特集 廃用症候群を予防する
口腔の廃用症候群とその予防
角 保徳
1
1国立長寿医療センター病院先端医療・機能回復診療部口腔機能再建科
pp.101-105
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101532
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口腔領域の廃用症候群
高齢者が入院治療による長期の臥床を余儀なくされると,運動機能や生活機能が低下し,合併症や廃用症候群を併発し,入院が長期化することが知られています。高齢者の心身機能の低下は,老化によるものと考えがちですが,実は廃用症候群が見逃されていたことがわかってきました。
口腔においても咀嚼機能,摂食・嚥下機能を長期に使わないまま放っておくと廃用症候群が生じます。これは,誤嚥性肺炎や食べ物による窒息を引き起こし,生命を脅かします。たとえば図1~3に示すように,経管栄養や不十分な補綴処置の結果,咀嚼筋や顎骨の萎縮をきたします。これらの状態は,高齢者のQOLを著しく低下させる要因なので,適切な歯科医療・口腔ケアの提供が必要となります。
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