消化器画像 8巻6号 (2006年11月)

特集 膵・胆道周囲の腫瘤性病変―後腹膜を中心に

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はじめに

 画像診断は腫瘤性病変の診断に際して中心的な役割を果たしているが,膵胆道領域の横断画像を読影する際には周辺の解剖の理解が必要である.日頃は立体的な解剖の構築に慣れていない内科医には苦手な領域かもしれない.

 膵臓は解剖学的に後腹膜腔に存在し,画像診断を行う際にはこの後腹膜腔にある臓器,組織の位置関係を理解しておく必要がある.また肝外胆管は主に肝十二指腸間膜内に存在し,隣接して門脈や動脈が走行,リンパ組織が豊富である.胆囊は肝下面の胆囊床に漿膜で固定されており,いずれも十二指腸や大腸が隣接していることは理解しやすいだろう.これら臓器の解剖学的理解は本領域にある腫瘍の質的診断,鑑別診断あるいは進展度診断や治療方針の決定に際しても必要不可欠な知識である.

 肝十二指腸間膜にある胆管や胆囊付近の腫瘤の場合には十二指腸など消化管由来の壁外発育性腫瘍とリンパ腫やリンパ節転移などが鑑別の対象となるであろう.これに対し後腹膜臓器である膵臓周囲には多彩な腫瘤性病変が存在するため,由来組織の特定が診断上重要なポイントになる.ここでは後腹膜腫瘍を中心にその画像診断についていくつかのポイントを挙げておく.

膵・胆道周囲の解剖 荒川 昭彦
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 後腹膜腔は解剖学的に,前腎筋膜,後腎筋膜,外側円錐筋膜により前腎傍腔,腎周囲腔,後腎傍腔の3つのコンパートメントに分割されている.膵臓は,前腎傍腔に十二指腸,上行結腸,下行結腸,上腸間膜動静脈の一部,肝動脈の一部,脾動脈の一部と共に存在する.後腹膜腔の3つのコンパートメントの隔壁,すなわち腎筋膜は強固で出血,炎症,腫瘍の進展を妨げる障壁となるが,その一方,薄層かつ膨脹性で,液体貯留や腫瘍増大の潜在的スペースと成り得る.胆道とは胆管と胆囊を合わせたものである.胆道の出発点は肝門部からで後腹膜にある膵内および十二指腸乳頭部に至っており,その通り道は網囊の開口部であるWinslow孔の腹側にある肝十二指腸間膜である.

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 主な後腹膜腫瘍,特に膵胆道疾患との鑑別が問題となる疾患について,病理学的特徴を述べた.本腫瘍群の特徴として,発生母地が単一ではないため,多彩な組織像を呈すること,悪性腫瘍の頻度が高いことなどが指摘された.後腹膜に発生した悪性腫瘍では,周囲に重要臓器が多く,十分な切除が困難な場合が少なくない.

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 膵・胆道周囲の後腹膜腫瘍に対する画像診断として腹部超音波検査は拾い上げ診断に有用であり,超音波内視鏡,特に超音波造影剤を用いた造影超音波内視鏡は二次検査として有用である.しかし,症例数の少ない疾患が多く特徴的な画像所見に乏しいため診断困難であることもある.当科では,後腹膜に存在する診断困難な腫瘤の確定診断目的や腫脹リンパ節の良悪性鑑別診断の目的でEUS-FNA(EUS guided fine needle aspiration)を施行しており,その成績についても検討した.成績は66例中58例(87.9%)で確定診断可能であった.EUS-FNAは比較的低侵襲に施行可能であり後腹膜腫瘍や腫脹リンパ節の診断に有用であると考えられた.

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 膵・胆道周囲の腫瘤は周囲のさまざまな臓器,組織から発生するので多彩な所見を示す.CT,MRI診断では発生部位を明らかにし,良悪性の判定,鑑別診断を行い,術前には広がりを正確に評価することが重要である.ここでは最初に膵・胆道周囲の腫瘤性病変を診断するための検査法としてのCTとMRIの主な比較,腫瘤発生部位を明らかにするためのポイント,腫瘤の性状からみた鑑別診断を解説する.

