作業療法ジャーナル 54巻1号 (2020年1月)

特集 老健の多機能性・多様性と作業療法士—固有の暮らしの再建と継続への貢献

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特集にあたって

 介護老人保健施設(以下,老健)は,地域包括ケアの要となり得る施設である.“なり得る”と書いたのには理由がある.地域包括ケアの要となるには,老健の強みである多機能性を十分に把握すること,発揮すること,そして,昨今の制度が求めている老健像を具現化することが必要だからである.

 長期入所,短期入所療養介護,通所および訪問リハビリテーションといった事業の多機能性,さまざまな専門職が一体的にかかわり合えるといった職種の多機能性,これらの多機能性を駆使し,医療・介護・予防の各領域をつなぐハブ機能として,一人ひとりの暮らしの再建や継続に資すること,それが,今老健に求められている役割ではないだろうか.

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Key Questions

Q1:制度的経緯を踏まえた老健の役割と理念とは?

Q2:老健に求められる機能とは?

Q3:老健の作業療法士に求められる視点とは?

はじめに

 日本作業療法士協会による「第三次作業療法5カ年戦略(2018-2022)」1)の重点的スローガンとして,「地域包括ケアシステムへの寄与〜作業療法5・5計画〜」が掲げられている.これは,医療専門職であるOTが,医療機関以外の介護,保健,福祉,教育の場においても作業療法を提供するかたちを目指すことこそが,「地域包括ケアシステムへの寄与」につながっていくとの認識に立っている.この重点的スローガンを推進していくための重点事項として協会は「共生社会の実現に向けた,地域を基盤とする包括的ケアにおける作業療法の活用促進」と「地域共生社会に寄与する作業療法士を要請する教育の整備と強化」の2つを掲げている.この重点的スローガンならびに重点的事項からも,OTとして地域で活躍することが期待されていると理解できる.2018年度(平成30年度)日本作業療法士協会会員統計資料2)によると,領域別会員数の割合では,最も多いのが医療法関連施設で59.0%,ついで介護保険法関連施設で9.8%であり,このうち介護老人保健施設(以下,老健)が7.8%と最も多くなっている.このことから,医療機関以外の地域で最も多くのOTが勤務しているのが老健であるといえる.地域でOTが活躍することが求められている今,老健に勤務するわれわれがイニチアチブをとって活動してくことが求められているのではないだろうか.

 筆者が老健に勤務して20年近くになるが,この20年でも老健に求められる役割は変化しており,そしてこれからも変化し続けていくのではないかと考える.本稿では,総論的に,老健の制度的な経緯から老健の役割と理念,そして老健の今後の展望を踏まえながら,老健のOTに求められる視点について述べる.

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Key Questions

Q1:超強化型施設の特徴とは?

Q2:在宅復帰に向けたバランスのよい支援計画の視点とは?

Q3:老健における作業療法士の役割とは?

はじめに

 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(地域包括ケア強化法)」〔2017年(平成29年)6月2日公布,2018年(平成30年)4月1日施行〕により,介護老人保健施設(以下,老健)の定義(「介護保険法」第8条第28項)が改正され,「在宅復帰・在宅療養支援のための地域拠点となる施設」,「リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設」であることが明確化された.介護報酬改定においても,2012年度(平成24年度)に「在宅復帰支援型の介護老人保健施設を強化する観点から,在宅復帰の状況及びベッドの回転率を指標とした報酬体系の見直し等を行う」とされ,強化型・加算型・従来型の3類型で評価されることとなった.さらに2018年度には,在宅復帰・在宅療養支援機能をより推進していく観点から,超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型の5類型に細分化された.これらの類型に区分する主な指標として「在宅復帰・在宅療養支援指標(最高90)」が用いられ,在宅復帰率やベッド回転率等のアウトカム指標だけでなく,入所前後訪問指導や退所前後訪問指導の実施割合,リハ専門職や支援相談員の配置割合等のプロセスやストラクチャー指標等も含めた総合的な指標となった.また老健におけるリハビリテーションマネジメントについては,2009年度(平成21年度)に本体報酬に包括化されたが,2018年度にその他型以外の4類型すべてにおいて要件化することで,あらためてその重要性が強調されることとなった.

