連載 聞いて腑に落ちる病気の話 第1話【新連載】
風邪・インフルエンザ
秋野 恵美子
1
1小樽市保健所
pp.44-45
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100609
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- 文献概要
病気はなぜ起こるのか,起こるとどうなるか,起こらないようにするにはどうすればよいか。在宅療養者の合併症対策,家族の健康管理に不可欠なこれらの知識を,訪問看護師は相手にわかる言葉で説明し療養に生かしてもらわなければならない。
易しく話すことほど難しいのは日々よく経験するところ。地域住民への健康教育で磨き上げた話術を小樽市保健所の秋野恵美子医師にご紹介いただく。
風邪とインフルエンザの違い
風邪とは何か? 風邪は言い換えると,「風邪ウイルスによる経気道感染症」です。つまり,風邪ウイルスという小さな微生物が,気道つまり呼吸器(口から肺まで)に,からだの外から入ってくる病気。では,同じようにインフルエンザを言い換えてみると,「インフルエンザウイルスによる経気道感染症」となります。
あれ? 風邪とインフルエンザ,あまり違わないのでは?? 違っているのは,「風邪ウイルス」か「インフルエンザウイルス」だけ?
そうなんです。風邪もインフルエンザも,原因はともにウイルスで,その“名前”が違うだけなのです。「風邪ウイルス」というのは,実は,多くの種類のウイルスを総称したもの。一方インフルエンザウイルスは,特別たちの悪いウイルス,だから特別扱いというわけです。
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