない。

MRIdianを用いたMR画像誘導即時適応放射線治療岡本　裕之 69巻5号 , 2024年9月 , pp.603-609

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国立がん研究センター中央病院では，2017年5月に国内で初めてViewRay社のMR画像誘導放射線治療装置MRIdian^®を導入した^1）。図1に示すように，リング式回転ガントリには3つのコバルト線源が120度間隔で配置され，最大線量率6Gy/minのstep–and–shoot方式の強度変調放射線治療（IMRT）が可能となった。放射線治療システムに加え静磁場強度0.35 TのMRシステムも配置され，MR画像による即時適応放射線治療（on–line adaptive radiotherapy：on–line ART）の専用機として活躍した。2022年には，図2に示すようにコバルト線源からリニアックに換装され，MRIdian^®–linacとしてフラットニングフィルターフリーの6 MV X線（最大線量率6Gy/min）での治療が可能となった。リング式ガントリには，6つの機器が格納されているコンポーネントが用意され，治療システムとして必要な機器，マグネトロン，電子銃，加速器，マルチリーフコリメータ（MLC）などが配置されている。本治療システムは，MR画像による輪郭描出と治療計画立案，被ばくを伴わないMR画像による位置照合，マーカーレスによる腫瘍トラッキング，シネMRによるintrafractionの位置補正およびgating機能を用いた迎撃照射，即時適応放射線治療など従来の放射線治療装置にはない機能を有している。

UnityによるMR画像誘導即時適応放射線治療椋本　宜学 , 井口　治男 , 柴田　祐希 , 坂田　元徳 , 畑　湧貴 , 濱浦　信成 , 山岸　睦美 , 阪上　茉衣 , 椋本　直希 , 林　謙治 , 荻野　亮 , 澁谷　景子 69巻5号 , 2024年9月 , pp.611-620

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強度変調放射線治療（intensity–modulated radiation therapy：IMRT）や定位放射線治療，画像誘導放射線治療（image–guided radiotherapy：IGRT）など高精度放射線治療技術の進歩により，空間的に理想的な放射線を照射する精度は革新的に向上した。一方で，治療期間中の標的およびリスク臓器の体積変化や変形といった非剛体性変化への対応は困難なため，計画時の理想的な線量分布と患者体内に投与される線量分布には乖離が生じることになる。

即時適応放射線治療の現状と将来神宮　啓一 , 高橋　紀善 , 角谷　倫之 , 佐藤　清和 69巻5号 , 2024年9月 , pp.621-624

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日本放射線腫瘍学会のオンラインMR誘導適応放射線治療の実施ガイドライン^1）では，適応放射線治療とは，放射線治療中に腫瘍の縮小や患者の体重変化により，当初の治療計画では標的への線量が不十分になったり，周囲臓器への線量が増加することが懸念される場合に，放射線治療中に取得した患者の三次元医用画像に基づいて新しい治療計画を作成する放射線治療と定義されている。ESTRO物理ワークショップのパターン調査^2）では，適応放射線治療はその手法によって次の4つのカテゴリに分類されている。

特集②　Surface–guided radiotherapyの実際

IDENTIFY 上島　佑介 , 坂本　昌隆 , 鈴木　健之 , 大村　優奈 , 矢田　隆一 , 小西　憲太 , 若林　紘平 , 中村　和正 69巻5号 , 2024年9月 , pp.625-631

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これまでに，高精度放射線治療を支える様々な技術が開発されてきた。その中でも，体表面画像誘導放射線治療（surface–guided radiotherapy：SGRT）は，患者の体表面をリアルタイムに監視することで，治療の精度を向上させる革新的な技術である。

AlignRT 山内　遼平 , 富田　史紘 , 秋山　忍 , 石倉　聡 69巻5号 , 2024年9月 , pp.633-643

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本稿では，放射線治療に関わる医師，診療放射線技師，看護師，医学物理士を対象として，体表面画像誘導放射線治療の1つであるAlignRT（VisionRT社）の利用方法とその特徴について詳述する。AlignRTは，放射線治療の精度を向上させるための重要なツールであり，効果的に利用するためには，原理や機能の理解と制限に対する対応が求められる。本稿を通じて，読者の皆様にAlignRTの有効性とその具体的な利用方法について理解を深めていただけるよう，当院での運用方法や工夫を交えながら解説する。

Catalyst 白石　憲史郎 , 熊谷　仁 , 上原　隆三 69巻5号 , 2024年9月 , pp.645-655

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2018年の診療報酬改定により画像誘導放射線治療（image guided radiotherapy：IGRT）加算として左乳癌に対する体表面照合が認められて以降，体表面画像誘導放射線治療（surface–guided radiotherapy：SGRT）は我が国においても多くの施設で導入が進んでいる。

