訪問看護と介護 8巻1号 (2003年1月)

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 “居住福祉施設化”への新しい波

 高齢者は,状態の安定しているときもあり,他の病気の再発や全体的な病態が悪化するときもあります。そして,いずれターミナル期がやってきます。病態変化の境界も不鮮明ですから,質の高い療養型治療機関がそばにあって,いつでも必要なときに援助してもらえる仕組みがないと介護家族は訪問系サービスメニュー(介護,看護)のみではとても不安で,在宅ケアを続ける気力はどんどん低下していきます。これはごく自然の心情です。

 今も昔も,長期施設サービスと在宅サービスとは別物と考える人が多いのですが,これは長い間続いた法制度の“しばり”に馴らされてきた影響によるものでしょう。その最たる例が措置制度です。ここから発想を転換し,利用者のニーズ中心の諸サービスを協働的にアレンジすることが援助者に強く求められるようになりました。そのように進めるには在宅サービスシステムの強化しかないということで,介護保険制度は導入されたと言えるでしょう。実際介護保険開始後には,施設(長期滞在を託する者)と在宅(地域に暮らしつつ居宅へのサービスを選択する者)サービスの地平を広げるために,新しい発想にむけて果敢に挑戦する各種施設・機関の従事者の活動が目立つようになりました。その1つが特別養護老人ホームや老人保健施設の個室化・ユニットケアの運動です。21世紀介護施設の鍵概念は「居住福祉型施設」だといいます。「施設から自宅へ,自宅から在宅へ」住まい環境そのものを住宅型福祉にという考え方です。

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 介護保険制度でサービスの量的充足は進みつつあるが…

 介護保険制度が始まってから在宅の高齢者のケアの状況が大きく変わってきたように思える。痴呆性の高齢者のいる家庭では介護保険を利用してさまざまな介護サービスを手軽に利用できるようになった。その点では大きな前進があったというべきだろう。しかし,介護保険制度の枠組みのなかで実際に行なわれているケアの内容や質をみると,まだ多くの問題を抱えているのも事実である。

 筆者がとくに問題と感じているのは,在宅の痴呆性高齢者への専門職側からのアプローチの仕方にある。在宅の痴呆性高齢者の介護の問題が在宅サービスセンターや自治体の窓口に持ち込まれると,まず介護認定を受けるよう指導が行なわれる。それはそれで必要なことではあるが,その後介護認定の度合いにもとづいてケアプランが立てられる。介護サービスを受ける在宅の痴呆性高齢者のなかには,家族の疲弊が強いために差し迫ったケアと保護の必要性が先行して,本人の病状の医学的評価や治療の努力がなおざりになったままサービスのみが実施されているケースも少なくない。

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 制度創設後の11年を振り返って

 1992年4月,わが国第1号の訪問看護ステーションが事業開始してはや11年目を迎えた。訪問看護ステーションの制度創設は,看護の歴史に新たな一幕をあけたエポックメイキングな出来事と言えるが,訪問看護をライフワークにしている者としてもこの制度創設には思い入れが深い。それまでの私たちの実践が実を結んだという感慨とともに,“地域で看護職が「開業権」を得た”というその時の感激は今も薄れることはない。

 制度なき70年代半ばから訪問看護婦として道を切り開いてきた立場で現在を眺めると,制度創設後10年で5000か所を超える事業所が看護職の手で運営されるという足早な動き自体が,たとえ課題山積で厳しい状況がステーションを取り巻いていたとしても,地域医療に貢献し前進している証だと実感できる。そして2000年4月実施の介護保険制度下では民間事業者として文字通り看護職も開業権を手にし,訪問看護ステーションのみならずケアマネジメント機関としても,また訪問介護やグループホームなどさまざまな事業者としても活躍する場ができてきた。まさに「21世紀は看護の時代」の予感である。

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 緊急入院に訪問看護師が果たした役割

 ある休日の午前,私は独居の某老人の容態が気になり訪問診療に出向いていました。最近は病状も安定していて,定期的な訪問診療と訪問看護を提供していましたが,数日前から食事が十分に取れなくなり,独居で生活は困難なので入院が必要と判断されました。その場で,市内の病院に連絡を取り診療の承諾を得て救急車を呼びました。老人ひとりでは心もとないので私も救急車に同乗し病院に向かったのですが,揺れる車内で老人の生活用品を何ひとつ持って来ていないことに気づいたのです。連絡が取れる親類もなく今後の入院生活を考えると心配でしたが,今は受療を優先し,生活面のことは二の次として考えるのを止めました。しばらくして病院に到着,当直医に病状の説明をし,診察の結果から入院となりました。