 2018年10月現在の施設類型の割合は,超強化型19.6%,在宅強化型6.9%,加算型32.4%,基本型34.8%,その他型4.0%である1).利用者の内訳(図 1)として,“新規入所者の入所元”については,超強化型では病院42.2%,在宅48.6%と若干在宅の割合が多いのに対して,基本型では病院60.7%,在宅25.8%と,在宅の割合が少なくなっている.施設全体における昨年度の調査との比較では,入所元としての“病院”の割合は,56.1%から50.6%に減少しており,これは2017年度の診療報酬の改定により,地域包括ケア病棟における在宅復帰の要件から老健への退院が除外されたことも一つの要因となっていることが考えられる.一方“退所先”については,超強化型では在宅58.8%と入所元の割合よりも高くなっているのに対して,基本型では在宅21.2%と入所元の割合よりもさらに少なくなっている.

 老健の役割は多様化しつつあるものの,在宅復帰・在宅療養支援機能がより評価されてきており,病院からの受け入れだけでなく,在宅で生活している対象者を入所者として受け入れ,また在宅へつなげていくことにより,より長く住み慣れた地域で過ごすことができるようなリハサービスの提供が求められてきている.以下に,入所時のアセスメントから在宅復帰後のフォローアップまで,超強化型等の特徴等を整理しながら,OTに期待される役割について触れていく.

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Key Questions

Q1:認知症の人の生活障害の現れ方は?

Q2:老健で支援する必要のある課題の見極め方は?

Q3:生活支援における老健の強みとは?

はじめに

 わが国における認知症の人の数は2018年(平成30年)には500万人を超え,65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症と見込まれている1).このような状況の中,政府は内閣官房長官を議長,健康・医療戦略担当大臣および厚生労働大臣を副議長とし,その他13大臣を構成員とする「認知症施策推進関係閣僚会議」を2018年12月に設置した.この会議では,認知症にかかわる諸課題について,関係行政機関の緊密な連携の下,政府一体となって総合的な対策を推進することを目的とし,2019年(令和元年)6月に「認知症施策推進大綱」を取りまとめた.この基本的な考え方として,「認知症の発症を遅らせ,認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し,認知症の人や家族の視点を重視しながら,『共生』と『予防』を車の両輪として施策を推進していく」方針を打ち出している.ここでいう予防とは,認知症にならないという意味ではなく,認知症になるのを遅らせる,認知症になっても進行を緩やかにするという意味である1).この大綱で示された共生と予防という2つの課題に対して,介護老人保健施設(以下,老健)としては何を行っていけばよいのであろうか.

 老健は,1999年(平成11年)の省令の基本方針で在宅復帰施設と定義されていたが,2017年(平成29年)6月改正の介護保険法では,第8条に,在宅支援施設と明記された.なお,在宅支援機能とは,入所サービス,ショートステイ,デイケア,訪問リハビリテーション機能であり,老健には総合的な在宅支援機能を有する“大規模多機能施設”であることが求められている2).全国老人保健施設協会の調査3)では,老健入所者の認知症高齢者の日常生活自立度4)(表 1)別人数では,Ⅲaと判定された方が29.4%と最も多く,次いでⅡbが21.4%となっている(表 2).これに対して,三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が通所リハに関して行った調査5)では,通所リハの開設主体は老健以外にも病院または診療所が含まれているが,利用登録者の33.2%が自立と最も多く,次いでⅠが27.4%となっている(表 2).これらの結果から考えると,認知症に起因する生活の支障に対しては,通所リハでは約4割の人に対して手段的日常生活活動(instrumental activities of daily living:IADL)を中心とした支援が,入所では約9割の人に日常生活活動(activities of daily living:ADL)を中心とした支援が必要になることが考えられる.もちろん,認知症ケアを最も困難にする要因の一つである,認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptom of dementia:BPSD)を改善するための支援も必須となる.