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 血管造影検査が膵癌,膵周囲の腫瘍の局在診断,進展度診断に用いられた時代は終わり,マルチスライスCTを用いたCT angiographyへと様変わりした.膵臓の特殊な血管支配と被膜を持たない後腹膜臓器である特殊性も一因である.マルチスライスCTデータを用いれば,画像劣化のない冠状断,矢状断の再構成画像診断が可能で,ボリュームレンダリングでの三次元画像と組み合わせることで,より正確な血管浸潤などの判定が可能となり,正確な進展度診断ができるようになった.血管造影検査はCT,MRで診断が不十分な場合,グルカゴノーマの診断で,動脈からの薬剤負荷後静脈採血を行う場合などにその役割が残っているにすぎない.

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 膵・胆道周囲の臓器や後腹膜の腫瘤性病変の診断に使用される可能性のあるRI検査としては肝,脾,腎,副腎皮質,副腎髄質,腫瘍シンチ,PETがある.検査の適応は検査目的と放射性医薬品の性質によって決まる.単光子放出核種による従来の検査では肝内病変の鑑別には肝コロイド,胆道シンチ,副脾の同定にはコロイドシンチ,腎病変には腎静態・動態シンチ,副腎皮質や髄質腫瘍が疑われた場合は,それぞれ皮質,髄質シンチの各製剤が用いられる.悪性リンパ腫とその広がり診断にはガリウムシンチやFDG PET,またGISTの悪性度の評価にFDG PETの有用性が報告されている.RI検査の場合,検査目的に合った放射性医薬品を選択することが重要である.

膵・胆道周囲の腫瘤性病変

副腎腫瘍 戸上 泉
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 副腎は内分泌臓器で全く由来の異なる皮質と髄質がそれぞれ別のホルモンを分泌し,バリエーションに富む腫瘍が見られる.本稿では副腎腫瘍の鑑別点を実際のCT,MRIの所見に注目して記載する.脂肪の検出やダイナミックスタディの造影パターンに着目することで鑑別が可能になることが多く,適切な撮像法の選択が正確な診断のキーポイントと考えられる.

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 膵・胆道周囲の神経原性の腫瘤性病変について,後腹膜神経鞘腫を中心に述べた.特に膵周囲の後腹膜神経鞘腫は出血壊死に伴う二次性囊胞を形成することがあり,CT,MRIなどを駆使して囊胞性膵腫瘍との鑑別を行うことが必要である.

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 膵腸管内分泌腫瘍は,診断と治療において多くの問題点があるが,それは治療の対象がホルモン過剰産生による臨床的な症候群と,腫瘍そのものによる症状,さらには転移など悪性の可能性などを考慮した治療を,総合的に行われなければならないからである.膵臓,下部胆道は十二指腸の同一の原基から発生するため内分泌腫瘍は,膵臓,十二指腸や胆道系に発生する.また機序は不明であるが十二指腸や胆道以外にも膵周囲リンパ節や腸間膜組織にも原発性の内分泌腫瘍が見られることがある.膵腸管内分泌腫瘍の疑いがあり,膵臓,十二指腸に腫瘍を検出できない場合には,胆道,腸間膜,リンパ節などの病巣を念頭に置いて精査しなければならない.そのためには選択的動脈内刺激薬注入試験や受容体シンチグラムが有用である.

