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Key Questions
Q1:超強化型施設の特徴とは?
Q2:在宅復帰に向けたバランスのよい支援計画の視点とは?
Q3:老健における作業療法士の役割とは?
はじめに
「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(地域包括ケア強化法)」〔2017年(平成29年)6月2日公布,2018年(平成30年)4月1日施行〕により,介護老人保健施設(以下,老健)の定義(「介護保険法」第8条第28項)が改正され,「在宅復帰・在宅療養支援のための地域拠点となる施設」,「リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設」であることが明確化された.介護報酬改定においても,2012年度(平成24年度)に「在宅復帰支援型の介護老人保健施設を強化する観点から,在宅復帰の状況及びベッドの回転率を指標とした報酬体系の見直し等を行う」とされ,強化型・加算型・従来型の3類型で評価されることとなった.さらに2018年度には,在宅復帰・在宅療養支援機能をより推進していく観点から,超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型の5類型に細分化された.これらの類型に区分する主な指標として「在宅復帰・在宅療養支援指標(最高90)」が用いられ,在宅復帰率やベッド回転率等のアウトカム指標だけでなく,入所前後訪問指導や退所前後訪問指導の実施割合,リハ専門職や支援相談員の配置割合等のプロセスやストラクチャー指標等も含めた総合的な指標となった.また老健におけるリハビリテーションマネジメントについては,2009年度(平成21年度)に本体報酬に包括化されたが,2018年度にその他型以外の4類型すべてにおいて要件化することで,あらためてその重要性が強調されることとなった.
2018年10月現在の施設類型の割合は,超強化型19.6%,在宅強化型6.9%,加算型32.4%,基本型34.8%,その他型4.0%である1).利用者の内訳(図 1)として,“新規入所者の入所元”については,超強化型では病院42.2%,在宅48.6%と若干在宅の割合が多いのに対して,基本型では病院60.7%,在宅25.8%と,在宅の割合が少なくなっている.施設全体における昨年度の調査との比較では,入所元としての“病院”の割合は,56.1%から50.6%に減少しており,これは2017年度の診療報酬の改定により,地域包括ケア病棟における在宅復帰の要件から老健への退院が除外されたことも一つの要因となっていることが考えられる.一方“退所先”については,超強化型では在宅58.8%と入所元の割合よりも高くなっているのに対して,基本型では在宅21.2%と入所元の割合よりもさらに少なくなっている.
老健の役割は多様化しつつあるものの,在宅復帰・在宅療養支援機能がより評価されてきており,病院からの受け入れだけでなく,在宅で生活している対象者を入所者として受け入れ,また在宅へつなげていくことにより,より長く住み慣れた地域で過ごすことができるようなリハサービスの提供が求められてきている.以下に,入所時のアセスメントから在宅復帰後のフォローアップまで,超強化型等の特徴等を整理しながら,OTに期待される役割について触れていく.
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