看護管理 24巻1号 (2014年1月)

特集 「対話」が現場を変える! ファシリテーター型リーダーシップ

  • 文献概要を表示

スタッフが安心して話し合える場をつくり,その主体性や当事者意識を高めることで,自律や創造を育む支援型のリーダー=ファシリテーター型リーダーをめざしてみませんか。

「決めない」「問いを投げかけたら,スタッフを信頼して待つ」こうしたリーダーのありかたは,創造的な組織づくりに欠かせないものであると当時に,看護管理者自身が少し楽になれるリーダーシップスタイルかもしれません。

本特集では,ファシリテーター型リーダーシップとは何か,看護部門での導入・活用のヒント,対話の場をいきいきさせる具体的なファシリテーションスキルまで,幅広く紹介します。

  • 文献概要を表示

筆者は,わが国にワークショップ,ファシリテーションを紹介した第一人者である。広告会社で勤務の後,現在は大学で教育に携わっている。本稿では,自律や創造を育む「参加型の場づくり」に長く取り組んできた筆者から,特集の導入として,人が育つということ,それを支援する新しいリーダーシップスタイルである「ファシリテーター型リーダー」のありようについて,解説する。

  • 文献概要を表示

患者・家族やスタッフの価値観の多様化が進むなかで,治療や療養の場の選択・意思決定支援,キャリア支援など,看護管理者が取り組むべき課題の幅と質も大きく変化しています。そのような状況下において,経験したことのない課題に直面したり,新しい価値の創出を迫られる場面も増加しているのではないでしょうか。

こうした中,看護管理者には質の高い対話を紡ぐ力が求められています。対話を通じて相手が大切にしている価値や経験を共有し,協働することで,よりよい看護や新たな価値の創造が可能になるでしょう。

この対話の質を高めるためのコミュニケーションスキルが「ファシリテーション」です。日々の会議やカンファレンスを効率的かつ実り多い内容にするためにも大いに役立つスキルです。

本座談会では,ファシリテーションとは何か,また看護管理者が,臨床や病棟マネジメントにおいてこのスキルをどのように活用できるのかについて,経験豊富な3人のファシリテーターに語っていただきました。

  • 文献概要を表示

筆者は,大学病院で看護師長を務めていた際に,ファシリテーションやワークショップを学び,対話を重視した全員参加型のいきいきとした病棟づくりに活かしてきた。現在は起業して,ナースファシリテーターとして活動。看護協会などの研修講師,病院看護部からの委嘱を受けて,看護部門を“人を育てる対話型の場(ファシリタティブな場)”に変革するための研修・コンサルティングを実践している。

本稿では筆者の経験から,看護部をファシリタティブな場に変革するための考え方を解説する。

  • 文献概要を表示

前稿では,参加型の対話の場を基盤とした看護部づくりにおける基本的な考え方を述べた。本稿では,病院や看護部からの依頼により,研修・コンサルテーション活動を継続している筆者の経験から,役割・経験年数・職種ごとにファシリテーションに必要なスキルとマインドをもつ人材を育成するためのヒントを提示する。

  • 文献概要を表示

埼玉県の看護行政を担う病院局経営管理課看護人材担当では,2011年からファシリテーションを県立病院に勤務する看護職員の研修に取り入れた。それを皮切りに,研修企画を担当した筆者らは,採用内定者の顔合わせ研修へのファシリテーションスキル導入や,全員参加型の看護部をめざすためにファシリテーター型リーダーシップを基盤に置いたマネジメントに挑戦している。本稿では,教育・看護実践・看護管理という3つの視点から,ファシリテーションを看護部門に取り入れる方法と効果について述べる。

  • 文献概要を表示

阿部氏は英国の緩和ケア専門看護師の資格をもち,セントクリストファーホスピスでの勤務経験もある緩和ケアのスペシャリスト。現在は,名古屋大学内においてがん専門看護師をめざす大学院生らとがんサロンを運営している。2014年,がん連携拠点病院の指定要件としてがんサロンの設置が追加される予定で,さらなる取り組みの伸展,質向上が求められている

阿部氏は現在,がん体験者を支える看護師のコアコンピテンシーとして,患者自らの気づき,行動変容を促す対話力に着目し,がんサロンの場づくりに特化した新たな人材育成として,ファシリテーションスキルの学習会を開始している。本稿では,がん体験者に対する「対話を通じた支援」という視点を中心に,ファシリテーションがもつ力を紹介する。

  • 文献概要を表示

参加者のホンネを引き出し,相互作用が生まれる「よい話し合いの場」を実現するためには,丁寧な準備が必要である。筆者は医師としての経験を基盤に,チーム医療時代における院内コミュニケーションをより活性化するための研修やコンサルティングを実践している。本稿では,多数のファシリテーター経験をもつ筆者が,よい話し合いの「器」をつくるためのテクニックを「BOARRRTTモデル」にもとづき,詳説する。