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 パラガングリオーマ(傍神経節腫;paraganglioma)は副腎外褐色細胞腫とも呼ばれ,カテコールアミン(CA)を産生する機能性腫瘍であることも多い.腫瘍は膨張性に発育し,血流に富み大きくなるにつれ内部に変性壊死を来たす.CT,MRIでは造影早期から辺縁部が強く造影され,次第に内側も造影されてくる.USや超音波内視鏡では低~高エコーまでさまざまなパターンを取るが内部には囊胞構造を認めることが多い.また囊胞性腫瘍として捉えられる場合もある.機能性であればMIBGシンチグラフィが陽性となる.後腹膜発生例では悪性率が高いとされ,外科的切除が基本であるが鏡視下手術が主流になりつつある.

脂肪性腫瘍 荒川 昭彦
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 膵,胆道周囲の脂肪性腫瘍とは,後腹膜腔の前腎傍腔(anterior pararenal space)から肝十二指腸間膜(gastroduodenal ligament)にかけて発生した脂肪性腫瘍である.一般に後腹膜腫瘍とは腎,副腎,尿管,膵,消化管,大血管などの後腹膜腔臓器以外から発生したものを言う.脂肪の存在の診断は単純CTでの低吸収域,MRでのT1強調画像での高信号,脂肪抑制画像での低信号,in phase,out of phaseでの信号変化等で行い,MRのほうが鋭敏である.後腹膜腫瘍の中では脂肪肉腫(Liposarcoma)が最も高頻度で,その他としては脂肪腫(Lipoma),骨髄脂肪腫(Myelolipoma),血管筋脂肪腫(Angiomyolipoma)等が挙げられる.脂肪腫と高分化脂肪肉腫の鑑別が問題で境界の性状,内部の性状に注意するが,鑑別出来ないこともある.

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 膵・胆道周囲に腫瘤を来たす病変の1つとして,悪性リンパ腫が挙げられる.悪性リンパ腫の形態的特徴は,①多発するが必ずしもリンパ流に沿った病変進展を呈さない,②未治療の症例では内部性状が均一で壊死変性は稀である,③比較的サイズの大きなものが多く,癒合傾向を呈する場合がある,④血管閉塞を来たしにくい,⑤血管新生は高度ではない,などが挙げられる.また,ガリウムシンチグラフィー,FDG-PET,MRI拡散強調画像で高信号を呈する特徴を有する.鑑別診断には,さまざまな肉腫,神経原性腫瘍(schwannoma,paraganglioma),胚芽腫,血管腫,リンパ管腫などの腫瘍に加え,転移性リンパ節,サルコイドーシス,Castleman disease,結核などの感染性リンパ節炎などのリンパ節病変が挙げられる.

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 血管腫,リンパ管腫が膵・胆道周囲に発生する頻度は,軟部発生に比してかなり稀であるが,良性の原発性腸間膜腫瘍に絞れば,リンパ管腫が約30%,血管腫が約15%と頻度は比較的高い.軟部発生と比べると腹部では両腫瘍共に毛細管型がほとんどみられないこと,比較的大きくなってから発見されることなどが異なる点である.また,画像所見は軟部発生の場合とほぼ同様であるが,腹部領域では発生部位の特定を含め隣接する臓器特有の疾患との鑑別が難しいことなどより,術前に診断できる症例はかなり少ないのが現状である.

 診断にあたっては,多房性の囊胞の際はリンパ管腫,MRI T2強調像で著明な高信号で造影効果を有する充実性の場合は血管腫の可能性を常に考慮することが肝要である.

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 Malignant Fibrous Histiocytoma:MFH)は発生部位の約半数が四肢で,後腹膜原発はMFH全体の9~13%の頻度である.MFHは中高年に多い他は,特異的な臨床症状や画像所見に乏しく,術前診断が困難でかつ予後不良である.今回,以前当科において報告した症例(後腹膜MFH:腎周囲組織に発生したMFH)を中心に概説する.

