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はじめに
1992年4月に訪問看護制度が始まって10年が過ぎ,現在では全国で5000か所以上の訪問看護ステーションが設置されています。また,2000年4月には介護保険制度が導入され,在宅ケアの医療系サービスの中心的役割として訪問看護サービスが活用されています。
私が所属する医療法人財団石心会では,1993年8月に神奈川県で最初の訪問看護ステーションとしてさいわい訪問看護ステーションを開設しました。その時の初代管理者が私です。その後,1996年8月にさいわい訪問看護ステーション夢見ヶ崎,1997年7月にさいわい訪問看護ステーション鹿島田を開設し,訪問看護ステーション3か所で川崎市幸区内に訪問看護を提供しています。2002年11月現在の各ステーションのスタッフ数,利用者数,訪問件数は表1の通りです。
法人内(川崎地区)の訪問看護ステーションが3か所になってからは,各訪問看護ステーションの管理者と統括である私の4名で毎月管理者会議を開き,運営方法や研修企画等を検討してきました。特に,2000年4月からの介護保険制度導入にあたっては,開設以来の大きな制度変更であったため,慎重に念入りに準備を進めてきました。それでも,介護保険開始前後は大わらわの状態で,管理者はよく頑張りましたが,スタッフもへこたれずについてきてくれたと感謝しています。そのゴタゴタがようやく一段落したのは,半年が過ぎた9月頃でした。
その頃に,今後の当訪問看護ステーションのあるべき姿のイメージは何なのだろう……と考えたとき,「利用者に安心・満足して利用していただける看護サービスの提供」「安定した経営」「スタッフがやりがいをもって生き生きと働けるような職場」という3つのキーワードが出てきました。そして,それらを整えていくためには,今何を準備していかなくてはならないかを考え,1つひとつの取り組みを具体化する必要がありました。その中の1つが「リスクマネジメント」でした。
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