VOXELANの基礎的特徴と臨床利用齋藤　正英 , 上田　幸治 , 鈴木　秀和 , 根本　光 , 戸塚　凌太 , 大西　良史子 , 佐野　尚樹 , 小宮山　貴史 , 大西　洋 69巻5号 , 2024年9月 , pp.657-662

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放射線治療分野において，光学式デバイスを使用した患者セットアップ・治療中の監視技術である体表面画像誘導放射線治療（surface–guided radiotherapy：SGRT）が，非常に注目されている。SGRTに使用する機種は様々なものがあるが，特にAlignRT^®（VisionRT社）やCatalyst^TM（C–RAD社）といった海外ベンダーから販売されている装置が広く普及しており，海外においてはそれらの利用に特化したガイドライン^1）2）も整備され始めている。一方で，日本国内のみで販売されているSGRT装置もあり，当該装置の内容については海外のガイドラインにも含まれていないため，導入施設では試行錯誤しながらコミッショニングや臨床使用を行っている。本稿では，国内ベンダーによるSGRT装置である “VOXELAN” に関して，当院での導入・使用経験に基づいてその特徴について述べる。

ExacTrac Dynamic^® Surface 金子　真洋 , 宮内　春樹 , 伊藤　康 , 吉岡　靖生 69巻5号 , 2024年9月 , pp.663-669

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ExacTrac Dynamic^®（Brainlab社）は，従来のExacTrac^® systemに4D thermal cameraを兼ね備え，X線照合機能に体表面追跡機能を合わせもった革新的なモダリティである。この体表面追跡機能は，従来のExacTrac^®の主たる機能であったX線照合機能を用いなくとも，体表面情報のみを活用して治療精度の向上に用いることが可能である。

症例

Mycobacterium szulgaiによる感染性腱鞘炎の1例山崎　修司 , 久保　雄一郎 , 佐野　淳偲 , 小倉　琢嗣 , 中武　裕 , 伊原　浩史 , 渡辺　秀幸 , 西坂　浩明 69巻5号 , 2024年9月 , pp.671-676

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Mycobacterium szulgai（M. szulgai）は非結核性抗酸菌であり，感染症の報告は少なく，多くは肺感染症で肺外病変はまれである。M. szulgaiが腱鞘炎の起因菌となった症例は検索範囲において我が国で3例，海外で9例のみであった。今回我々は，M. szulgaiによる感染性腱鞘炎を経験したので文献的考察を加えて報告する。

鞍上部から第三脳室に生じた神経節膠腫の1例森浦　菜津子 , 下野　太郎 , 中条　公輔 , 田中　さやか , 塚本　太朗 , 平松　聖大 , 平松　恵 , 三木　幸雄 69巻5号 , 2024年9月 , pp.677-682

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神経節膠腫（ganglioglioma）は頭蓋内腫瘍全体の0.3～1.4％を占める腫瘍^1）であり，側頭葉，次いで前頭葉に生じ，てんかんで発症することが多い^2）。今回我々は，鞍上部から第三脳室に発生した神経節膠腫を経験したので，文献的考察とともに報告する。

外耳孔から突出した髄膜腫の1例山本　緑 , 藤原　寛康 , 藤原　英世 , 宇野　雅子 , 秋定　健 , 金澤　右 , 加藤　勝也 69巻5号 , 2024年9月 , pp.683-687

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髄膜腫の多くは硬膜に接する隆起性腫瘤の形態で知られているが，まれに硬膜に沿ってシート状・板状に発育する形態を呈する病態を示すことがあり，en plaque meningiomaと呼ばれている^1）。髄膜腫全体の発生部位としては中頭蓋窩が79.5％と最も多く，特に蝶形骨縁に多いとの報告があるが^2），外耳道に進展した髄膜腫症例は比較的まれである。今回我々は，20年の歳月を経て外耳孔から突出した髄膜腫（en plaque meningioma）の1例を経験したため，文献的考察を加え報告する。

上眼瞼に認めたcrystal–storing histiocytosisの1例黒木　翔太 , 角南　俊也 , 吉満　凛吾 , 宮元　里美 , 浅井　佳央里 , 瀬戸口　太郎 , 松本　大輔 , 米田　玲子 69巻5号 , 2024年9月 , pp.689-693