 本稿では,ADLより複雑な工程から構成されるIADLに関する課題や支援のポイントを考えていきたい.まず認知症疾患のうち最も多いアルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease:AD)の人について,症状の進行に伴って,どのような生活行為の支障が生じるのかを述べたうえで,多機能を有する老健としてどのような支援を行うことができるのか,その中でOTがどのような役割を果たすことができるのかを考えていきたい.

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Key Questions

Q1:通所リハの4つの普遍的機能とは?

Q2:通所リハが行う訪問や,生活行為向上リハビリテーションの実際とは?

Q3:通所リハにおける多職種連携とは?

はじめに

 通所リハは,居宅で生活する要介護者に対して,通いの形態でリハを提供する,居宅サービスの一つであり,介護老人保健施設(以下,老健)の他,病院,診療所,介護医療院等でサービス提供されている.近年,通所リハは,同じ通いの形態でサービスを提供する通所介護との役割分担や,機能の明確化が進められており,リハ専門職の配置の促進や,短時間の通所リハサービスの充実が進められている.2018年度(平成30年度)の診療報酬改定では,要介護・要支援被保険者に対する維持期・生活期の疾患別リハが廃止され,リハの継続先が介護保険サービスに移行した流れもあり,短時間のリハ特化型の通所リハが増えている傾向にある.一方,長時間型の通所リハは,医療依存度が高い利用者や中重度の介護が必要な利用者のリハやケアを受ける場として機能しており,多職種が配置されている通所リハだからこそできる支援を展開している.

 本稿では,利用者の在宅生活を支える通所リハの支援として,通いと訪問を組み合わせた支援の活用や多職種連携の強化,また社会参加につなぐための生活行為向上リハビリテーションについて紹介していく.

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Key Questions

Q1:地域貢献活動,総合事業と作業療法との関連性とは?

Q2:総合事業対象者の傾向とかかわりのポイントとは?

Q3:地域貢献活動のためにOTがすべき努力とは?

はじめに

 2017年度(平成29年度)の介護保険法改正により,介護老人保健施設(以下,老健)は,在宅復帰・在宅療養支援の拠点となる施設,リハを提供する機能維持・改善の役割を担う施設であることが明示された.これを受けて,2018年度(平成30年度)の介護報酬改定では,在宅支援・在宅復帰機能に応じて5類型に分類され,加算型以上に「地域貢献活動」が位置づけられた(表 1)1).昨今の改正を見渡すと,まさに全国老人保健施設協会が示す「老健の理念と役割」(表 2)2)へと導いているようにみえる.

 本稿では,地域貢献活動,介護予防・日常生活支援総合事業(以下,総合事業),作業療法の三者の関連性について述べたうえで,当法人の事業である「せんだんの丘ぷらすあらい」の実践を紹介する.そして,この実践を通して感じた総合事業におけるOTの支援のポイントをお伝えする.

わたしの大切な作業・第21回

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 一日一万歩歩くことを目標にしている。自分をごまかさないよう、三年前からは毎日の歩数をきちんとエクセルに記録することにした。一昨年が一日当たり一万四百歩、昨年が一万百歩なので、ぎりぎり合格だ。

 自宅と最寄り駅の距離等によるだろうが、私の場合、ごく普通に日常生活をしていると、せいぜいが六千歩程度である。だから、すこし離れた駅で降りて歩数をかせぐことにしている。

提言

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「哲学とはおのれ自身の端緒がたえず更新されていく経験である」 モーリス・メルロ=ポンティ

あなたにとって作業療法とは何ですか?・第61回

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思いに応える

 私にとっての作業療法とは「思いに応える」ことだと考えています.「思い」にはさまざまな対象がもつ考えや希望,要求等が含まれます.その第一には患者さんや患者さんのご家族の「思い」が挙げられます.病気や障害に対して「よくなりたい(よくなってほしい)」,「元気になりたい(元気になってほしい)」,「○○がしたい(できるようになってほしい)」等の多様な思いを受け止め,最善を尽くし応える必要があります.