後腹膜奇形腫 福永 淳 , 五十嵐 誠冶
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 後腹膜奇形腫は小児に発生する代表的な腫瘍であり,成人例の報告は少ない.典型例では画像診断,特にCT,MRI,超音波検査にて術前診断が可能である.しかし,良悪性の判断は術前の画像診断では困難であり,治療および病理学的診断の必要性から,外科的切除が第一選択となる.最近では開腹術とともに腹腔鏡下切除も行われている.今後その適応症例は増加すると予想されるが,腹腔鏡下手術時に初めて主要血管・腹腔神経叢などの周囲組織への癒着・浸潤がわかり,開腹術への変更を余儀なくされることもあることから,腹腔鏡下切除の選択には慎重を期すべきであろう.

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 近年,GISTの概念はほぼ確立し,現在では消化管間葉系腫瘍の大部分を占める1つの腫瘍型とみなされている.しばしば後腹膜腫瘍や膵腫瘍との鑑別が問題となる症例が存在する.胃・十二指腸GISTの発育進展様式の特徴は胃では内腔発育型が多く,十二指腸では壁外性発育が多い傾向にある.また十二指腸GISTは多血性であることが多い.そのため十二指腸GISTは内視鏡所見に乏しい場合があり,他臓器由来の多血性腫瘍と鑑別が問題になるが,超音波内視鏡で筋層から連続する腫瘍として描出すること,MDCTで周囲臓器との関係を把握することが重要である.

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 膵内副脾や膵尾部近傍の副脾の画像診断には,脾臓の発生に基づいた解剖学的知見,脾臓特有の組織構築,脾臓が網内系組織であることを踏まえた画像診断を行う必要がある.特に膵尾部に多血性病変を認めた場合には,膵内副脾の可能性を念頭に置いて,各モダリティの特徴を生かし総合的に判断すべきである.

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 後腹膜線維症の診断としては,上部尿路通過障害の検索を行い,その原因が管外性の圧迫であることを確認すること.さらに大動脈,下大静脈辺縁の不明瞭化と腫瘤性病変の存在が確認できれば比較的容易に本症を診断できる.CTにおいて,大動脈周囲に筋肉と同程度の吸収値を示す軟部組織濃度の腫瘤形成を認め,大動脈,大静脈周囲の脂肪組織濃度領域は消失し,進行例においては,大血管は狭小化する.MRIでは,T1強調像において均一な低~中等信号がみられ,T2強調像においては低~高信号を呈する.T2強調像での信号強度が本症の活動性に相関するといわれており,活動期ではT2強調像で不均一な高信号を示すのが特徴である.

膵・胆道周囲の腫瘤性病変の治療

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 副腎摘除術の後腹膜鏡下アプローチは,位置関係の把握が難しく,操作スペースも狭いために小さな副腎腫瘍のみに適応があるとされてきたが,現在は10cmまでの腫瘍や褐色細胞腫に対しても多くの施設で施行されている.これは多数の腎臓摘除術症例の経験による手術手技の発達と器具の進歩によってもたらされた結果である.この後腹膜鏡下副腎摘除術のポイントは腎上極をメルクマールとして腎上縁を露出して,その内側脂肪織を剥離して副腎の同定を行うこと,副腎の周囲剥離は周囲の結合織を剥離して,副腎表面に力をかけないこと,そして最後に中心静脈を確実に処理することである.

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 膵体尾部およびその周囲後腹膜領域の腫瘍に対しても腹腔鏡手術の適応が拡大している.しかしその解剖学的特性から,視野が取りにくく術中操作も困難な場合が多い.当科では“前方アプローチ”と“側方アプローチ”の両方の利点を活かした前側方アプローチを開発した.すなわち軽い(約30°)半側臥位でPortの挿入位置をやや前方寄りに設定した方法である.本アプローチは視野良好でベッドのローテーションにより術野の可変性も高いため,安全かつ確実に腹腔鏡手術が可能であると考えられる.膵体尾部のIPMN症例と左側後腹膜腫瘍(神経節細胞腫)の症例を呈示する.

Clinical Challenge―この画像から何が読めるか?

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患者 67歳,女性,主訴 なし(膵頭部囊胞性病変精査加療目的).