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crystal–storing histiocytosis（CSH）は異常な結晶貪食を特徴とする組織球の増殖を認めるまれな病態であり，全身のあらゆる組織での発生が報告されている。背景疾患としてリンパ増殖性疾患や形質細胞疾患が高率に認められ，細胞質内結晶物は免疫グロブリン由来のものが多いとされている^1）2）。しかし，まれに非免疫グロブリン由来結晶の報告があり，一部では慢性炎症や自己免疫性疾患，感染症などと関連している可能性も示唆されている^2）3）。今回我々は，左眼瞼腫瘤として発見されたCSHの症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

特徴的な画像所見を呈した下腿のメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例大森　真理 , 北山　貴裕 , 浅野　雄大 , 檜垣　文代 , 児島　克英 , 那須　義久 , 小野　早和子 , 平木　隆夫 69巻5号 , 2024年9月 , pp.695-699

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メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患（metho-trexate–associated lymphoproliferative disorders：MTX–LPD）はメトトレキサート投与下の免疫不全を背景に発症するリンパ増殖性疾患（lymphoproliferative disorders：LPD）である。画像所見は非特異的だが，内部壊死が示唆された症例がこれまでに複数報告されている。今回我々は，関節リウマチ（rheumatoid arthritis：RA）の加療中に左下腿に腫瘤を認め，MRIとタリウムシンチグラフィで特徴的な画像所見を呈したMTX–LPDの症例を経験したため報告する。

診断カテーテルを中間カテーテルとして使用し，血栓回収を施行した1例長山　剛太 , 菅　一成 , 佐野　透 , 加藤　直樹 , 石橋　敏寛 , 村山　雄一 69巻5号 , 2024年9月 , pp.701-705

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主幹動脈閉塞に対する血管内治療による急性期血行再建術は標準的治療となり，ますますその重要性は増している^1）2）。しかし，症例数の増加とともに難渋する症例を経験することも増えてきた。

術後13年目に髄液播種をきたした小脳血管芽腫の1例新井　鐘一 , 重川　誠二 , 継　仁 , 西田　秀 , 金　義明 69巻5号 , 2024年9月 , pp.707-713

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小脳血管芽腫はWHO分類Grade Ⅰの血管系の良性腫瘍である。その発生頻度は全脳腫瘍の中では約2％，後頭蓋窩腫瘍の中では約5～15％であり，成人の原発性小脳腫瘍の中では最多である。約30％はvon Hippel–Lindau diseaseと合併し，若年発生・家族性が多く，散発性は成人発生が多いといわれている^1）2）。今回我々は，術後13年目に髄液播種をきたしたまれな小脳血管芽腫の1例を経験した。臨床経過と小脳血管芽腫の髄液播種やMR所見について文献的考察を加えて報告する。

¹¹¹In–chloride骨髄シンチグラフィが鑑別に有用であった後縦隔骨髄脂肪腫の1例西原　大夢 , 鈴木　健史 , 岡島　幸紀 , 大彌　歩 , 柳澤　新 , 鬼頭　宗久 , 上原　剛 , 藤永　康成 69巻5号 , 2024年9月 , pp.715-719

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骨髄脂肪腫は副腎に好発する良性腫瘍であるが，まれに後縦隔に発生する。CTやMRIでは髄外造血や脂肪肉腫との鑑別診断が問題となる。生検が確定診断に有用であるが，局在によっては困難であり，出血や播種のリスクがある。今回我々は，¹¹¹In–chloride骨髄シンチグラフィを施行したところ腫瘤に集積を認めた症例を経験した。脂肪成分に富む後縦隔腫瘤の鑑別診断に骨髄脂肪腫が考えられる症例において，骨髄シンチグラフィが良悪性の鑑別に有用であり，生検や外科的切除を回避することができる可能性を考え報告する。

原発性精巣扁平上皮癌の1例小田　剛 , 高橋　行彦 , 中村　由香里 , 明利　浩行 , 明石　道明 , 松村　泰成 , 小池　真生子 69巻5号 , 2024年9月 , pp.721-726

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精巣腫瘍の日本人の罹患率は人口10万対0.7～1.1と非常に低く，4歳以下と25～34歳の2峰性にピークをもつ^1）。

横行結腸粘膜下腫瘍として発見されたアニサキスによる好酸球性肉芽腫の1例竹中　耕平 , 今村　由美 , 村山　佑里子 , 足達　咲紀 , 清澤　恵理子 , 西村　章 , 岩崎　恒 , 吉山　貴之 69巻5号 , 2024年9月 , pp.727-732