 また,職場の仲間たちの「思い」に向き合い,応えることも重要です.チームがより高みにたどりつくために,いかに対応するかいつも思案しています.同様に,所属する施設や病院,組織についても,その運営方針(思い)を理解し,応えることが求められます.さらにOTとして社会のニーズ(思い)にも応える必要があります.

講座 画像情報を作業療法に活かす・第2回

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はじめに

 個人的なことで恐縮だが,私は就職して2年目に精神障害から身体障害の部門に異動した.それまで皮革細工,調理等,アクティビティ頼みだった新人の私は,異動当初たくさんの医学用語に戸惑ったが,ぼんやりした自分の判断ではなく,客観的な検査所見等の情報を頼りにできることはありがたかった.

 しかし,恥ずかしいことに,脳画像の情報はまったく使えなかった.CTがあったところで何をどうみるかもわからず,障害メカニズムも訓練の糸口もまったく見いだせなかった.あのときの自分のふがいなさは今でも忘れない.

 本稿で私が伝えたいことは1つだ.脳画像を活かすコツ,それは,自分が見たこと・感じたこと・考えたこと・したことを脳画像とセットでみることである.とにかく,みて,考えて,を繰り返し続けることだ.

 脳画像が使えなかった私は,今,脳画像がないと仕事にならないと思うようになっている.本稿では,脳画像の情報を自分の作業療法の味方にするために私が必要だと感じていることを述べる.

連載 脳損傷者への就労支援—対象者のデータベース化と多職種による支援の試み・第4回

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はじめに

 一般的には,若年脳卒中や交通事故等での脳外傷による入院が,回復期リハ病棟への入院患者の約15%に相当すると報告されている1).一方,当院の入院患者の年齢層は10〜50代が約30%を占めている.これは,高齢患者の多い他の回復期リハ病棟と比較して当院の特徴といえる.その年齢層のリハの目標の一つに復職や新規就労が挙げられ,就労支援を研究することは患者のニーズに応えるためにも重要と思われる.

 今回われわれは,脳血管障害・脳外傷の入院・外来訓練にて就労支援を行った患者のデータを収集し,今後の臨床・研究業務に反映するためのデータベースを構築したので紹介する.

連載 作業療法を深める ㊲LGBT

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はじめに

 「LGBT」という言葉が意味するものは何であろうか.多くの人は,それは「セクシュアル・マイノリティ」と呼ばれる人々を指し,最近頻繁に用いられる言葉として認識しているだろう.もっといえば,これまでテレビの中で「オネエ」や「ニューハーフ」と呼ばれていた人々に対する「正式名称」のようなニュアンスで理解している人もいるかもしれない.

 残念ながら,「LGBT」という言葉が知られるようになった一方で,上記のような表面的な理解でとまっている場合や,それゆえに誤解や偏見につながっている場合も少なくない.「“LGBT”のことはよく理解しています」という人ほど,自らの中にある「男女二元論」や「異性愛主義」というアンコンシャス・バイアス(無意識のバイアス)を自覚することなく,「LGBT」を「特別な存在」で「だからこそ“支援”が必要な存在」として,“線を引いて”認識してしまっていることがある.そして,このことは医療・福祉領域においても例外ではない.むしろ,より閉鎖的な環境に陥りやすい領域であるからこそ,世界の認識の流れとの乖離が強く懸念される.

 では,「LGBT」という言葉が意味する“本質”とは何であろうか.本稿では,この問いについて,まず「性の多様性」という観点から概説する.そして,「LGBT」を巡るよくある誤解や偏見の代表例を取り上げて解説を加える.これらを通じて,最低限理解しておきたい知識とポイントについて共有することを目的としたい.

