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特集 膵・胆道周囲の腫瘤性病変―後腹膜を中心に
序/膵・胆道周囲の腫瘤性病変―後腹膜腫瘍を中心に
Tumors Located Around the Pancreas and Biliary Tree―Diagnosis of the Retroperitoneal Tumor
下瀬川 徹
1
,
朝倉 徹
1
Tooru SHIMOSEGAWA
1
,
Tohru ASAKURA
1
1東北大学病院消化器内科
1Department of Gastroenterology,Tohoku University Hospital
キーワード:
後腹膜腫瘍
,
後腹膜囊胞性腫瘍
,
腹部画像診断
,
beak sign
,
embedded organ sign
Keyword:
後腹膜腫瘍
,
後腹膜囊胞性腫瘍
,
腹部画像診断
,
beak sign
,
embedded organ sign
pp.655-660
発行日 2006年11月15日
Published Date 2006/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100214
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はじめに
画像診断は腫瘤性病変の診断に際して中心的な役割を果たしているが,膵胆道領域の横断画像を読影する際には周辺の解剖の理解が必要である.日頃は立体的な解剖の構築に慣れていない内科医には苦手な領域かもしれない.
膵臓は解剖学的に後腹膜腔に存在し,画像診断を行う際にはこの後腹膜腔にある臓器,組織の位置関係を理解しておく必要がある.また肝外胆管は主に肝十二指腸間膜内に存在し,隣接して門脈や動脈が走行,リンパ組織が豊富である.胆囊は肝下面の胆囊床に漿膜で固定されており,いずれも十二指腸や大腸が隣接していることは理解しやすいだろう.これら臓器の解剖学的理解は本領域にある腫瘍の質的診断,鑑別診断あるいは進展度診断や治療方針の決定に際しても必要不可欠な知識である.
肝十二指腸間膜にある胆管や胆囊付近の腫瘤の場合には十二指腸など消化管由来の壁外発育性腫瘍とリンパ腫やリンパ節転移などが鑑別の対象となるであろう.これに対し後腹膜臓器である膵臓周囲には多彩な腫瘤性病変が存在するため,由来組織の特定が診断上重要なポイントになる.ここでは後腹膜腫瘍を中心にその画像診断についていくつかのポイントを挙げておく.
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