 入院が決まると,先ほど考えていた入院生活のことが心配になってきました。私は休日のために躊躇していましたが訪問看護師に連絡を入れて状況を説明しました。その看護師は,気持ち良く状況を了解し,すぐに病院に行くと申し出てくれました。落ち着かない気持ちで病院の玄関を出たり入ったりして訪問看護師の到着を待っている私の視界に,いつもの訪問車が見えてきたときは,曇った気持ちが一気に晴れる思いでした。

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 痴呆患者も“当たり前”な最期を

 ―ぼけ症状のある人の介護は,それは大変です。やってみなければ分からない…と言っても言いすぎではありません。―これは(社)呆け老人をかかえる家族の会の入会案内書にある最初の言葉です。1980年1月に発足したこの会は,孤立無援の状態であったぼけ症状のある人との生活を家族同士が寄り添うことで励ましあい,助け合う組織として活動が始まりました(2002年現在40都道府県に支部)。

 神奈川県支部では,まずは体験を話し合い,社会福祉協議会の援助を受け「『呆け』をご存じですか」という「呆け」の理解と介護の手引き書(県内初の介護読本)を発行しました。

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 勝手が違った訪問看護ステーション制度

 私が理事兼ケアマネジャーを務めているサポートハウス年輪は,NPOから出発した在宅ケアサービス事業です。「地域でいつまでも暮らし続けるために」をモットーに24時間在宅ケアサービスを提供する事業をスタートさせた1994年3月当時,市内に訪問看護ステーションはありませんでした。在宅でいつまでも,そして,できれば自宅で死を迎えたいという希望をかなえるには医療・保健との連携は不可欠です。1日も早い訪問看護ステーションの開設を願っていました。

 しばらくして,私たちの事務所に近くの医療法人が訪問看護ステーションを開設し挨拶に来られたときは,本当に夢が広がる思いがしました。

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 書き出しを経済問題とした。社会保障の土台を先ず論じてみたい。皆さんには違和感があると思うが,「訪問看護」や「看護師」の将来のあり方を左右してしまう重大なことなので,是非とも読み切っていただきたい。

 老後は住み慣れた自宅で療養して,それまでの生活を継続することが何よりも幸せな人生だ,と歯の浮くようなヒューマニズムを行政は語る。訪問看護の重大性を,ようやく行政も認識できるようになったと言っていい。

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 事故要因の分析について

 介護保険の施行前後から,急性期段階の医療事故だけでなく,長期ケア段階で利用者に生ずる事故(いわば長期ケア事故)についての関心も急速に高まってきた。現在では,訪問看護事業所のほとんどが,事故報告書やヒヤリ・ハット報告書を作成するようになっている。しかし,報告書を作成するだけでは意味はなく,その分析が必要である。ところが,事故要因の分析の手法については,いまだ十分に検討されていないように見受けられる。実際,報告書は集めたものの,どのように分析したらよいか分からないため,結局は,報告書に作成者の反省を付記する程度で検討を終えてしまっているところもある。

 分析手法についても注意を払っている事業所のなかには,いわゆる4M法やSHELモデルなどを用いて事故要因を分析しているところもある。4M法とは,ミスを起こした職員の個人的,生理心理的条件と直接行動要因のほか,その職員を取り巻く背後環境のなかにも重要な事故要因が存在するとの考え方に立って,職場でのタテ,ヨコの人間関係等(Man)や,装置や機器などの物的要因(Machine),作業情報,作業方法と環境(Media),安全法規による取り締りや規制,点検管理のほか,指揮監督や指示の方法,そのフィードバック,教育訓練の問題(Management)と事故との関連性を分析する手法である1)。また,SHELモデルとは,Liveware(システムの使用者としての人間)を中心にしながら,人間と機械・装置(Hardware)との整合性(L-H)や,人間と手順・マニュアルなどのシステムの非物理的側面(Software)との適合性(L-S),人間と環境(Environment)との適応性(L-H),人間同士の関係(L-L)のうちに誤りの原因を見いだそうとする分析方法である2)

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拝啓

 厚生労働省の12階の窓から,日比谷公園の色とりどりの美しい紅葉が眺められますが,そろそろ冬支度に入ったようです。多忙な毎日を送っておりますが,ふと季節の変化に驚かされます。

