講座 画像情報を作業療法に活かす・第2回
—脳画像情報を作業療法に活かす1—“見立て”のコツ
早川 裕子
1
Yuko Hayakawa
1
1横浜市立脳卒中・神経脊椎センター
pp.43-48
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201972
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はじめに
個人的なことで恐縮だが,私は就職して2年目に精神障害から身体障害の部門に異動した.それまで皮革細工,調理等,アクティビティ頼みだった新人の私は,異動当初たくさんの医学用語に戸惑ったが,ぼんやりした自分の判断ではなく,客観的な検査所見等の情報を頼りにできることはありがたかった.
しかし,恥ずかしいことに,脳画像の情報はまったく使えなかった.CTがあったところで何をどうみるかもわからず,障害メカニズムも訓練の糸口もまったく見いだせなかった.あのときの自分のふがいなさは今でも忘れない.
本稿で私が伝えたいことは1つだ.脳画像を活かすコツ,それは,自分が見たこと・感じたこと・考えたこと・したことを脳画像とセットでみることである.とにかく,みて,考えて,を繰り返し続けることだ.
脳画像が使えなかった私は,今,脳画像がないと仕事にならないと思うようになっている.本稿では,脳画像の情報を自分の作業療法の味方にするために私が必要だと感じていることを述べる.
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