現病歴 両下肢の浮腫が出現.近医のUSで腎腫瘍を指摘された.精査目的の腹部CTにて腎腫瘍および膵頭部に,径40mmの多房性囊胞性病変を指摘され精査加療目的に当科紹介入院となった.

既往歴 30歳時 虫垂炎,家族歴 長男,白血病.

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患者 54歳,女性,主訴 なし.

現病歴 施設検診時の腹部超音波検査にて膵尾部の病変を指摘された.

既往歴,家族歴,飲酒歴 なし.

技術講座 ERCP関連手技のコツ―私はこうしている―

最終回 ERBDとENBD 田中 聖人
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はじめに

 EBDとENBDは閉塞性黄疸,急性胆管炎に対する初期治療として大変重要なものであり,胆道内視鏡医を標榜する以上,確実かつ安全に行うことが求められるものである.今回は手技に対する筆者の考えを中心に本手技のコツを概説する.

 なお,当院では旧来『EBD:Endoscopic biliary drainage』ではなく『ERBD:Endoscopic retrogarade biliary drainage』という用語を頻用1,2)しており,本文中は『ERBD』という用語を使用することをご容赦いただきたい.

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はじめに

 内視鏡的逆行性胆道ドレナージEBD(endoscopic biliary drainage)1),内視鏡的経鼻胆道ドレナージENBD(endoscopic nasobiliary drainage)2)はいずれも,内視鏡的逆行性膵胆管造影法ERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)の手技を応用した経乳頭的胆道ドレナージ法であり,EBDは乳頭部から短いステントチューブを挿入し胆道と十二指腸を内瘻化する方法で,ENBDは乳頭部から胆道内に長いチューブの一端を挿入し,他端を鼻腔から体外に出す経鼻的外瘻法である.それぞれのドレナージ法には長所,短所があり,原因疾患の病態に応じて選択する必要がある.本稿では処置具の種類(メタリックステントを除く),手技の実際とコツ,留置後の管理について解説する.

連載 膵癌類似病変―その臨床と病理【最終回】

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 本連載も最終回となった.今回取り上げる脂肪腫は膵の限局性腫瘤を呈するため,膵癌との鑑別診断が問題となる.

症 例

症例 66歳,男性.

主訴 全身倦怠感,口渇.

現病歴 全身倦怠感,口渇にて当院内科入院した.血中カルシウムとPTH上昇とともに頸部のUSとCTで甲状腺左葉下極後方に1.5cmの腫瘤を認め,精査,加療目的にて転科となった.

既往歴・家族歴 特記事項なし.

理学的所見 特記事項なし.

血液検査 血中Ca:17.1mg/dl,Na:160 mEq/l,K:3.8mEd/l,Cl:108mEq/l,PTH:28,000pg/ml,インタクトPTH:720pg/ml,膵腫瘍マーカー:CEA:<0.5ng/ml,CA19-9:<6U/ml

頸部US 甲状腺左葉下極に16×10mmの低エコー腫瘤を認める.

頸部CT 甲状腺左葉下極に6~7mmの低吸収な腫瘤を認める.

腹部CT 膵頭部に低吸収域(図1)を認め,造影で明らかな濃染はみられない.

MRI 膵頭部に低吸収域(図2a~c)を認め,増強効果(図2d,e)を認めない.脂肪抑制のT1強調画像でシグナルの低下(図2g)を認め,限局性の脂肪浸潤が考えられる.

MRCP 膵管,胆管に著変を認めない(図3).

術後経過 副甲状腺腫の診断で鏡視下腫瘤摘出術を施行し,術後血中Ca値も正常化し,術後10日退院した.切除標本の病理診断は副甲状腺腺腫であった.術後2年生存中である.

基本情報

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消化器画像
8巻6号 (2006年11月)
電子版ISSN:1882-1227 印刷版ISSN:1344-3399 医学書院

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