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アニサキス症のほとんどは急性腹症として発症する劇症型であり，その病態は感作された状態で再感染した際のアレルギー反応である。一方で，初感染時には死滅した虫体を核とした好酸球性肉芽腫を形成するとされる。今回我々は，横行結腸粘膜下腫瘍として発見され，病理学的にアニサキスによる好酸球性肉芽腫と推定された貴重な症例を経験したので，画像診断の観点から若干の文献的考察を加えて報告する。

脾sclerosing angiomatoid nodular transformation（SANT）の1例砥上　幸樹 , 西森　美貴 , 新田　紀子 , 藤澤　和音 , 瀬尾　智 , 井口　みつこ , 宮武　加苗 , 山上　卓士 69巻5号 , 2024年9月 , pp.733-738

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sclerosing angiomatoid nodular transformation（SANT）は赤脾髄由来の腫瘤形成性のまれな非腫瘍性血管性病変であり，術前診断が難しく悪性腫瘍との鑑別が問題になる。これまでにいくつかのSANTに特徴的な画像所見が報告されており，SANTを考慮する手がかりとなる。今回我々は，画像所見において脾SANTの特徴的な病理学的所見を反映した1例を経験したため，若干の文献的考察を加え報告する。

頸静脈孔髄膜腫の1例西垣　貴美子 , 丸中　三菜子 , 長田　仁 , 田邊　新 , 岸　亮太郎 , 向井　敬 , 平木　隆夫 69巻5号 , 2024年9月 , pp.739-743

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髄膜腫は頭蓋内原発性腫瘍として一般的であるが，まれではあるものの頸静脈孔に生じることがある。今回我々は，中耳腫瘤を契機に頸静脈孔腫瘍を指摘され，生検にて頸静脈孔髄膜腫と診断された1例を経験したため，文献的考察を加え報告する。

IgG4関連冠動脈周囲炎に対する低用量ステロイド治療中に冠動脈破綻をきたした1例角谷　匡俊 , 阿部　彰子 , 古城　香菜子 , 一瀬　あずさ , 田邊　潤 , 岡崎　貴裕 69巻5号 , 2024年9月 , pp.745-749

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IgG4関連疾患においては，炎症性腹部大動脈瘤など大動脈周囲炎との関与が知られているが，中型動脈である冠動脈にも動脈周囲炎をきたす^1）。冠動脈周囲炎は狭窄型，動脈瘤型，びまん性壁肥厚型に分類され^2），心筋梗塞や動脈瘤破裂などの致死的合併症を引き起こすおそれがあるため，早期診断や適切な管理が重要である。今回我々は，IgG4関連冠動脈周囲炎に対する低用量ステロイド治療中に生じた冠動脈破綻に対してステント留置を施行した症例を経験したため報告する。

切迫破裂が危惧された感染性上腸間膜動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した1例平田　真之 , 中山　智博 , 川野　倫作 , 桃坂　大地 , 稲盛　真人 , 岩崎　教子 69巻5号 , 2024年9月 , pp.751-756

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上腸間膜動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の5.5％で認められる比較的まれな疾患である^1）。原因は感染性のものが60％前後と多く，ほかに動脈硬化性，解離性が多いとされている^2）。未破裂の感染性上腸間膜動脈瘤に対する治療法として，外科的治療と経カテーテル動脈塞栓術（transcatheter arterial embolization：TAE）があり，どちらを第一選択とするか，一定の見解は得られていない。今回我々は，切迫破裂が危惧された感染性上腸間膜動脈瘤に対してTAEを施行し，経過が良好であった症例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。

連載

今月の症例小畑　孝文 , 高見　景康 69巻5号 , 2024年9月 , pp.757-759

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画像所見　当院で撮影したdynamic CT（5mm厚画像）（図1）では膵尾部に主膵管拡張を認めた（図1B→）。また，膵尾部に限局性の膵実質の萎縮とその近傍に主膵管狭窄がみられた。膵癌に典型的な膵実質相にて低吸収で漸増性の造影効果を呈する後期濃染域ははっきりしない。しかし，同CTの平衡相thin slice画像（0.63mm厚）（図2）では主膵管狭窄が認められる部に一致してわずかな濃染域が認められた（図2→）。

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目次 69巻5号 , 2024年9月

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英文目次 69巻5号 , 2024年9月

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読者アンケート 69巻5号 , 2024年9月 , pp.670-670

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次号予告 69巻5号 , 2024年9月 , pp.760-760

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バックナンバー 69巻5号 , 2024年9月 , pp.761-761

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投稿規程 69巻5号 , 2024年9月 , pp.762-763

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編集後記 69巻5号 , 2024年9月 , pp.764-764

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基本情報

臨床放射線
69巻5号
(2024年9月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0009-9252 金原出版

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