 私ごとですが,老健局老人保健課に異動して1年7か月が過ぎました。老人保健課の分掌事務は,医療以外の保健事業の企画調整,調査,運営・計画の推進に関すること,要介護・要支援認定に関すること,介護報酬に関することとなっています。老人保健課という名称から,介護報酬の見直しに関する仕事をしているとは想像しがたいかもしれませんが,本課が中心となって,2001年10月22日に第1回社会保障審議会介護給付費分科会を立ち上げ,これまで16回にわたりたいへん熱心なご審議をしていただきました。介護報酬の見直しに当たっては,在宅の重視,サービスの評価,効率化・適正化,介護保険サービスの整合性という4つの視点を掲げるとともに,介護報酬についての議論に止まらず,2年後に迫った介護保険制度そのものへの見直しについてのご意見も幅広くいただきました。これから,いよいよ大詰めの段階ですが,最近の物価・賃金の下落傾向や介護サービスの増大に伴う保険料の上昇等の現状を反映し,相当厳しい内容になることが予想されます。

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編集室より

 平成14年5月に発足した『新たな看護のあり方に関する検討会』。この検討会は,在宅における医療処置についてもう少し整理したいという意図があって発足したという印象を受けます。このたび中間報告がまとめられ,一般紙など多くの扱いでは,静脈注射を看護師にさせるかどうかが中心のようになっていますが,真の意図は,日本で在宅医療を広げていくために,看護師にどこまでの医療処置を担ってもらえばいいか,あるいはそのためにどういう教育や環境整備をしていけばいいかということを検討することにあったのかと思います。そこで,座長でもある川村佐和子氏と,日々現場で奔走されている乙坂佳代氏に在宅の抱える問題,今後の展望について対談していただきました。

 新たな看護のあり方に関する検討会

 設立の経緯

本誌 まず,新たな看護のあり方に関する検討会の趣旨と,看護師による静脈注射が解禁となった今回の流れについてお話し下さい。

連載 訪問看護 時事刻々

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 来春の介護報酬改定に向けて,厚生労働省の介護給付費部会が再開した。10月末に行なわれた部会では,平成14年介護事業経営実態調査の結果が報告され,具体的な単位数決めに向けて,いよいよ資料が出そろった。この調査は,介護報酬を決める際の基礎資料の収集のために,平成14年3月の収支状況を調査したもので,全国の介護保険施設,居宅サービス事業所および居宅介護支援事業所の1/2~1/3を調査対象としている。

 最も注目されたのは,事業所種別ごとの収支状況。まず介護保険施設はいずれも経営が好調であることを示した。介護老人福祉施設は12.2%(281万円/月)の黒字,介護老人保健施設は11.6%(386万円/月)の黒字,介護療養型医療施設(療養病床等60%以上の場合)は5.4%(189万円/月)の黒字(いずれも補助金を除いて計算。以下同)。介護保険制度が始まる前は,順に,5.6%の赤字,3.1%の黒字,7.9%の黒字であったことを思い出すと,介護保険制度によって,特に介護老人福祉施設と介護老人保健施設の経営状況が大幅に改善されたといってよい。

連載 在宅で必要なクスリの知識と服薬のコツ 10

抗うつ薬 藤澤 節子
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 高齢者の喪失感

 高齢者は精神的にも,肉体的にも,少しずついろいろなものを失いながら長い人生の幕引きを迎えます。まだ働けるのに退職により職を失い,子供たちは独立し,配偶者,友人を次々に亡くし喪失体験が増えてきます。このような高齢者の在宅にうかがうと,喪失体験によるさびしさに耐えきれず,心を閉ざしたり,脳梗塞や老年痴呆などの身体的疾患や,薬の副作用から,うつ傾向になるお年寄りがたくさんおられます。気が沈んで,夜も眠れず,食欲もなく,全く何もできない状態です。社会的には,高齢化により,軽いうつ病や仮面うつ病の患者さんが増えています。

 在宅での長い関わりのなかで初めてお会いした時はお元気で,前向きだったのに,喪失によって生活が一変してしまう方も少なくありません。高齢者でなくても,うつ病の有病率は5~6%といわれるように頻度が高い疾患です。食欲不振,不眠,意欲低下などは,高齢者にとっては,即ADLの低下につながります。高齢者のQOLを保つためには,うつ病になる原因を除くことや,薬物治療によって,コントロールすることが大切です。

連載 くせものキーワード 第20回

ADL 藤井 博之
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 ADL(Activities of Daily Living)という言葉は,介護や看護,医療,リハビリテーションの世界でとてもよく耳にします。寝返りをうつ,起きあがる,立つ,乗り移る,歩く,衣服を脱ぎ着する,食事をする,排泄をする,入浴するなどの行為がどのくらいできているかを表しています。日本語では,ふつうは日常生活動作,時には日常生活行為,日常生活活動などと訳されます1)。「ADLの自立していない人の介護は,手間がかかる」「ADLの悪い人が入れるような病室は,空いていない」「ADLを拡大することが,リハビリテーションの目標だ」といったように使われます。