巻頭 うちの師長会・主任会 学習する組織をめざして・1【新連載】

  • 文献概要を表示

札幌市内の住宅街である手稲区のJR駅前に立地し,ドクターヘリを備えるなど医療圏の超急性期医療を担う手稲渓仁会病院。大学院(看護管理学)を修了した樋口春美副院長・看護部長のもと,和気藹々としたゼミ形式の看護師長会,看護管理の基礎を講義形式で学習する主任会を企画し,ナレッジマネジメントに力を入れている。2~4ページでは看護師長会の取り組みを,5ページでは主任会の取り組みを紹介する。

  • 文献概要を表示

2012年に厚生労働省のがん対策推進基本計画において,小児緩和ケアが初めて政策課題になったことを受け,2013年2月には全国15機関の小児がん拠点病院が選定された。日本の小児緩和ケア体制の整備が進むなかで,意思決定支援,地域との連携など,看護師の担う役割は大きく,看護管理者には,より効果的な人材育成,人員配置が求められる。本稿では,小児緩和ケアの全体像から,チームのなかで看護職,多職種が果たす役割,そして今後,小児緩和ケアを充実させていくための看護管理者への期待について述べる。

  • 文献概要を表示

筆者は,デザインあるいはデザイナーの視点や思考を医療現場に取り入れることで,より安全な医療やチーム医療の質向上が実現できるとの思いから,LMDPや日本看護管理学会などを通じた啓発活動や,医療・看護現場へのコンサルテーション業務に従事してきた。

本稿では,筆者の近年の取り組みから,看護現場にデザイン思考や,理想に向かって現場課題を解決していくアプローチを導入する意義について述べる。

  • 文献概要を表示

さまざまな取り組みを通して一時に比べて歯止めがかかったものの,新人看護師の早期離職対策はいまでも看護界全体の課題である。

札幌市立大学看護学部では「往還型研修」として,北海道内外のさまざまな病院に勤務する卒業生たちを3年間にわたり支援しており,組織社会化やメンタルケアなど複合的な効果を生んでいる。先輩卒業生たちが屋根瓦式に後輩の支援に当たることが大きな特長である。

本シリーズでは,3回にわたりこの往還型研修を紹介する。第1回の今回は研修全体の概要について解説する。また,各回,教育研修で成果を挙げている病院の看護管理者や卒業生が就職している病院の看護管理者,研修に参加した卒業生から本研修の意義についてコメントをいただく。

連載 看護事故の舞台裏・1【新連載】

  • 文献概要を表示

私はこれまで損害保険会社の顧問医という立場で,患者さん側からクレームを申し立てられた医療事故の賠償金支払いをめぐって,医療機関側にミスがあるかどうかをアドバイスする業務を担当してきました。

 損害保険会社に寄せられる医療事故の案件は年々増え続け,裁判所の判決で医療機関側に支払い命令が出る事例に加えて,水面下の和解例も相当な数に上ります。

  • 文献概要を表示

 寝たきり状態や認知症末期の超高齢者は,日常生活が全介助の状態である。高齢認知症末期患者の苦痛は,末期がんや他の非がん疾患にみられる苦痛とは異なり,食欲不振と嚥下障害,肺炎からくる呼吸困難や咳嗽・喀痰などの呼吸器症状を中心に,長期臥床に伴う褥瘡などさまざまな老年症候群が主である1)とされる。これらの苦痛に対して,一般的な緩和ケアに加え,食事,排泄,移動,安楽な体位,楽しみなど日々の生活上のケアをていねいに提供することで,自ら動けないことによる拘縮・褥瘡などの新たな苦痛を予防することが重要と考える。

 今回は,四肢拘縮の著明な認知症末期の高齢者の苦痛を察知し,緩和のためのケア提供をめざした専門看護師(以下,CNS)の活動における臨床推論を紹介する。

連載 やじうま宮子の看護管理な日々・94

  • 文献概要を表示

性別を聞かれたくない人もいる

 今さらですが,マイノリティーとは社会的少数者のこと。往々にして差別や偏見の対象となり,実際には社会的弱者とオーバーラップします。病む人という,社会的弱者と関わる看護の世界では,欠かせない視点と言えましょう。

 最近ネットで非常に興味深い話題を見つけました。すでに書き込みは削除されているので,元のサイトは明かさず,概要のみ記します。

連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・92

  • 文献概要を表示

 詩というものは,現実とファンタジーの世界を交錯させ融合させる不思議な力を秘めている。だから,詩の文章を絵本にすると,その不思議な力が,一段とダイナミックに立ち上がってくる。ファンタジーの世界を膨らませることは,決して現実世界から遊離してしまうのでなく,むしろ現実世界の悲しみや喜び,苛酷さや安堵感をより深く感じさせる役割を果たすことになるのだ。

 最近,詩人と絵描きのコラボレーションによるすばらしい絵本がいくつか創作されているが,『ゆきがふる』はその1作だ。詩集や童話や絵本などを書いている蜂飼耳さんの詩と,装画や挿絵で多くの本を飾っている画家のみごとなアンサンブルによる絵本と言える。

--------------------

新刊紹介

INFORMATION

投稿規定

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 小齋 笹山

基本情報

09171355.24.1.jpg
看護管理
24巻1号 (2014年1月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
2月11日~2月17日
)