Japanese
English
特集 炎症性肝腫瘤―診断・病理と治療選択
肝炎症性偽腫瘍
Inflammatory Pseudotumor of the Liver
廣橋 伸治
1
,
丸上 永晃
1
,
廣橋 里奈
1
,
北野 悟
1
,
高橋 亜希
1
,
岡田 博司
1
,
阪口 浩
1
,
吉川 公彦
1
Shinji HIROHASHI
1
,
Nagaaki MARUGAMI
1
,
Rina HIROHASHI
1
,
Satoru KITANO
1
,
Aki TAKAHASHI
1
,
Hiroshi OKADA
1
,
Hiroshi SAKAGUCHI
1
,
Kimihiro KICHIKAWA
1
1奈良県立医科大学放射線科
1Department of Radiology,Nara medical University
キーワード:
肝炎症性偽腫瘍
,
CT
,
MRI
Keyword:
肝炎症性偽腫瘍
,
CT
,
MRI
pp.219-224
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100033
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要旨 炎症性偽腫瘍(Inflammatory pseudotumor;以下IPT)は,原因不明の肉芽組織からなる腫瘤性病変であり,原発臓器としては肺が最も多く,眼窩,口腔内,耳下腺,胸膜,肝,胃,卵巣,後腹膜などの多臓器に及ぶことが知られている.肝IPTは,1953年にPackらによって初めて報告され,線維化の強い悪性腫瘍との鑑別がしばしば問題となる稀な疾患である.
Post-inflammatory tumorやplasma cell granulomaはIPTの同義語と解釈されているが,肉芽腫性肝膿瘍も臨床症状,病理組織および画像所見としては共通している部分が多く,共通の疾患群であるという説もあり,少なくとも臨床の取り扱い上は同一であることから,1つの疾患群と考えて良いと思われる.また,最近ではIPTはinflammatory myofibroblastic tumor(IMT)と呼称されることもあるが,IMTはIPTの一病型であるとの考え方もあり,肝の文献では未だIPTとされているもののほうが多いため,本稿ではそれぞれの文献に基づきIPTやIMTと記載させていただくこととした.
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