 人が自分の身体で行なう行為や動作は生活のもっとも基本になる活動ですから,介護・看護や医療で援助をするとき「ADLの自立度」を評価してはじめて,その人にあわせた計画をたてることができる,というわけです。

連載 快適な療養生活のために 生理人類学への招待―22

看護・介護と快適性 岩永 光一
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はじめに

 「快適な生活を送りたい」,私たちは誰もがそう願っています。私たち人間は快適な生活を求めてさまざまな知恵をめぐらし,技術を産み出し,今日の繁栄を築いてきたと言えます。飛行機や自動車・コンピュータなどのハイテク機器から身近で日常的な生活の知恵まで,すべては快適を求める人間の願望の産物であると言っても過言ではないでしょう。

 快適(性)という言葉はこのように人間の願望の本質的な部分に関わるものですから,多くの工業製品や住宅など,快適であることを謳った商品を多くみることができます。しかし,快適であるか不快であるかということは,あくまでも人間の状態に即して決定されることで,さまざまな環境要素やモノは快適の条件を備えることはできても,決して快不快を決定するものではありません。同じ音楽が,聞く人によって快適にも不快にも感じられることからも,ご理解いただけると思います。

 人間の存在は多様なものです。理想的な人間像を追求しても,決して現実の問題解決につながらないことは言うまでもありません。ましてや,不幸にして病床にある方々では,その病や障害の原因や程度にそれぞれの事情がありますからなおさらのことでしょう。人間の存在の多様性を見つめる生理人類学の考え方は,看護・介護の領域にも大きく貢献するものです。

 これまでの本連載では,「住居」「衣服」「寝具」「食生活」「音楽」など,快適を獲得するための個々の具体的な手段や考え方について,多くの専門家の先生方が紹介されてきました。今回は,いま一度基本に立ち戻り,人間にとって快適であるとはどのようなことなのか,生理人類学の考え方を紹介してみたいと思います。

連載 地域ケアネットワークを広げるということ 地域ケアの実践者へのインタビューから その7

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 本欄ではこれまで,6人のネットワークづくりの「達人」たちに,地域ケアネットワークを広げることについてのインタビューを行なってきた。

 6回の連載記事の中で紹介した「達人」は,次の方々(所属,本誌掲載巻号:掲載ページ)である。

1)杉田美佐子さん(前,旭医療センター訪問看護ステーション,7巻1号:74-79)

2)鬼海博美さん(逗葉地域医療センター居宅介護支援事業所,7巻3号:240-245)

3)三縄久代さん(衣笠病院浦賀ケアセンター,7巻5号:588-592)

4)九里美和子さん(滋賀県済生会訪問看護ステーション,7巻7号:588-592)

5)伊東きよみさん(佐々訪問看護ステーション,7巻9号:763-767)

6)竹永和子さん(マザーリング&ファミリーナーシング研究所,7巻11号:934-938)

 今回は連載のまとめとして,インタビューの中から見えてきた,ネットワークを広げることによってもたらされるいくつかの共通するメリットやその意味について述べたい。

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 在宅療養において摂取量が低下し栄養摂取が困難になると,経口タイプの経腸栄養剤を処方されることが多い。しかし経腸栄養剤はその特有の風味と味のバリエーションが限られているために,継続して飲用したり,多量に摂取することは難しい。すなわち経腸栄養剤の飲用は栄養摂取の手段として有効なものであっても,なかなか受け入れられないのが現状である。そのため,「どうしたら飲みやすくなるのか」「料理に応用できないのか」といった問い合わせは多い。

 そこで筆者らは,経口タイプの栄養剤や濃厚流動食も料理の素材の1つと考えて,料理や献立への応用を試みている。

新連載 聞いて腑に落ちる病気の話 第1話

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 病気はなぜ起こるのか,起こるとどうなるか,起こらないようにするにはどうすればよいか。在宅療養者の合併症対策,家族の健康管理に不可欠なこれらの知識を,訪問看護師は相手にわかる言葉で説明し療養に生かしてもらわなければならない。

 易しく話すことほど難しいのは日々よく経験するところ。地域住民への健康教育で磨き上げた話術を小樽市保健所の秋野恵美子医師にご紹介いただく。

 風邪とインフルエンザの違い

 風邪とは何か? 風邪は言い換えると,「風邪ウイルスによる経気道感染症」です。つまり,風邪ウイルスという小さな微生物が,気道つまり呼吸器(口から肺まで)に,からだの外から入ってくる病気。では,同じようにインフルエンザを言い換えてみると,「インフルエンザウイルスによる経気道感染症」となります。

 あれ? 風邪とインフルエンザ,あまり違わないのでは?? 違っているのは,「風邪ウイルス」か「インフルエンザウイルス」だけ?