認知症と仏教・第1回【新連載】

苦を生き抜く 日髙 明
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 認知症介護の仕事を始める前,歳をとったら性格も丸くなるものなのだ,という「穏やかな老人」のイメージがあった.が,実際のところは,そうではなかった.私の知る「老人」は,みんなそれまでの人生を背負って,アクの強い人ばかりだ.

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Abstract:Bálint症候群は,その典型的な病巣が両側頭頂-後頭領域であることから,症例報告数が少なく,視線移動の解析を示した研究も少ない.今回,左頭頂葉皮質下出血により,歩行時の衝突や箸のつまみ損ない等の症状を示し,Bálint症候群の疑いと診断された事例を経験した.90病日より健常者の視線移動パターンを規範パターンとして利用して,視線移動訓練を,アイマークレコーダーを用いて生活関連活動で実施した.その結果,歩行時やリーチ課題等の生活機能時に,眼球運動の改善を定量的に確認した.これは,今回用いた訓練のBálint症候群の精神性注視麻痺と視覚失調の改善を客観的に示すものと考えた.本研究は,Bálint症候群の数少ない眼球運動についての改善報告で,かつ用いた訓練方法とその効果についての一つの指標になると考える.

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Abstract:われわれは,作業療法の対象者に活動を導入した際の活動と対象者との結びつきの強さ,つまり活動が対象者に与える影響や効果の強さを観察から評価するために,活動の質評価法(A-QOA)という評価法を作成してきた.本稿では,A-QOAの開発手順を紹介し,その評価法の概要に関して紹介する.

 評価法の開発手順は認知症や重症心身障害児を専門とする熟練OTへのインタビュー,デルファイ法による内容妥当性の確認,観察評価マニュアルを開発し観察評価を繰り返すことで推敲するという手順で行った.

 これらの結果,多くの活動,幅広い対象者,短時間で評価が可能で,25項目の観察項目を4段階の評定で採点可能なA-QOAを作成した.A-QOAの開発によって,本人視点での活動への取り組み,活動から得られている効果の観察評価が可能になった.これにより,活動の質を数値化ができ,活動の選択や効果検討の根拠にできると考える.今後も継続した研究と並行し,臨床活用に向けて活動を継続する.

昭和の暮らし・第37回

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 初めて赤ちゃんが誕生したころのことを記録に残してみえる方は多いようだ.

 写真はもちろん,産着や母子手帳,へその緒など,さまざまなものを大切な思い出,記録として保存しているだろう.

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目次

表紙のことば/今月の作品

研究助成テーマ募集

第55巻表紙作品募集

Archives

学会・研修会案内

次号予告

編集後記 竹内 さをり
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 介護老人保健施設(老健)の特集は,前回〔2015年(平成27年)7月号〕から4年ぶりとなる.2012年(平成24年)に厚生労働省が地域包括ケアシステムの構築を提案し,2014年(平成26年)「高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会」により,活動と参加に働きかけるという観点が示された直後の特集であった.当時のキーワードは,「在宅復帰支援・在宅生活支援」,「認知症支援」,「食事支援」,「排尿リハ・ケア」,「活動と参加に焦点を当てたOT」,「多職種連携」に加え,「地域へのアウトリーチ」も含んでいた.

 そして,今回の特集テーマは「老健の多機能性・多様性と作業療法士」である.各執筆者の記載から,2018年度(平成30年度)の介護保険制度改正により,老健の担う役割が自立支援と在宅復帰を基本とする中間施設から,在宅復帰・在宅療養支援の拠点となる施設へ広がっていることを理解した.本特集では,今,老健においてOTに求められている,OTだからこそできる役割を具体的にお伝えいただけたと感じている.

基本情報

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作業療法ジャーナル
54巻1号 (2020年1月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0915-1354 三輪書店

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