連載 専門看護師の臨床推論+・23
高齢認知症末期の緩和ケア―ケアする看護師の不全感と向き合う
塩塚 優子
1
,
大生 定義
2
,
井部 俊子
3
1医療法人社団慶成会青梅慶友病院ケアマネジメント室
2立教大学
3聖路加看護大学
pp.90-95
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102989
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
寝たきり状態や認知症末期の超高齢者は,日常生活が全介助の状態である。高齢認知症末期患者の苦痛は,末期がんや他の非がん疾患にみられる苦痛とは異なり,食欲不振と嚥下障害,肺炎からくる呼吸困難や咳嗽・喀痰などの呼吸器症状を中心に,長期臥床に伴う褥瘡などさまざまな老年症候群が主である1)とされる。これらの苦痛に対して,一般的な緩和ケアに加え,食事,排泄,移動,安楽な体位,楽しみなど日々の生活上のケアをていねいに提供することで,自ら動けないことによる拘縮・褥瘡などの新たな苦痛を予防することが重要と考える。
今回は,四肢拘縮の著明な認知症末期の高齢者の苦痛を察知し,緩和のためのケア提供をめざした専門看護師(以下,CNS)の活動における臨床推論を紹介する。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.