 そうなんです。風邪もインフルエンザも,原因はともにウイルスで,その“名前”が違うだけなのです。「風邪ウイルス」というのは,実は,多くの種類のウイルスを総称したもの。一方インフルエンザウイルスは,特別たちの悪いウイルス,だから特別扱いというわけです。

新連載 海外のホームケアから

アメリカにおける在宅ホスピス事情・1

歴史と現状 福井 小紀子
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はじめに

 アメリカの中西部に位置するミズーリ州セントルイス市にあるBarnes-Jewish-Christian Hospice(以下,BJCホスピスと略)という在宅ホスピスを視察する機会を得た。本稿では,アメリカのホスピスについての文献レビューならびに,看護職(以下,ナースと略),ソーシャルワーカー(以下,MSWと略),チャプレン,ホームヘルスエイドとの同行訪問,教育ディレクターへのインタビュー,チームミーティングへの参加などを通して得た情報をもとに,アメリカの在宅ホスピスについて,①歴史と現状,②運営システムおよび,③各チームメンバーの役割の順に連載する。さらに,わが国における在宅ホスピスケアのあり方について考察する。

新連載 リスクマネジメントに取り組む①

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はじめに

 1992年4月に訪問看護制度が始まって10年が過ぎ,現在では全国で5000か所以上の訪問看護ステーションが設置されています。また,2000年4月には介護保険制度が導入され,在宅ケアの医療系サービスの中心的役割として訪問看護サービスが活用されています。

 私が所属する医療法人財団石心会では,1993年8月に神奈川県で最初の訪問看護ステーションとしてさいわい訪問看護ステーションを開設しました。その時の初代管理者が私です。その後,1996年8月にさいわい訪問看護ステーション夢見ヶ崎,1997年7月にさいわい訪問看護ステーション鹿島田を開設し,訪問看護ステーション3か所で川崎市幸区内に訪問看護を提供しています。2002年11月現在の各ステーションのスタッフ数,利用者数,訪問件数は表1の通りです。

 法人内(川崎地区)の訪問看護ステーションが3か所になってからは,各訪問看護ステーションの管理者と統括である私の4名で毎月管理者会議を開き,運営方法や研修企画等を検討してきました。特に,2000年4月からの介護保険制度導入にあたっては,開設以来の大きな制度変更であったため,慎重に念入りに準備を進めてきました。それでも,介護保険開始前後は大わらわの状態で,管理者はよく頑張りましたが,スタッフもへこたれずについてきてくれたと感謝しています。そのゴタゴタがようやく一段落したのは,半年が過ぎた9月頃でした。

 その頃に,今後の当訪問看護ステーションのあるべき姿のイメージは何なのだろう……と考えたとき,「利用者に安心・満足して利用していただける看護サービスの提供」「安定した経営」「スタッフがやりがいをもって生き生きと働けるような職場」という3つのキーワードが出てきました。そして,それらを整えていくためには,今何を準備していかなくてはならないかを考え,1つひとつの取り組みを具体化する必要がありました。その中の1つが「リスクマネジメント」でした。

文ちゃん日記④

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 文ちゃんの日課は,朝,コンビニに新聞を買いに行くこと。

 素早く計算ができないので,とりあえずお札を出す。お札で支払いをするので小銭がたまる。

いまどきの学生点描 学園の向こう側 4

アルバイト生活 神谷 栄子
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「自炊している人は?」

男子が1人手を挙げた。

「で,朝は何を食べてきたの?」

「んー……なんとなく」

 福祉ビジネスコースでは金曜日の1~2時限(9時半~11時20分)に私の授業がある。この学生は2時限目にひょいと教室に顔を出し,遅刻届を提出する。

「寝坊した」

「道路事情,渋滞」

「二度寝した」

 毎回こんな状態では朝食抜きかもしれない……。

 夜更かしなのか,バイトの疲れが抜けていないのか,朝から眠そうに机に突っ伏している学生は,名前を呼んで出欠を取るのも気の毒な気がする。どのくらいの学生がバイトをしているのか,知りたくなった。

基本情報

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訪問看護と介護
8巻1号 (2003年1月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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